ということで今回は私がどんな内容の授業をしたのかについてのお話です。
(これまでの話はこちらから)
まず先生のおっしゃる四人組についてなんですが,これについては私はもう去年あたりから前向いてやるスタイルはほとんどやってないんですね。
授業始まった瞬間に四人組にしてこれまでも進めて来ているのでこれについてはすでにクリアしているわけです。
んじゃあどこが難しいかというとですね、
①わからない子が周りの子に「教えて」と言えているかどうか。
っていうところが最初のかなりの関門になるわけです。
佐藤先生に授業を見てもらう上ではこれが出来ていないとどんなに授業がちゃんと流れていても,ダメみたいなんです。
しかしまぁ,
言えないでしょ。
中学生が「わかんない」「助けて」って。
一番人の目を気にする時期じゃないですか。子どもとはいえプライドありますもん。そこを教師が上手くやってやらないとこれは絶対に実現しない話なわけです。
だからこれを実現するためにも私はクラスがスタートしてからずっと,
「わからない時は班の人に『わからないから教えて』って言ってみようね。言える人はできるようになっていくよ」
「今調べたことについて『なんて書いた?』って班の人に聞いてみようか」
「ちょっとお互いのノート見せ合ってみようか。『ノート見せて』で始めてみて」
と授業内で声をかけて協同作業にとりかかりやすいような声がけをしてきたわけです。
子どもらからしたら「先生が言ってるからしょうがなく言ってるんだぜ」っていう状況にしてあげることでまずは慣れさせたいと思ったわけですよ。
さらに佐藤先生の考え方では教師が教えこむことよりも子ども達同士で知識を獲得することを1番の目的にしていますから,
「これどういう意味ですか?」
って生徒から聞かれた時も
「(私じゃなくて)グループの人に聞いてごらん」
って促して徹底してきたんですね。
(そのせいで生徒から「この先生全然教えてくんないじゃん!」と言われたこともありましたけどね)
他にも人間関係ができていないとお互い声もかけようともしませんから,朝の会や帰りの会でもちょっとしたゲームなんかを取り入れたりして子ども達がお互いにコミュニケーションを取らざるをえないような状況を設定してきたわけです。
さらには席替えにも配慮して出来るだけ人間関係がうまく回るような席を考えて配置するようにしました。
なので,四月に学級がスタートした時点からこういうことを続けて,子ども達が自分達でつながりを作って問題を解決できるような状況を目指したわけです。(これらは現在も継続中です)
②どこを題材にするか。
これもやっぱり迷うわけです。これまで子ども達は地理の授業で世界の様々な地域の暮らしについて学んできたわけなんですよ。
世界には,
・シベリアみたいに草も木も生えないような寒帯に住んでいる人だったり,
・富士山を超えるような標高の高い所に住む人だったり,
・ほとんど雨が降らない砂漠に住む人
もいるわけですよ。
そういう人たちが,そんな環境で何を食べてどんな家に住んで,どういう暮らしをしているのかっていうのを今の中1は学ぶんですね。(結構面白そうでしょ?)
そこで今回はそれらの授業の総括として,
「宗教」
を選ぶことにしました。
日本人はあまり意識していませんが,宗教は世界の人々の生活にとって欠かせないもので,宗教に対する理解はグローバル社会を生きていく上では欠かせないものなんですね。だからこれにしようと。
それに宗教を選んだ大きな理由がもう一つあります。
というのも私,
昔海外の寺に住んでた
んですね。
だからもう私くらいになると肌レベルでというか,細胞レベルで世界の宗教感ってものを理解しちゃってるわけじゃないですか。
僧侶達と同じ浴室使ってて,あまりにも排水口に髪が詰まるから,
「何ちょっと、みんな抜け毛多すぎじゃない?」
「誰よ?こんなに抜け毛多いの?」
って思ってたんですけど。
よく考えたら住人の中で髪生えてるの私だけだった
っていう経験までしてきてるわけじゃないですか。
だから今回はそんな私の経験を生かせる分野にしようってことで「世界の宗教」をテーマにした授業をすることにしたわけです。
(私の海外での生活の様子は前ブログ『寺と大仏と私』http://rabits-volley.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/index.htmlのアーカイブをご覧ください。多分このブログより面白いかと笑)
そしてここまできて大筋は出来てきたんですけど。ここで最難関にぶつかります。
というのも,
③ジャンプ課題
の存在です。
つまり,授業の中で学力高い子も低い子も夢中になるような応用的な課題を設定しなければならないわけです。
これどうしようかなというところまできたんですね。