どうも大仏です。
大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) on Twitter
さて今週はこちらの本をもとにアメリカで進む教育の民営化について考察を書いて来たわけです。
(先にこちらをご覧ください)
今回はこの話のラストです。
最後の話は
この民営化の流れというのは確実に日本にも迫って来ている
っていう話なんですね。
「いやいや,日本が公教育の民営化なんてありえないでしょ」
という方もいると思うのですが,実際そうでしょうか。
私は確実に日本はアメリカ寄りの教育に舵を切ろうとしているのだと感じています。
というのもこれまでのセンター試験に変わる新しい大学入学共通テストは,
民間に委託する方向性
なわけです。
(最近の報道だと2020年の実施は見直しになりましたが)
しかもその受験料は一回2万5千円。(高い)
さらには,民間で行うために会場数が少ない。近くに受験会場が無く,遠くまでいく受験生はさらに交通費,宿泊費までかかってくるわけです。
当然そのことで受験を諦める生徒も出てくることでしょう。
つまり,アメリカで起こっているような
民営化による教育格差
が日本にも間近まで迫っているわけです。
さらには,文科大臣から
「アスリートのセカンドキャリアとして大学教職課程を経ていなくても教壇に立てるようにしたい」
という発言も出ているわけなんですね。
(記事はこちら)
https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2019092500789&g=soc
つまり教員としての勉強をしていなくても,アスリートは教師にしてしまおうという話です。
そうなってくるともう,どんどん教師としての専門性のハードルは下げられていくことが考えられるわけです。
これって完全にアメリカ的な流れといえるのではないでしょうか。
また教員の中にも民営化を望む声もあります。
私自身,部活を労働として大きな問題だと感じているわけなんですが,部活を外部に任せるというのも一つの民営化だと言えます。
例えばクラブチームに任せることによって,教員の負担は減るわけなんですが,
経済的にスポーツに親しめない層が出てきたり,
また教育の専門家でない人間が子ども達の指導に当たることの弊害も出てくると考えられるわけですね。
(しかし難しい問題ですね.これ)
他にも教育実践科の藤原和弘氏は民間の塾と協力して学校を用いて夜の学校を塾として開放するみたいなこともしていたわけなんですね。
かなり格安の値段で授業を生徒には提供していたようなのですが,公と民の観点から見ても,かなり賛否のある取り組みだったことは間違いありません。
ということで,これが私の中での結論なのですが,
日本の教育は民間の協力は取り入れつつも,完全にそちらに舵を切るようなことがあってはならない
と考えています。
確かに民間のスピード感やサービスには素晴らしいものがあり,それらを取り入れていく必要性はあるでしょう。
しかし,アメリカのように世界でいちばんの富を生み出しながらも,その反面で22%もの圧倒的な貧困層を生み出してしまう国や教育のあり方は日本が目指すべき姿ではないんじゃないかと思うのです。
教育を民営化していくのか,
これは今後も国家と子ども達の人生を大きく変える重要な判断であると言えます。
日本がどういう方向性に進んでいくのかは注意深く見ていきたいものですね。
本日も読んでくださりありがとうございました!