教職者K

30代教員の日々の徒然。

ブラックフライデーで買ったもの2024

誰も気にしてないと思いますけど、最近私が買ったものを書いておきます。

 


去年買ったものの中で一番愛用したのがこのモレスキンのノートなんですよ。

 

この分厚い手帳に1日1ページ書くことを1年間続けました。タスク管理だったり、本を読んで面白かったことをメモしたり。とにかくこの一年で考えたことは全部この手帳に書きましたね。

 

値段が高いので迷うところもあったんですけど、やっぱりこの手帳の雰囲気が好きだなと。まぁ高いけど一年使って1月300円なら良いかなと。

 

無くしても見つけやすいように今回は赤で。さらにハードカバータイプをチョイスしてみました。

 

来年もガンガン書きたいと思います。

 

次にこちら。

 

去年練習中に寒くてストーブ近づいたら気に入ってたベンチコート焦がしましてね。寒い冬場の体育館で着るやつを探してたんですよ。

 

勝間和代さんのYouTubeで電熱ベストを推していたので、これだ!と思いました。

 

ベストなのでバレー教えている時にボール打っても肩が気にならないあたりがいいなと。あと教室はあったかいけど廊下は寒いので温度調節の切り替えきくのもありがたい。

 

早速着てみたんですけど、まぁ背中から首にかけてがあったかい。ちょっとバッテリーがデカすぎる感じもありますけど、それ以外は良い感じですね。

 

165センチ・60キロでMサイズを購入しました。暖かさを求めるなら体にフィットする方がいいし、インナーとして着ることも考えるとこれぐらいのサイズで良かったなと。

 

襟がないタイプもあるんですけど、首元の暖かさがある方が個人的には嬉しいなと。

 

私みたいに体育館とかにいることが多い人とか、冬場もゴルフやる人とかには良いかもしれません。

 

ラストはこのアロマオイル。

 

最近奥歯が欠けてるような気がして、口の中みてたら上の歯茎も妙に膨らんでいることを発見しました。

 

どうやらこれ骨隆起と言って寝ている間の食いしばりや歯ぎしりが原因みたいなんですよ。

 

そういえば起きてから妙にアゴが疲れたような感覚もあって。

 

以前にも歯科医からマウスピース勧められてたんですけど、いつの間にか面倒くさくてつけなくなっちゃってたんですよね。

 

最近またマウスピース使ってるんですけど、それに加えてこちらを購入しました。なんでもリラックス効果があって食いしばりの防止にも効果があるとか。寝る前にタオルとかティッシュにたらして枕元に置いています。まぁ嫌な匂いではないのでいいかなと。(奥さんは嫌がってますけどね)

 

食いしばりにどの程度効果があるのかは分からないですけど、しばらく試してみたいと思いますー。

 

ということで最近買ったものでした。

 

みなさんのショッピングの参考になれば幸いです。読んでいただき、ありがとうございました!

 

100人の村にいるのは。

最近授業でこれやったんですよ。

 

有名な世界が100人の村だったらっていう詩のワークショップバージョン。

 

学年100人に役割カードを与えてそのカードの指示通りに動きます。

 

出身地で別れてみると、アジアがとても多くて与えられた面積の中に入りきらなかったり。

 

年齢別に分かれてみると日本では高齢者が多かったりと、体感的に世界の構成がわかる楽しいワークショップです。

 

その中で識字率を扱う部分もあり、字が最初から教えられている人たちは指示通りに動けるけど、字が読めない人達は止まってしまうっていうくだりがあるんですよ。

 

特に盛り上がったのは薬を飲むシーン。

 

字が読めないことに加えて、体の調子が悪いという設定の子達に、ヒンズー語で書かれた3種類の液体の中から一つを選んで飲んでもらいます。

 

薬…甘い

毒…超酸っぱい

水…普通の水

 

もちろん文字が読めないので勘で飲むことになります。このくだりは大いに受けて私としては全体的に満足できる授業となりました。

 

生徒の感想を読むまでは。

 

というのも、ある生徒がこう書いていたんです。

 

「今日の授業で字が読めないことは不幸な事だと学びました」

 

「だとしたら一生文字が読めない私の弟は不幸なのでしょうか」

 

その子は重度の知的障がいを持つ兄弟がいます。さらに言葉は続きました。

 

「今日の100人村には障害者が1人も出てきませんでした。障害者は100人にも入れて貰えていないんだと感じました」

 

私はこれを読んでもう頭を殴られたような衝撃があったんですよ。

 

100人の村というワークショップはそもそも「日頃自分達がいかに日本を中心に世の中を理解しているか」ということを理解することに目的があります。

 

私はその子の感想を読んで、

 

日本の、さらに【健常者】のみの視点から自分が授業を構成していたのではないか

 

と大きく反省させられたのでした。

 

何を良い気になってんだと。お前のやった授業なんてめちゃくちゃ視野狭いだろって言われて気がしたんですよ。ひいてはこの子を傷つけてしまったのかもしれないと大いに反省しました。

 

そして同時にこの100人村ワークショップみたいな形式で障害者の割合とか体験ができる授業があったら子ども達の障害への理解もまた深められるかもしれないと思いましたね。いつか作ってみようかなって。

 

なので生徒の言葉から私自身がものすごく考えさせられたので忘れないようにメモしておきたいと思いました。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

クリエイティブであれ。

最近この本読んでたんですけど。

てっきり「採集」をテーマにしたすごい授業の本かと思ってたんですけど。

 

実際は「伝説の授業」採集。つまり、心に残るようなすごい授業を集めた本だったわけですね。

 

これがまぁ面白い。読んでるだけでワクワクしましたし、これを受けた子ども達はきっと楽しかっただろうな、と想像が膨らみました。

 

本はまず初っ端から十マスで自己紹介から始まります。空白の十マスをどう使って自己紹介するか。

 

子供たちには空白の十マスが与えられて、これを自由に埋めてから自己紹介を行います。

 

私だったら「123123123331」(←これまでの所属学年。十マス超えてますけど笑)かなぁとか。考えるだけで楽しいですね。

 

他にも入学してすぐに3年間使う机と椅子を手作りさせる学校とか。

 

アフリカの子達と取り組む日本語辞書作りとか。(教えたい日本語、意味、例文を書く)

 

沖縄戦の死者の人数を石でカウントしていく取り組みだとか。

 

すごい授業がたくさんある訳なんですけど。

 

中でもやはり大村はま先生の実践はすごいと思いました。

 

国語教師として教育界では知らない人がいないほど超有名な先生ですが、本の中では同じ花火大会について書かれた新聞を見比べる実践が紹介されていました。

 

この時の子どもたちの言葉の豊かさったら、もう。大人顔負けの考察を夢中になってしているわけですね。

 

このようにいろんな伝説の授業を読んでいて、私自身は反省させられましたね。

 

最近の自分はクリエイティブになれているだろうかと。

 

ついつい忙しい中で例年やってきたことを繰り返してしまっている気がします。経験を積んで慣れてきているので、教科書さえあれば授業は構成できますからね。

 

でもそれじゃいかんなと。本書の中に書かれていた「サラリーマンみたいな教師が増えてる」っていう言葉が胸に刺さりました。

 

まぁ何にせよ、毎回ホームランは打てなくても、年に少なくとも一本は打てる選手でありたいなと。

 

 

ここぞという時には、生徒の心に残るような授業を構成したいものだと思いました。

 

そんなモチベーションを本からもらえた気がします。

 

興味のある方いましたら是非読んでみてください!

 

読んでいただき、ありがとうございました。

【おすすめ】フランス人記者日本の学校に驚く

最近読んだこちらの本が面白かったので紹介したい。

こちらはフランス人ジャーナリストである西村カリンさんの書かれた一冊。

 

お子さんを日本の学校に通わせているらしく、フランス人の視点から見た日本の教育の素晴らしさや問題点が書かれている。

 

元々読んでいた教育誌に西村さんの文章が載っていて面白いと思って購入したのだが、この本は教育関係者には読んでもらいたいと思うくらい、いろんな発見があった。

 

まず本は初っ端から日本の教育への批判から始まる。

 

夕食の後片付けを終えた午後9時、私はその用紙をじっと見つめ、手に取ったペンを動かせずにいた。その用紙とは、日本の公立小学校に通う息子がもらってきた「学校評価アンケート」。一向に書き込めずにいるのは、日本語が読めないからじゃない。書かれていることは理解できる。ただ、書かれている意図と目的が理解できないのだ。

本書はこんな書き出しから始まり、「自分の子供に社会が学校のマナーやルールを教えていますか?」という問いに対して「よくできる」「できる」などを選んで回答することになんの意味があるのか分からないと書いている。

 

これは言われてみれば全くその通りで、私も学校評価アンケートがあまり上手に活用されていると思わないでいる。

 

自分のいる学校が出しているアンケートについても、有効活用されているとは言い難い。

 

例えば「学校生活は充実しているか?」という質問に対して保護者や生徒が「とても充実している」と答えたとしても、それがどの要因でそうなっているかまではこのアンケートからは分からない。

 

教員との関係なのか、友達との関係なのか、それとも全く関係のない別の要因があるのか。これらのアンケートは数値が出るだけでその要因がなんなのかは極めて不明瞭である。

 

またフリーのコメント欄なんかは特定の教員へのクレームの嵐だったり、学校に対する罵詈雑言だったりして、とてもではないが外に公開できないものになっていることがある。だから一部の人間が見てあとはお蔵入りになったりする。

 

なんというか、発信する側も受け取る側もあまり幸福になれないのがこの学校評価アンケートというものなのである。

 

このように本書は日本の学校評価アンケートへの批判から始まる。

 

一方でフランスには行事がほとんどないらしく、入学式や運動会など、節目があって家族の思い出ができる点は、日本の教育のとても素晴らしいところだと認めてくれたりもする。

 

良いものは良い、ダメなところはダメ、とその視点がとてもフェアである。

 

またフランスの問題に3択はなかったり(個人の表現が出来ない回答に価値がないと考えてる)、先生によって評価が変わることを社会が受け入れているという点も面白かった。

 

日本ではこれはまずないだろう。片方の先生が5を連発し、違う先生だったら3だったというような評価は、日本ではまず受け入れられない。評価の公平性が求められるのが日本なのである。

 

このようにフランスは教員の裁量が大きいのである。時間割の設定も担任の先生が決めることができるそうである。自由度が高いほどやりがいが大きいだろうから、日本の教員に自由裁量をもっと与えても良いのではないかということに本を読んで初めて気づいた。

 

一方で教員という仕事が不人気になっているのはフランスも日本も変わらない。本書ではその要因として給与の低さをあげていた。

 

世界の小学校教員の勤続15年時の給与年収水準は以下のようになっている。USドル(OECD調査より)

 

1位 ルクセンブルグ 104,846

2位 ドイツ     85,049

21位 フランス    40,043

24位 日本      49,356

 

こんなにもらってる国があんのかって感じである。

 

私は初任の頃、年間で10日くらいしか休まなかったのだが、給料少なすぎると毎日のように思っていた。正直、初任でも800万ぐらい貰わないと割に合わないと思っていた。

 

背負ってる責任と仕事の多さの割に日本は教員の給料が低すぎるのである。

(更には最初のボーナスめちゃくちゃ楽しみにしてたら死ぬほど少なくて発狂するかと思った。)

 

さらに日本はフランスと違ってストライキも認められていない。教員の権限が極めて弱いのが日本なのである。

 

そんな日本の課題っていうのも海外と比べてみて初めて見えてくるわけである。

 

こんな風に海外と比べることで新しいことが見えてくる一冊になっている。

 

授業作りの参考になる部分もあったので、今後の自分の授業作りにも参考にしたい。

 

このように教育関係者にとって日本の教育を外から見直せる良書となっている。興味のある方にはぜひ手に取っていただけたらと思う。

 

皆さんの読書の一助になれば幸いである。

 

読んでいただき、ありがとうございました!

情熱こそ抜きん出る代価。

炎が空へと舞い上がる大爆発

さて、今年もハロウィンの時期がやって来たわけである。

 

以前にも書いたように、昨年コスプレコンテストを見た我が家は今年は出場を決意。

 

 

suno200002000.hatenablog.com

 

 

一年越しのコンテストを心待ちにしていたわけである。

 

しかし、どうか。待てど暮らせど、イベントの情報が出てこない。

 

なんと、去年見たイベントは今年はもうやらないことが判明したのである。(さすがローカルイベント!)

 

慌てて別のイベントを探し、同じようなものを発見。事前申し込みが必要な、より大規模なものへの挑戦が決まったのである。

 

こちらの大会は、優勝賞金は1万円。2位で5000円と金がかかっていた。

 

張り切った妻はここでの優勝に向けて、現代版「母さんの夜なべ」を1週間ほど続けた訳である。

 

その仕上がっていく過程を見ながら、私は身内ながらなんと計算された戦略だろうかと、妻のその発想に驚かされた。

 

私もアイディアを出していたのだが、そこまでの発想が自分の中から出てこなくて、そのクリエイティビティーに悔しさすら感じたのだった。

 

「これは優勝できる…」

 

そう確信して、何もしていないくせに私は丹下段平のような気持ちで会場に向かったのである。

 

コンテスト当日も妻に抜かりはなかった。

 

朝から一歳の息子の昼寝時間を逆算し、コンテストの2時間前に起きるように設定。コンテスト中にベストな状態で臨めるように細心の注意を払う。

 

さらにお腹が痛くならないように、アイスなどの冷たいものを子どもに一切とらせない。また直前でドラッグストアでお菓子を購入。困ったらこれで子どもの気を引く作戦である。

 

ここまでくると、もはや、やっていることがアスリートである。私も直前まで息子の機嫌が悪くならないようにセコンドとしてあやし続けていた。

 

集合時間になると駅前の広場には続々と参加者が集まって来た。司会は地元ではよく知られているローカルタレントである。

 

きたろう、マリオカート、さかなくん…。前回のコンテストと違い、明らかにどの参加者も仮装に手がかかっている。

 

特に私が警戒したのはマリオカートだった。

 

全員マリオの各キャラクターのコスチュームに、ダンボールで手作りしたカート。家族で参加する姿はなんとも愛らしく、我が家が負けるとしたらこの団体芸のパターンだろう、と私は事前に予測していたのである。

 

最初に司会から説明があったのだが、ここで我が家は出鼻を挫かれる。

 

今回のコンテストは1分間のアピールタイムがあるというのだ。しかもここでは司会は話しかけることが出来ず、さらにここでの「躍動感」も審査基準になるのだという。なんだよ、躍動感て。

 

司会とのトークを想定し、娘にセリフを仕込んでおいたのでここで大いに慌てる。

 

結局1分間は何をするのか十分に打ち合わせができず、コンテストがスタートした。

 

順番に子ども達が可愛らしいコスプレ姿を披露していく。中には側転を繰り返している子もいて、「あれが躍動感か…」などと思ったりした。

 

私が注目していたマリオカートは最年少と思われるルイージがグズグズ。ステージに上がろうとせず、なんとなく微妙なステージパフォーマンスとなった。チャンスである。

 

かくして12番の我が家がコールされたのである。

 

ちなみに我が家の仮装は地元のゆるキャラand地元で有名なアイドルというもの。

 

ニッチな選択であるが故に手作りであることがよく伝わる。更には、地元民としてはどうしても応援したくなってしまう仮装を妻はチョイスしてきた。黒田官兵衛ばりの軍師である。

 

1分間のアピールタイムが始まると、息子はここで怖くなったのか、ステージ上で大号泣。

 

さらにみんなから「頑張れー!」と応援されると怖くなって更に声をあげて泣く。

 

さらにはステージ中央で衣装をはぎ取って投げ捨てるというパフォーマンスを披露した。

 

下で見ていた私はこう思ったのである。

 

なんて躍動感…

 

躍動感しかない…

 

 

と。

 

とにかく会場は一番その瞬間が沸いたのであり、私は優勝を確信した。

 

そして結果発表の時。

 

結果はなんと…

 

 

 

2位。

 

正直私からすると信じられない結果だった。

 

優勝は、人生で初めて着ぐるみを手作りしたというチップとデールだった。

 

ただし、これについてはどこまでが手作りかは非常に怪しいと思って見ていた。頭に被る面はどう見ても既製品である。

 

だから、

 

「手作りの定義ってなんですかね?」

 

「家で溶かして固めたら手作りチョコレートなんですかね?」

 

「カカオから作って初めて手作りですよね?」

 

思わずそう抗議したくなったくらいだし、これがアーティスティックスウィミングだったら、500スイスフラン払って再審の請求をしていたと思う。

 

何もしてないくせに人一倍悔しがる私をよそに官兵衛(妻)は「また来年頑張るわ」と言いながら5000円をゲットしたわけである。

 

ハロウィンにこんなにアツい戦いがあったのかと、私は新しい世界を見ている気持ちになった。ステージに子ども達が出ていくときには何もしていないクセにドキドキしたくらいである。

 

かくして今年の戦いは終わった。来年は一体どんな戦いになるのだろうか。

 

下で見ていただけの私は今からワクワクしているのである。

教育の力。

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ここ最近はもう新人戦のことで頭がいっぱいで他の事が何も手がつかない状態だったんですよね。

 

全員素人でかつ運動能力が高くないうちの子達をどう勝たせるか考えてたらもう楽しくて楽しくて。

 

フォーメーション考えたり、トレーニング変えたりしたらどんどん伸びて。練習試合でも勝てるようになってきていて。

 

もしかしたらこれ初勝利させてやれるかもしれないと思って張り切ってました。前日の夜とかドキドキして久しぶりに眠れませんでしたね。

 

結果的にはくじ運が悪くて、3敗で一勝もできないまま終わっちゃったんですけど。それでも成長したゲームでしたね。

 

特に嬉しかったのは体育の授業で受けたスポーツテストの結果が大会の直前に返ってきたんですけど、みんな成績が大幅に上がってたんですよ。

 

うちの部の子達はほとんどが最高評価であるAクラスに。学年トップをとった子もいましたし、今までEクラス(最低評価)だった子がBクラスにまで改善したケースもありました。

 

みんな自分たちの成長を実感してるようで、これまで全く運動しなかった人達が楽しくて自主練したり、残って練習したりしてるんですよね。

 

そうやってイキイキしてる顔見てるのはやっぱり指導者として嬉しいですよ。改めてこれが自分にとっての生きがいでもあるんだよなってことをすごく感じました。

 

部活は地域移行が進められていて、教員の手から離れつつあるわけなんですけど、改めてちょっと寂しさを感じたりもしましたね。

 

あと、もう一つ最近嬉しかったことがあって。

 

私、20代の頃に海外から帰ってきて半年だけ地元で講師やってた時期があるんですけど。

 

その時なかなか集団に馴染めない子がいたんですよ。(まぁこのブログも見てるのであんまり書きませんけど、なかなか手がかかる子だったんですね笑)

 

私は担任でもなく、暇だったんでその子にちょっかいかけたりしてたんですけど。それが案外悪い気してなかったみたいで。

 

その子からつい先日連絡きて。

 

教員採用試験に合格したっていう話だったんですよ。

 

その子の中学の姿からしたら教員になるとかちょっと考えられないような変化で。6年かけてようやく夢を叶えたって話でした。

 

改めて大人との出会いで人の人生って変わるし、私の言葉で誰かが少しでも前向きな人生を送れているのだとしたら、それは私にとっても大きな喜びだなと感じましたね。

 

さて次は何を頑張りましょうかね。

 

これからも、誰かの役に立てるように頑張りたいと思います。

 

読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

最近やっている発問の工夫について。

最近やっている発問の工夫について書いてみます。

 

フィッシュボーン

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まずこのフィッシュボーン。この形の魚の頭に当たる部分に考察する内容を書いて、それぞれの中に項目立てして書いていきます。

 

歴史っていうのは確定した事実を学ぶので子供達が自分の頭で考える幅がそんなにないんですよ。

 

だから例えば「鎌倉幕府の政治体制の特徴はなんだろうか?」っていう発問を出したとしてもそれだけだと子供達はすぐに教科書の内容を丸写しし始めます。これだと自分の頭で考えてないので記憶にも定着しずらいわけですね。

 

そこでこのフィッシュボーン。どんな項目だてのトピックにするのか、何を入れるのが適切なのか、これを完成させるにはまず自分の中で解釈する必要があります。

 

なので最近はこの図にまとめて、最後にこの図をもとに自分の考えを作文にさせるっていうのをよくやっています。

TOK

バカロレアっていう制度がありまして。少しずつ増えているんですけど、国際的に通用する入試制度なんですね。

 

帰国子女とかも増えているので世界標準で単位の互換性がある入試制度になっているわけです。

 

そこの実践を見たんですけど、日本の教育とはアプローチがまるで逆でした。特にバカロレアの中でも TOK(Theory of Knowledge)「知の理論」の実践が面白くて。

 

TOKでは難しいエッセー課題がボンと与えられて、それに対する答えを自分なりに考えます。

 

ちなみに私が見た学生は

 

「バイアスは知識の獲得に影響を与えるのか?」

 

っていうテーマを与えられていて、知識の獲得に

バイアスが影響を与えていた例を紹介していくわけですね。

 

つまり、この難しい問題に答えるには、日頃から様々なところにアンテナをはって、色々な知識を知っていないといけない。教科書を暗記しているだけではとても太刀打ちできない問題なんですね。

 

 

こんな風にバカロレアっていうのは難解な問題がまず提示されて、それを解決していくために知識が必要になるっていうアプローチなんだと思いました。(逆に日本の教育は知識の積み重ねが大きい何かに繋がるっていう考え方のような気がします)

 

なのでこのTOKから着想を得て、例えばアメリカの文化についてやる時は、「アメリカの文化の特徴を一言で定義し、それに合致する例を3つ示せ」みたいな発問を出したりしています。

 

そうすると例えば、

 

アメリカの文化は一言で言うなら効率化だと思います。電話とインターネットを一つにしてスマホにしてしまう、炭水化物と肉と野菜を一緒にとるハンバーガー、倉庫を店舗にしてしまうコストコ。共通するのはどれもバラバラだったものを一つにすることで効率化をはかるのがアメリカの文化だと考えます」

 

みたいな答えが出てくるわけですね。

 

ハンバーガーもスマホも大型店舗も教科書に出てくる抑えるべき知識ですし、これだったら自分の頭で考えないと答えがだせません。

 

なのでこんなTOK的なパターンで問題を考えられないかってことも最近取り組んでいる事です。

タテヨコ数字

ラストはこちら。タテヨコ数字。

 

これは最近読んだこちらの本を参考にしています。

 

縦とはつまり、歴史。横とはつまり同年代の異国。数字はエビデンスとなるデータを指します。

 

出口さんはそんなタテヨコ数字で物事を考えるのが大事だと書いていて、同じようなことを池上彰氏も書いていたのを思い出しましたね。

 

そこで公民の課題では発問を出してそれをタテヨコ数字の観点から考えさせる。

 

例えば、夫婦別姓に賛成か反対かっていう課題なら

 

タテ…日本の夫婦が同姓なのは明治時代からであり、同姓が日本の古来からの風習であるとは言い難い。(そもそも江戸時代は苗字がない人も多い)

 

ヨコ…G7をはじめとして世界の先進国の多くで別姓はすでに認められている。

 

数字…内閣府の調査によれば8割近い国民が夫婦別姓に肯定的な回答をしている。

 

よって私は夫婦別姓に賛成である。

 

みたいな感じですかね。

 

 

これの何がいいっていうと、教科横断的になるんですよ。公民をやるながら地理と歴史の学習にもなる。一つの課題の追究がいろんな知識を巻き込むんですね。

 

なので公民の授業では積極的にやっていきたいなと思っております。

 

ということで最近の取り組みについて書いてみました。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました!

今年の作戦。

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テストも終わって次は新人戦が近づいているんですけど。

 

しかしながら私が今見てる子達っていうのは学業優先で生きてきた子が多いので、いかんせん運動が苦手な子が多いわけです。

 

私はバレーボールを見ていますが、これまで公式戦での勝利は一度もありません。

 

私が初めて引率した試合は初戦から強豪校と当たったこともあり、25−0、25−0で負けるという経験をしたこともありました。

 

ただとにかく真面目に練習する子達なのでなんとかしてあげたい、という思いで練習してきたんですよ。

 

まともに勝負したら運動能力が高い他の学校には絶対に勝てないので、少し策を練ることにしました。

 

私は戦略とはしないことを決めることだと考えているので、今年は次のように考えて練習に取り組んでいます。

 

オーバーハンドパスしない

まずこれ。バレーボールにはオーバーハンドパス(上でとるやつ)とアンダーハンドパス(下でとるやつ)があるわけですが、このうちのオーバーハンドパスを諦めました。

 

というのもオーバーハンドパスというのはドリブル(2回触ったという判定)やホールディング(ボールをもったという判定)の反則を取られて失点しやすく、また筋力がないうちはボールが飛びません。

 

更に2つの取り方があることで、選手はどちらで取るべきか迷い、判断が遅れます。なので基本的に練習はすべてアンダーハンドパスのみ。顔付近に来たボールも体を反転させてアンダーハンドパスで取るようにしています。

 

アンダーでとって、アンダーでトスするバレーボールです。もちろん、バレーの教え方としてはあまり褒められたものではないでしょうし、このやり方では中級者以上では絶対に勝てないでしょう。ただ、練習時間は限られていますし、ボールがつながるバレーボールの楽しさを知ってもらうためにも、必要な事ではないかと考えて取り組んでいます。

レセプションで勝負しない

次にこれ。サーブカットのことをレセプションと言いますが、これもしません。

 

スパイクレシーブと違ってサーブカットは落下点の予測が難しく、さらにセッターに正確に返すとなるとかなり技能が必要になります。

 

しかも同じサーバーが打つので、いいサーバーが来ると連続失点しやすいシチュエーションになります。特に中学生はこのサーブでの連続得点がゲームを決めます。

 

そこで、もうサーブカットには拘らないことにしました。とにかく来たら一本で良いから相手コートに返してしまう。

 

一度返してしまえば相手もミスが出やすくなりますし、こちらも守備体系を整えることができます。

 

スピードガンを使って計測した所、

 

・時速30キロ…入ってくるかどうか怪しい。チャンス。

・時速40キロ…入ってくるけど取れるはず。トライしてみてもいい。

・時速50キロ…良いサーブ。コントロールは厳しいから、一本で返そう。

 

ってことが分かり、ボールのスピードに応じてどう対応すべきかを確認したりしました。

 

(頭がいい子達ですから、こういう実験みたいなこと好きなんですよね)

 

ブロックは飛ばない、スパイクしない。

 

また新人は相手スパイクもしれているので、ブロックは一枚のみ。レシーバーを5枚にして、自分のポジションに来たボールはきっちりとあがるようにレシーブ練習をしていきます。

 

またスパイクはミスの確率も上がるので、ひたすらツーアタックとフェイントを仕掛ける。

 

得点源としてはサーブとこれらのミスの確率の低いものに頼ろうとしている訳です。

 

こういう練習をしてきた結果、スパイクはないけど、ラリーにはなるようになってきました。

 

自分たちのミスを最小限に減らして、相手のミスを待つ戦略です。

 

もちろんバシバシスパイクを打たれたらもう絶対に勝てないですが、それをやられたらそれは相手が格上ということでしょう。

 

このように最も自分たちのミスを減らせる戦略をとった結果、この前の練習試合では初めて勝てたりして、子ども達の士気は上がって来ています。

 

さて、本番どうなるか。私自身も楽しみにしております。

 

なんとか初勝利を掴ませたいと思います。

 

本日も読んでいただき、ありがとうございました!

 

良いから早く寝かせてくれ。

「遠くの音を聞く男性」の写真[モデル:大川竜弥]

 


この時期の学校は忙しいのである。

 

定期考査に新人大会、さらには成績の処理とありとあらゆる事が重なる時期なのだ。

 

「先生達、夏休み中休んでましたよね?ほら、その分今働いてくださいよ」と学校全体からプレッシャーをかけられている訳である。

 

こうなるともう体力勝負のところもあり、私はとにかく睡眠時間の確保を大切にしている。

 

毎日帰宅後は、全力で洗濯と皿洗いを終わらせ、子どもと一緒に21時には布団に入る。

 

この日も自分の任務を完遂し、床につこうと思った時であるーーーーーーーーー。

 

 

ピッピッピッピッピッピッピ。

 

原因不明の音が急にしたのである。先日ニオイについて私は失態を犯したばかりなので、まず自分を疑ったのだが、この音はどうやら妻にも娘にも聞こえていたらしく、「何? 今の?」とみんなでそわそわし始めた。

 

 

そして時間が経つとまた、「ピッピッピッピッピッピ」という音。控えめに言って気になって仕方がない。寝る上ではとてもうっとうしいのである。

 

虫か? 

 

いや虫にしては音が機械的過ぎる。

 

「ねぇ、もしかして盗聴されてるとかないよね?」という心配性の妻が発した一言から、母親の警戒アラート発動してしまう。

 

「なんとしてでもこの音の正体を突き止めよ」

 

という指令が隊長から出されたわけである。私としてはもうとにかく早く寝せて欲しい一心であり、うちを盗聴するやつなんているわけねえだろと思っているわけだが、原因不明の音が鳴り続ける状態に娘も不安がり始めており、もはや何とかしなければならない状況だった。

 

寝る寸前の状態から電気をつけ、まずは空気清浄機や扇風機と言った家電を止めて耳を澄ます。

 

ピピピピピピピピ。

 

それでも鳴りやまない。いったい何なんだ!?この音は?! 早く眠りたい一心から段々イライラし始めた。この時すでに9時30分を過ぎている。私は一刻でも早く眠りたいのだ。

 

しかし、音は鳴りやまない。10時を過ぎた頃に娘が「もう眠りたい」と言い始めた。

 

ちくしょう、こっちが眠りたいわ!! お前秋休みだろ! 明日も幼稚園ないくせに!!

 

とキレたい気持ちをグッと抑えた。

 

(最近講習で習ったのだが、日ごろ我慢している大人ほど自分の子供にも我慢を強いたくなるらしい。そのことがよく分かる夜だった。)

 

ピピピピピ。

 

そうこうしている間にも謎の電子音は鳴りやまない。その回数を数えて見たりする。今回は5回。

 

ピピピピピピピピピピピピ。

 

かと思えば今度はもっと長い。しかも時間の間隔もバラバラ。心なしか場所も先ほどとは違う気がする。何回聞いてもどこから音が出ているのかがつかめない。

 

「ねぇ、これじゃない?」と妻が話しかけて来た。

 

ひたすら耳を澄まし続ける私を尻目に妻はスマホ

 

「マンション ピピピ」

 

というとても間抜けなワードで検索をかけていたのだ。

 

どうやらその結果、

 

 

火災報知器ではないか

 

という仮説に行きついたのだ。

 

火災報知機は電池切れの際にピピピと音が鳴るらしい。また火災報知器の設置が義務化されたのは10年前だという。

 

つまり、10年前に設置された火災報知器が今になって一斉に電池切れを起こしており、その結果、色んな所から電子音がしている、というのが隊長の立てた仮説だった。火災報知器は寝室だけでなく、リビングにもダイニングにも設置されているので、この仮説には妥当性があった。

 

ここまで仮説が立ったので、明日私が管理会社に電話することを約束し、この日はここでようやく眠りについたのである。(23時就寝。←チクショウ!! もっと早く寝れたのに!!)

 

 

次の日、私は朝イチで管理会社に電話した。

 

「もしもし、昨日から天井からピピピピという音がします。もしかしたら火災報知器の電池切れではないかと思っています。こちらの火災報知器は電池切れで音が鳴るタイプでしょうか。また電池切れの際はどのような手順になるのか、教えてください」

 

私の問いに対し、管理会社はこう答えた。

 

「今調べましたが、

 

 

そちらの住宅では火災報知器は電気式であり、電池は使用しておりません。

 

他にも電子音がなるような設備はありませんので、

 

こちら側の理由で音が鳴るというのは考えにくいです。

 

もう一度入居者様の持ち物で音が鳴りそうなものがないか、お確かめください」

 

何ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!!??!??!?!?!?!

 

まさかの展開だった。我々夫婦としては90%火災報知機と判断していたにも関わらず、それはないと断定されてしまったわけである。

 

だとしたら一体何なのだ?! あの音の正体は!!?

 

家に帰り状況を報告すると隊長からは「そんな報告はいらん。何が何でも音の正体を突き止めよ」という指令が出た。

 

リビングで走り回る子どもを静かにさせて、耳を澄ます。

 

 

ピピピピピピピピピ。

 

やはり今日も音がする。なんなんだ、これは。やはり天井付近から音がするのは間違いない。もしやクーラーか?そう思ったのでクーラーの電源を切ってみる。

 

ピピピピピピ。

 

ちくしょう、鳴りやがった。もはやこうなってくるとホラーである。音は確実にするのに、その正体がつかめない。

 

今クーラー付近から音がしているのは間違いない。すると隊長が今度は

 

「クーラー ピピピ」

 

で検索し始めたのである。

 

すると、「ねぇこれじゃない?」と言って見せて来たのがこの動画だった。


www.youtube.com

 

是非動画を見て欲しい。

 

この動画を見た時、私と妻と娘の三人で「これーーーー!」と叫んだ。もう音が完璧に昨日の夜から聞いていたそれだった。

 

どうやらエアコンの室外機からカネタタキムシが入り込んだ人が書いたブログがヒットしたらしい。我が家もそうで、室外機からカネタタキムシが入って天井を移動しながら、音を鳴らしているのだ。色んな場所から音がしてきたのも、それなら合点がいく。

 

正体は分かったが何も打つ手はない。しかし、謎の音の正体が無害のカネタタキだと分かって我が家に平穏が訪れたのも間違いない。

 

このブログを書いている今も、まだカネタタキムシは元気に鳴き続けている。

 

どうやらこの虫は9月の涼しくなるあたりから現れ始めるらしい。

 

天井から降り注ぐ音に、秋の訪れを感じる今日この頃であるが、安眠の為にも早く成仏してくれることを祈るばかりである。

異臭の正体を解明せよ。

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仕事から帰ったらすぐ子どもと一緒にシャワーを浴びるのがここ最近の習慣になっている。

 

裸になってまず1日の汚れを洗い落とす。昨日はついでにメガネも洗い、ずれ落ち防止のノーズパッドを新しいものに取り替えた。少し洗っただけだがメガネはよく見えるようになり、視界が明るくなると、気持ちも少し明るくなるのを感じたのだった。

 

自分が体を洗うと、遊びに夢中になっている子どもを捕まえて体を洗う。そして、タオルを腰に巻き、まだ遊びたがっている子どもを無理矢理風呂場から引き離して、担いでリビングに向かった。

 

改めてタオルで子どもを拭き、保湿剤をペタペタと塗りたくる。

 

その瞬間、ふわぁ…っと私の鼻に経験のない異臭がしたのである。

 

なんというか、明かにケミカルな匂いで、日常生活にはない独特の臭いである。私は子どもがその場で握っていたクレヨンを嗅いでみたのだが、どうにも違う。臭いはすぐにしなくなったので、自分の勘違いかと思ってそのままスルーすることにした。

 

子ども達と遊んでいると、妻から声が掛かり、食事の準備が出来た。みんなで夕飯を囲みたいところなのだが、遊び最優先の下の子はなかなか席につこうとしない。

 

仕方ないので、リビングで遊ばせながら私が隙を見て食べさせていたのだが、トマトを息子の口に運ぶと、ふわぁ…っとここでもまた同じ臭いがしてきたのである。

 

困惑した私は、隊長(妻)に報告をすることにした。

 

「なんか、この部屋変な匂いしない?」

 

隊長は明らかに私より鼻がいい。私は自分の鼻に自信がないので、警察犬並みの鼻をもつ隊長の力を借りようと試みたのである。しかし、これが失敗だった。

 

「異臭=部屋に起きている何かしらの異常=子どもに何かしらの損害を与える危険性あり」

 

という母親の非常ベルが作動したらしく、とにかく異臭の正体を責任をもって解明せよ、との指令が出された。

 

警察犬を導入する予定だったのだが、下手に報告をあげてしまったせいで、自分自身が警察犬になってしまったのである。

 

なので私は忠実な警察犬としてリビングのあらゆるところに鼻を近づけ、臭いを嗅ぎ続けた。

 

子どもの手、フロアマット、ソファ、テレビ、柱…etc。あらゆるところに鼻を近づけてみるのだが、先ほどの臭いの正体がつかめない。

 

しかし、諦めた頃になるとまたふわぁ…っとあの臭いがしてくるのである。一体何なのだ、これは?! 

 

もう自分ではどうにもならなそうだったので、お願いだから鼻を貸してほしい、と生まれて初めて鼻の貸し出しを隊長(妻)に申し出たのだった。

 

「え、全然分かんないけど…」

 

リビングに入った隊長はそう言った。隊長の鼻は家族のすかしっぺを絶対に見逃さないほど、かなり正確なので、何も香りがしないということは、問題が私自身にある可能性が高い。それを見透かした隊長は私に攻撃を仕掛けてきた。

 

「加齢臭とかじゃないの? それ自分で臭くなってるとか」

 

と私をカメムシ扱いしてきたのである。重大な人権侵害をBPOに訴えたかったが、ここはぐっと我慢する。それに、先ほどシャワーを浴びたばかりだし、流石にそれは考えにくい。だとしたら何だ…?

 

「それか、もしかして体調悪いんじゃない?」

 

隊長が一転して優しくなったのを感じた。

 

ここ最近の健康診断の結果、体調不良が確認されていたので、その結果として嗅覚に異常が出ている可能性もあると思った。

 

「そうかもね。疲れてるのかなぁ」

 

そう言って私はソファに腰をかけた。その瞬間にまたあの臭いがふわぁ…としてきたのだ。

 

その時、私の中で一つの回路が繋がった。

 

これ、臭いの、

 

 

メガネだ…。

 

もっと言うなら、新しく付け替えたメガネのノーズパット。それに付随する粘着テープが臭いのだ。

 

そう思った私はメガネを外し、鼻に近づけてみた。

 

うえぇ!くっせー!これ! この臭いよ!これ!!

 

何と言うことか敵は目の前にいたのである。まさに盲点と言っていい。まさかこんなにも近くに臭いの正体があったなんて…!

 

私は正体を突き詰めたことに安堵していたのだが、あまりに大騒ぎしてしまったために隊長に報告するのが躊躇われた。体調不良を理由に優しく接してくれるのなら、それに越したことはない。

 

よって今もこの難事件は自分の中だけで解決されたままでおり、我が家においては未解決事件として迷宮入りしている。

 

結局悪かったのは私の鼻ではなく、頭だった。

 

そんなことが分かった難事件である。