
「子どもたちをもっと伸ばしたい」
「効果のある教育って何だろう?」
そんな思いを持つ教育関係者にとって、非常に示唆に富む一冊があります。
それが、ジョン・ハッティ著『教育の効果 メタ分析による学力に有益を与える要因の可視化』です。
今回は、この本を読んで「なるほど!」と唸らされたポイントを、特に印象に残った効果的な教育方法トップ2を中心に紹介したいと思います。
- メタ分析で見えた「本当に効果がある教育法」
- 効果が低くても「無意味」ではない
- 教師として知っておきたい「効果的な指導法」トップ2
- 相互教授法(Reciprocal Teaching)
- フィードバック
- 教師の存在が決定的な影響を与える
- おわりに
メタ分析で見えた「本当に効果がある教育法」
教育方法には実にさまざまなものがあります。
テストや宿題、アクティブラーニング、ICT活用、習熟度別指導など…。
どれも一理ありそうですが、果たしてどれが本当に学力に効果があるのか、気になりませんか?
この本が面白いのは、そこに対してメタ分析という手法で答えようとしているところです。
メタ分析とは、複数の研究を統合して、より信頼性の高い結論を導き出す方法。
つまりこの本では、「いろんな研究を総合的に見た結果、どの教育法が効果的か?」を明らかにしてくれているのです。
効果が低くても「無意味」ではない
ここで重要なのは、効果量が小さい=やる意味がないという話ではないということ。
たとえば「宿題」は、効果量が低い指導法として挙げられています。
とはいえ、宿題をやる意味がゼロだというわけではありません。やる意味はあるのですが、他にもっと効果的なものはあるということです。
教員としては何が本当に効果的なのかは知っておくべきだと思うんですよね。
教師として知っておきたい「効果的な指導法」トップ2
では、数ある教育法の中で、特に効果が高いとされた指導法とは何なのでしょうか?
ここでは、ハッティの分析から導かれたトップ2をご紹介します。
相互教授法(Reciprocal Teaching)
これは、学習者同士が交互に「教える側」「学ぶ側」になる学習法です。
具体的には、テキストを読みながら要約したり、質問をつくったり、互いに説明し合う活動を通して、理解を深めます。
この方法が優れているのは、メタ認知を高める効果がある点です。
自分の考えを他者に伝えることで、自然と理解を整理し直す機会が得られ、結果的に学習効果が高まるのです。
私自身も、授業の中でペアやグループでの「説明活動」を取り入れていますが、今回あらためてその効果を実感しました。
子どもたち同士の対話は、やはり教育の上で効果的なんですね。
フィードバック
そして、堂々の1位はフィードバックでした。
フィードバックとは、学習者の到達状況や理解に応じて情報を提供し、次の学習に生かす働きかけのことです。
たとえば、私がバレーボールの指導をしているときも、「膝が曲がってないね」「今の動きは良かったよ」といった声かけを行っています。
これがまさにフィードバックですね。
ポイントは、「何ができていて、何を改善すべきか」を具体的かつ段階的に伝えること。
こうすることで、子どもたちは次に向かうべき道筋が見え、モチベーションにもつながるのです。
さらにこの本では、教師自身に対するフィードバック=形成的評価の重要性も述べられていました。
中間テストやアンケートを使って「授業の改善点」を見つけ、実際の指導に生かしていく。
これこそ、教育のPDCAサイクルだと感じましたし、効果的である事がわかっているのであれば教師はその形成的評価をしっかりと受け止めなければならないと感じました。
教師の存在が決定的な影響を与える
本書には、他にも家庭環境や本人の資質などさまざまな要因について書かれていましたが、最も強調されていたのは次の点です。
「教室という環境の中で、教師によって行われる指導が、子どもの学力に最も強く影響する」
これは、教員として非常に勇気づけられる言葉です。
私自身、最近同僚と「自分の子どもがうまく育てられない」という話をしていました。
家庭ではなかなか勉強しない。そんなうちの子でも学校の教室では、驚くほど集中できていたりする訳です。
これはやはり、「親子」と「教師と生徒」の関係性の違いや、教室という周りに級友がいるという特別な環境の力なのだと思います。
だからこそ、「良い先生に出会えるかどうか」は、子どもの未来を左右する重要な要素です。
私も、自分がそうであったように、「出会えてよかった」と思ってもらえるような教師でありたいと、心から思いました。
おわりに
今回は、ジョン・ハティ著『教育の効果』から、特に印象に残った内容を紹介しました。
教育法に迷ったとき、自分の指導を見つめ直したいとき、力になる一冊です。
子どもたちの可能性を信じて、効果的な指導を積み重ねていきたいですね。
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読んでいただき、ありがとうございました。
