では続きです。
(流れがわからない方は先にこちらをお読みください)
今回もタブーを用いて「驚きのデザイン」を授業にどう組み込んでいくかを考えていきたいと思います。
・損得
人はお金の話が大好きですし,損得に関わるようなものの話をされる時は興味が湧きます。
ツイッターでも拡散されやすいのは「健康・お金・ライフプラン」についてだと言われています。
というのもそういった情報がそのまま自分の損得に繋がっているからなんでしょうね。
なので,私は授業においてもそんな損得やお金に関する話を積極的に子ども達にしています。
しかしそういうと,
「そんな話を子どもにするもんじゃない」
ということを言う人もいるのですが,じゃあいつ子ども達はお金について学ぶのでしょうか。
義務教育でほとんどお金の話に触れないで育ち,いきなり社会に出てお金をコントロールしなければならない立場になるわけです。
お金について何も考えないで,本当にこの「老後に2000万貯めとけ」と言われる時代を生き残れるのでしょうか。
後々困らないためにも私は今のうちから積極的にお金の話はするべきだと思っています。
なのでちょこちょこお金に関する話はしますし,去年は
「家の月々の光熱費と食費と雑費がどれくらいかかってるか調べてくる」
という宿題を出して,
くじで色んなイベントが発生した後に最終的に一番お金を残せるのはどこの班かという家計ゲームをしました。
やはりこういう時の宿題の取り組み状況は本当に素晴らしくほぼ100%でした。
(参考元https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/concours_kyoin/2016/pdf/16kyoin003.pdf)
みんなお金の話が大好きなのですね。
・承認
SNSの面白さの根源は承認されることにあると思います。みんな他人に認めてもらうのが大好きなのですね。私自身もやはり「いいね」がつくと嬉しいですし。
大ヒットしたマリオメーカーにしても「自分の作ったステージを他のプレイヤーに遊んで評価してもらえる」というところがヒットした要因でしょう。
やはり子ども達も授業内で承認されることを求めています。
「おぉ〜!」
「なるほどなぁ!」
「わかりやすい!」
なんて1人の子が意見を言った時に周りの子からの承認の声が出てくるような授業をデザインしたいものです。(これがなかなか難しいのですが)
最近ではタブレットでどんどん自分の考えを書いていき,書き終わった子は他の生徒の回答をタブレット上で見て,「いいね!」やコメントをつけていくといった実践をしている学校もあるようです。(これで終わった子も暇にならない)
今後ますますこういった今のSNSに近い承認の形というのは授業に取り込まれていくことが予想されます。
・けがれ
グロテスクだったり犯罪に近いものもまた人の注意をひきつけます。
ゲームでいうと「バイオハザード」なんかはまさにこういうジャンルで子ども達を楽しませていると言えるでしょう。
なので「これぐらいだったら入れても大丈夫かな」というものは資料として子ども達にポイントで提示しています。
ナチスに捕まってしまいガリガリになってしまった人の背中や,毒ガス室の前に大量に積み上げられた大量の靴の写真。
そういったものを見せるとやはり生徒達の緊張感が一気に増します。(もちろん慎重に資料を選び,必要以上に長く見せないなどの配慮は大切です)
導入でひきつけたり,中盤のダレる場面で入れ込むと効果的です。
・暴力
上のグロテスクもそうですが,暴力もまた一つの刺激なのかなと。
昔はそういう解釈で体罰で子ども達をやる気にさせてきた先生もいるのでしょうが,今はそれは絶対にやってはいけないことです。
なので「暴力を感じさせるような資料を使う」ぐらいにとどめておいた方がいいでしょう。
なので私は道徳の授業で使う教材にしてもちょっと教科書的なものよりはリアルなものの方が好きなんですね。
社会の授業でも
「元寇の時にはね,女性は手の甲に穴を開けてみんな繋げられて連れ去られたんだ…」
なんて授業の流れに一言添えるだけでも「驚きのデザイン」になるんじゃないかと思います。
(続きます)