教職者K

教育について考えるブログ。

研究授業をやってみる。(講評編)

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さてかくして教育界の超ビックネーム佐藤学先生による私の授業の講評が始まったわけです。

 

 (これまでの流れわからない方は先にこちらをご覧ください)

 

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こんな感じでした。

 

(以下太字の部分がおっしゃっていたことです。)

 

・私は開始5分くらいで気になる子にまずチェックをつけていきます。

 

・ちなみにその判断基準は「低学力」「コミュニケーションが取れない」「情緒が不安定(落ち着きがない)」。そういう子を感覚でつけていきます。これまで何千という学校を見てきたので,学校を少し歩けば大体の子ども達の偏差値までわかります。

 

 

・このクラスでいうと〇〇くんと…〇〇さんあたりが気になりました。

 

 

そういうとつらつら名前を挙げていきました。

 

正直私この時思いました。

 

「うわっこの人能力者だ」

 

と。

 

私以前握手すると人の恋愛運がすべてわかるという和尚さんに会ったことがあるんですけど,その人に近いものを感じましたね。( その時の記事はこちらをご覧ください。http://rabits-volley.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-aa3b.html

 

というのも,あげる子が本当にクラスの中でちょっと気にかかる子だったり,複雑な家庭環境の子だったりするからです。開始数分でこれを見抜く目って一体なんなんだよって思っちゃいましたね。

 

 

・あと一番気になったのは〇〇さんね。この子一番気になったなぁ…。この子はきっと何か溜め込んでるよ。はやく解放してあげた方がいいね。

 

 

先生がそうおっしゃった子がいたんですが,正直私の頭にはこの時,

 

 

「??」

 

 

が浮かんだんですよ。

 

というのもその子は学力高くて運動も活発でクラスでもリーダー的な存在の子なんです。だからそれ聞いた時は,「なんだ名誉教授でも間違えることもあるのか」と思ったんですよ。

 

 

でもね。

 

 

驚くことに私次の日にその子から「相談があります」って相談事を持ちかけられたんですよ。こんなのこれまでなかったことで。あぁ先生はこれのことを言っていたのかと。というか私が4ヶ月いて気づかないものに5分で気づくってなんなの?ってちょっともう気味が悪くさえなりました。とにかく観察眼が半端じゃないんです。

 

そして具体的な授業反省に入っていきます。

 

ジャンプの課題(企業がしている配慮の問題)がとても面白かった。あれが出た瞬間にみんな夢中になっていた。

 

ただし、1つの班を除いて。

 

・このグループの子達は女子同士が実は授業中一度も眼差しを合わせていない。この子達の間には見えない大きな隔たりがある。

 

・学級崩壊の原因のほとんどは実は男子じゃなくて女子。男子はわかりやすいけど女子はわかりにくいからとても厄介。小5から中3まではこの女子の関係性をいかにコントロールするかがとても大事。今後この女子達にどう支援していくかがこのクラスの最大の課題。

 

・でも全体的に素敵なクラス。透明感があって雑音がない。教師と子どもの間に信頼関係があるのが見える。

 

・今日の授業は構成がシンプルで良かった。課題は3つがいい。それ以上は煩雑になってしまう。今日はちょうど3つで良かったと思う。(①分布の読み取り②企業の配慮③まとめ)

 

・指名が絶妙だった。特に最後の子を指名したのは素晴らしかった。(指導案変えといてよかったです笑)

 

・優れた教師ほど口で仕事しない。耳と目で仕事する。よく聞くし,よく見てる。

 

・最初の導入から課題に入るまでの流れも速くて良かった。授業始まってから5分以内に生徒が主体となるようなグループ学習に入るのが鉄則。学級崩壊しているクラスだったら2分で入ること。

 

・教師が喋れば喋るほど子ども達は興味を失っていく。1分で一人死ぬし,2分で2人…と潰れていく。

 

・「先生が5分話す→子ども達の取り組みが5分→先生が5分話す」と「先生が10分話す→子ども達の取り組み5分」なら同じ先生の話す分数だったとしても絶対前者の方がいい。

 

・よく丁寧に説明してから課題に入ろうとする先生がいるけれど,失敗しないように準備立てられた授業なんて子ども達からしたら面白くもなんともない。

 

・子ども達は学び続ける限り絶対に崩れない。極端な話,家庭が崩れようが学び続けている限り崩れることはない。

 

・そして子どもの学びを支えることができるのは子どもだけ。子ども達は教師の10倍人を支えることが上手。だから子ども達同士がが支え合えるような関係性と授業をいかに作ってあげるかが大事。

 

とのことでした。

 

 

なんていうんでしょうね。色々納得しましたね。

 

私が今回やってみて一番思ったのは,

 

研究授業は日頃の授業が出る

 

ということ。

 

よく,

 

「研究授業なんてお飾りの授業やっても何の意味もない」

 

とかっていう人いますけど,私はそうは思わないんですよ。

 

日頃の授業でコミュニケーション取らない子同士は絶対に研究授業でもコミュニケーション取りませんもん。

 

真面目にやったりするふりはするかもしれませんけど,そこは絶対にごまかしが効かないところなんですよ。

 

先生から「眼差しがあってない」と言われた子達はたしかにその通りで関係性がまだ希薄なグループだったんです。その辺を見逃さないあたり本当にすごいなぁと思いました。

 

あともう1つ思ったのが,一人一人の生徒の大切さなんです。

 

その眼差しが合わない班には実はもう一人男の子がいたんですけど,その日欠席してしまっていたんです。

 

その子がいるとなんだか人間関係がマイルドになってうまく回るんですよ。正直それほど勉強が得意な子ではないんですけど,その子がいることで場が和やかになるんです。

 

パズルみたいに個人の長所と短所が組み合わさってクラスって出来てるんだなぁと改めて思わされました。

 

ということで,これらの教わった考え方を取り入れて最近は授業やっていますが,子ども達の反応は上々な気がします。

 

以前よりも最後まで授業に集中して取り組む子が増えたような気がしているんですよね。話を短くしてぱっと課題に取り掛かった方が落ち着きない子も静かにやるんです。不思議なものですね。

 

 

 

ということでね,1週間かけて長々と描いてきましたが,今回の研究授業はこんな感じでした。このブログ結構先生に見ていただけれているようなので,皆様の授業を構成する上での参考になれば幸いです。

 

 

今日も読んでくださり,ありがとうございました!

 

 

追伸

ちなみに私から佐藤先生には「この仕事(教師)はAIに取って代わられますか?」と聞いたところ,「むこう70年間はまだ技術が追いつかない。まぁ70年後は無くなるかもしれないけど…そんなこと今から考えても仕方ないしね」とのことでした。いやぁ教師も頑張らないといかんな!と改めて感じたのでした。