教職者K

教育について考えるブログ。

ばあちゃんとの思い出を書いておく。

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一つ前のエントリーで夏休みの思い出を書いたのだが,そこから芋づる式に

 

ばあちゃんとの思い出

 

が蘇ってきたので記憶が鮮明なうちに書いておくことにするーーーーーーーーー。

 

うちの婆ちゃんは今も元気ではあるのだが,私が家を出るまでずっと同居していたのである。

 

振り返ってみると,そんなばあちゃんとの思い出は

 

「食」

 

と繋がりが強い。

 

両親が共働きだったこともあり,元気だった頃はばあちゃんがよく食事を作ってくれていたのである。

 

そんな中,小学校6年生の頃,調理実習で

 

「班で好きなものを一品作っていい」

 

という課題があったのである。

 

班長だった私がメニューを決めることになり,私はばあちゃんに

 

「頼むから何か一品作り方を教えてくれ!」

 

と頼んだのである。

 

その結果他の班の子たちが,

 

ハンバーグ

 

だの

 

オムライス

 

だの作っている中で,うちの班は,

 

 

煮物づくり

 

に取り組むことになってしまったわけである。

 

例によって人の話を全く聞いていない私は,他の班の動向を全く気にしていなかったのだ。

 

そしていざ始まってみるとなんとなく煮物を作るのが恥ずかしくなってきてしまったのである。

 

ばあちゃんは懇切丁寧にその作り方を教えてくれたし,材料も買って来てしまったので後には引けないのだが,

 

「せめてカレーライスにしとけばよかった…」

 

とせっかちな私はまたしても反省したのである。

 

しかし,状況は試食が始まると一変する。

 

回ってきた担任の先生が,うちの班の煮物を一口食べて,

 

 

「うわこれ,超うまい!」

 

と言ってくれたのである。

 

この一言をきっかけにして他の班の子たちが

 

「ちょっと一口ちょうだい」

「え,うまい〜」

 

という流れになり,煮物の前に列になったのである。

 

そして奪い合うように煮物を食う小学生たち。

 

その光景が20年以上たった今も私は忘れられないのだ。その時妙にばあちゃんのことが誇らしく感じたのである。

 

そして,そんなばあちゃんが作る炊き込みご飯は私の大好物で,柔らかい鶏肉やしっかりとした処理されたごぼうがたまらなく美味かったのである。

 

ばあちゃんの炊き込みご飯が大好きだった私は,3杯も4杯もおかわりし,夜中にもこっそり台所でジャーをあけて食べる。

 

さらにはおにぎりにして持ち歩き,

 

いつでも炊き込みご飯が補給できるようにするという

 

山下清的な生活

 

 

を人知れず送っていたのである。(そりゃ太るわ)

 

 

しかし,何年かしてから「婆ちゃん,炊き込みご飯を作ってくれ!」とお願いしたところ,これまでのような旨さがなく,全く私の箸が進まないという事件があった。

 

その時はわからなかったが,

 

 

多分婆ちゃんは、

 

丸美屋

 

という便利な存在に気づいてしまったのだと思う。

 

(注意しておきたいのだが,丸美屋が不味いと言いたいのではない。昔ながらの炊き込みご飯がめちゃくちゃ美味かったのだ)

 

思えば一度丸美屋に変わってしまってからと言うものの,ばあちゃんのあの炊き込みご飯はもう復活しなくなってしまったなぁと思う。

 

そこからだんだんと料理が出来なくなっていき,日常生活でも変なミスが出るようになっていった。

 

 

それでもばあちゃんは教員採用試験に向けて私が

 

 

「図書館で勉強してくる」

 

 

といえば,

 

「未来の先生、頑張れ」

 

「これでお昼食べな」

 

と言ってなけなしの年金から千円を私に渡すのだった。

 

「そんなにいらないよ」

 

と言って一応返すのだが「いいから,いいから,もってきな」と言って渡してくれる。

 

正直なところ私も「図書館にいく」といえば,ばあちゃんが千円くれるので,ATMのように思っていたところもあるのである。(←殴ってよし)

 

そんな婆ちゃんも現在は90を超え,今は在宅ではあるが,なかなかもう孫である私の名前も出てこなくなった。

 

 

それでも食には興味があるようで。

 

 

今年はお中元としてかまぼこを送ったのだが,大ぶりのサイズ二つをペロリと食べたとのことだ。

 

 

そんな話を聞いて,そうか,良いもの食べさせてもらった分,自分にできる恩返しはこれなのかもしれないとふと思った。

 

そういえばばあちゃんは「きんつば」が好きだったのである。

 

あの「あんこの塊」みたいなもので何が美味いのかわからないが,上の世代にとっては贅沢品だったのかもしれない。

 

 

 

だから年末に実家に帰る時は,

 

かまぼこと一緒に「きんつば」も買って帰ろうかな、

 

なんて今は思っているのである。

 

 

 

追伸

すっごい内輪な話ですいません。忘れないために書いておかせてください。笑