白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

頭の中のひとりごとをどうコントロールするかが大事だぞっていう本を読んだのでまとめておきます。

 

 

我々は頭の中で常に独り言を言っているわけですね。

 

つまり、チャットしているわけです。

 

これが必要以上に同じこととか過去のマイナスなこととかを考えすぎたりしてしまうと、いろんな病気を引き起こす。

 

うつ病とか精神病とか、そういったものも考えの傾向の癖から生まれるものだなんてことも言われています。

 

だからこそ、頭の中の独り言をどうコントロールするかというのは結構大事なんじゃないかなと私も思ったわけですね。

 

この本ではそんなやっかいな独り言をどうコントロールするかが書かれています。勉強になった部分をまとめておきます。

 

距離を置いた自己対話

自分自身が困難に見舞われたとき、困難な状況を切り抜けたいときに頭の中で考える際は、自分を指すのに名前や二人称の「あなた」を使うのが有効。

 

これによって自分のことを客観視することができて、ストレスのある状況でもパフォーマンスの向上とかネガティブな感情の減少が期待できる。

 

少し課題を自分と切り離して客観視するためにも、自分の名前や「あなた」という言葉を使うことが推奨されていました。

 

心のタイムトラベル

これは今から1ヶ月後、1年後、あるいはもっと先に自分がどう感じるかを考えてみるというもの。

 

1年後まで考えれば、ほとんどの悩みはきっと解決しますから、「この悩みも1年後にはなくなっているんだな」と思えれば、気持ちは楽になるということです。

 

家族の歴史を知る

これもタイムトラベルに似ています。

 

ある女性は、自分の家族史を作るというプロジェクトに取り掛かりました。

 

自分をこの世に生み出した人や出来事の長い連鎖に興味を持って、曽祖父がどういう人だったのかを調べていったそうです。

 

その結果、この人はアメリカの女性なのですが、自分が奴隷の4代目の子孫であるということを確認しました。

 

しかし逆に、奴隷の子孫である自分が今こうして世の中で活躍できているということに、ものすごく自信を持てたそうです。

 

過去を知ることで「今が幸福だ」と感じられる。これはタイムトラベル的な手法としてとても有効だと思いました。

 

私自身、社会科の教員でもあるので、例えば生徒に「祖父や曽祖父について調べてみよう」「その当時の世の中はどうだったのか」といった課題を長期休み中の宿題として出すのも面白いんじゃないかと思いました。

 

当時の状況を知ることは、今がいかに恵まれているかを知るきっかけにもなりそうです。

 

お守りや迷信を信じる

 

お守りを握りしめる、あるいは迷信を信じること。

 

あるものや迷信的な行為がチャッターを和らげてくれると信じるだけで、実際にパフォーマンスが上がる。

 

要はお守りやプラセボみたいなものは決して無駄ではないということなんですね。

 

本の中ではテニスプレーヤーのナダル選手がいかに所作にこだわって同じことをくりかえしているのかが書かれていました。そうやって同じ動きをすることに集中することで雑念を考えないようにしているわけですね。

 

目に見えない支援をする。

 

本の中で特に印象に残ったのは次の部分です。

 

 

親は真剣に問題に目を通し、忍耐強く明確に説明することが、我が子が宿題をうまくこなすために、また自信を深めるためにまさに必要なことだと確信する。

 

認知的な解決策こそがポジティブな感情をもたらすはずではないか。ところがそううまくはいかない。

 

親が説明すると子供は機嫌が悪くなりイライラし始める。

 

明確な数学的論理がどういうわけか感情的ないざこざの中で消え去り、口論が勃発する。

 

「解き方は分かっているわ」と子供が言う。

 

「だけど困っているんだろう。だから助けてあげようとしているんだ」と親が答える。

 

「助けなんかいらないもん。」子供は憤然として自室へ引き上げる。親は呆然とする。

 

一体何が起きたのだろう。相手のニーズをよく考えずにアドバイスすれば、当人の自己効力感、自分は困難を乗り越えられるという揺るぎない信念を損なってしまう。

 

これは内なる声が飛びついてくる感情だ。

 

長年にわたる心理学的研究によって、自己効力感が損なわれると自尊心が傷つくだけでなく、健康、意思決定、人間関係にもダメージが及ぶことが分かっている。

 

 


どこの家庭でもこういったことは行われているのではないかと思います。

 

特に進学校では、親が非常に教育熱心であるがゆえに、手をかけられすぎて子どもが自己効力感を失ってしまうケースが多いように思います。

 

だからこそこの本に書かれていたように、子どもが求めていない支援はしないこと、目に見えない形で支援すること(例えば部屋の片付けをしておく、お金を出すこと)が重要だと感じました。

 

自然を活用する

 

やっぱり緑地を活用することも大事だとこの本でも述べられていました。

 

緑地で過ごす時間はチャッターとの戦いを支える。脳の限られた注意資源の補給になると。

 

チャッターを感じたら公園に出かけたり森の中に行く。それが難しければ、コンピューターの画面上でも自然の映像を見ることが効果的だと書かれていました。

 

私もスマホの画面を自然の写真にしていますし、先日も公園でシートを広げて子どもたちとお弁当を食べました。

 

それだけでもとてもリラックスでき、子どもたちもいい顔をしていました。

 

また最近ベランダで小松菜とカブを子どもと一緒に育てていますが、これもとても良いです。

 

成長の過程が分かりやすく、収穫して食べられる楽しみもあります。何より緑と触れる時間はとても楽しいですからね。

 

 

おわりに

 

ということで、今回は『チャッター 頭の中の独り言』から勉強になった部分をご紹介しました。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。