白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

贈り物が苦手な理由と、教え子への手土産問題

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今回は、私が苦手なものについて話してみたいと思います。

 

私は「贈り物」というものが、正直あまり好きではありません。贈るのも苦手だし、もらうのも気を使ってしまうので、できれば避けたい。

 


一方で、うちの奥さんは贈り物文化の中で育った人です。

 

例えば結婚式のご祝儀に関しても、私は「ご祝儀を包めばそれで十分だよね」と思っていたのですが、奥さんは「ご祝儀に加えてプレゼントを贈るのが当たり前」という感覚で、すごく細かいところまで気を配っていました。その時から、私は贈り物に対する価値観の違いを感じていたわけです。

 


そんな私ですが、今回、久しぶりに昔の教え子たちとの食事会に誘われました。会費制だったので、私は「会費を払って楽しく飲めばいいんじゃない?」という感覚だったのですが、奥さんからは「手土産を持っていかないなんて、ほんとにありえない!失礼すぎる!」と強く言われてしまいました。


なぜ贈り物が嫌なのか?


なぜ私は贈り物が嫌なのかを色々と考えていたんですけど。

 

「ギフト(gift)」という単語には「贈り物」という意味だけでなく、「毒」という意味もあります。

 

ドイツ語では「gift」は「毒」を指しますし、オランダ語でも「贈り物」と「毒」の両方の意味を持つ単語です。

 

つまり、贈り物というのは「もらったらお返ししなければならない」という義務やプレッシャーを相手に与える、ある種の「毒」なのではないかと思ってしまうのです。


また、かつて北米の先住民に「ポトラッチ」という贈り物の文化がありました。これは、贈り物をすることで相手に負担を強いる儀式です。相手はそれ以上の贈り物を返さなければならず、最終的にはどちらかが返せなくなってしまい、社会的地位を失うこともあったと言われています。

 

こういう背景を知ると、贈り物には良い側面だけでなく、相手を「縛る」側面もあるんだなと感じます。

 


悩みながらも手土産を探す


とはいえ、奥さんに「何人くらい来るの?」と聞かれ、先方に人数を聞いてしまったが最後、もう手土産を買わなければならない義務が発生してしまいました。

 

ちょうど旅行先にいたので、お土産屋さんを見て回ったのですが、どうしても「これだ!」と思えるものが見つかりません。


奥さんは、あまり深く考えずにサクッと選びます。

 

「漬物とかでいいんじゃない?」と言われても、「いや、それはちょっとダサくない?」と思ってしまうし、「お酒とかでいいんじゃない?」と言われても、「妊娠してる子がいるかもしれないし、教員という立場もあるし…」と悩んでしまう。

 

結局、何を選んでもダメな気がして、なかなか決められませんでした。

 

「米不足だし、一人暮らしだったら米か?」

「いや、すぐ飲めるようなフルーツジュースか?」

「いや持ち帰るの大変になって迷惑がられたくもない…」

「このパッケージはイマイチか…」


でも、ふと気づいたんです。

 

 

私が贈り物を苦手な理由は「中途半端なものを贈ってダサいと思われるのが嫌だから」なのではないかと。

 

持っていく以上中途半端なものは恥ずかしい。だったらいっそ持って行きたくない。それが私の本心なのだと気づきました。

 

要は、変なプライドが邪魔をしていたんですね。


職場の先生たちに聞いてみた


そこで、職場の先生たちに「こういう時、何を持っていけばいいと思います?」と相談してみました。

 

「お金を少し多めに出すのもいいけれど、それだと2次会に行かない子には還元されないよね」なんて声も。こんな時も平等性というものを考えてしまう生き物なんですね、教員て。


ある先生は、「私は母校の校章入りクッキーを用意したよ」と言っていました。しかも90人分も準備したという話を聞いて、「そんなカッコいいこと、俺にはできないな…」と軽く絶望。


また別の先生は、「人数が少なければ、その場でデザートをおごるのもいいんじゃない?」と提案してくれました。

 

それを聞いて、高校の卒業の時、担任の先生が焼肉屋で「一人一杯ずつおごるよ」と言ってくれたことを思い出しました。

 

いまだに記憶に残っているということは、あれも贈り物であり毒(gift)の一つだったんでしょうね。

 

まぁ返せてはいませんが。


結局、選んだのは…


結局、私はそこまでおしゃれなものを選ぶことができず、それなりの「無難なお菓子」を買いました。

 

少し不本意ではありますが、これを「毒」として持っていこうと思います。


でも、今回のことで気づいたのは、「本当に喜ばれる贈り物って何だろう?」ということ。

 

もし、次に教え子たちと会う機会があれば、もっとセンスのあるものを用意できるようになりたいなと思いました。


みなさんは、贈り物についてどう思いますか?

「贈り物が好きな人」「苦手な人」、それぞれの考えを聞いてみたいですし、もしこういう時(教員として教え子達に会うみたいな場面)のおすすめのギフトがあれば教えてください。

 


今回も読んでいただき、ありがとうございました!