白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

部活動の地域移行と教育格差の懸念

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近年、部活動の地域移行が進んでいます。私が勤務する地域でも、休日の部活動は地域クラブとして外部指導者に委託される形が広がっています。

 

現在、こうした地域クラブの参加費用は年間約2,500円と非常に低額です。これは国や県からの補助金によって実現されています。


しかし、この補助はいずれ打ち切られると考えられており、その場合、月額5,000円~6,000円の負担が発生すると言われています。

 

これまで、子どもたちは最寄りの学校で比較的自由に部活動を選択でき、指導者の熱意次第では練習試合や様々なイベントが組まれていました。

 

しかし、今後は活動を続けるために月額数千円の費用が必要になることで、経済的な理由から活動を諦める子どもが増える可能性があります。

 


教育格差の拡大


すでに家庭の経済状況によって子どもたちの体験格差は広がっています。

 

例えば、習い事や塾、旅行など、お金がある家庭ほど多様な経験を積めるのが現状です。

 

そこにこれまで部活動によって支えられてきたスポーツや文化活動までもが経済的な壁に阻まれるとなれば、子どもたちの成長機会が大きく制限されてしまいます。


そのため、私は 地域クラブこそ無償化を進めるべきだと考えています。ICT環境の整備や私立高校の無償化など、政府が教育分野に予算を投じることよりも、より多くの子が関わる地域クラブへの支援こそ、今後重要ではないでしょうか。


教育バウチャーの活用


例えばこの地域クラブに「教育バウチャー制度」を導入するのはどうでしょうか?

 

教育バウチャーとは、子どもたちにクーポン(補助金)を配布し、それを使って自由に教育サービスを選択できる制度です。


もし地域クラブに適用するなら、例えば 月4枚のクーポン を配布し、子どもたちは週末にそれを使って好きなクラブに参加できます。

 

• 「今日はバレーボールじゃなくてバスケットボールをやってみよう」

 

• 「自分はサッカーが好きだから、ずっとサッカーに使おう」


といった選択が可能になります。また、 良い指導者のもとには自然と子どもたちが集まるため、指導の質も向上するはずです。

 

指導者側は集めたクーポンをまとめて換金するシステムです。

 

部活動が地域クラブに移行する以上、 子どもたちが「選べる」仕組みをつくり、それによって指導者側にも利益になることが重要 ではないでしょうか。


まとめ


地域クラブ化が進む中で、月々5,000円~6,000円の負担が生じるのは、経済的に厳しい家庭にとって大きな問題です。

 

物価が上がり、家計が圧迫される中、 これまで無料で享受できた活動が有料化されることで、子どもたちの選択肢が狭まることは避けなければなりません。


もはや部活の持続は非常に困難な状況であるので、私は 他の予算を削ってでも、地域クラブにおける子どもたちのスポーツ・文化活動に公的資金を投入すべきだ と考えています。


皆さんはどう思いますか?

 

ご意見をお聞かせください。


本日も読んでいただき、ありがとうございました。