教職者K

教育について考えるブログ。

転ばぬ先の杖が子どもをダメにする。

これ最近自分の子どもに向けて図書館で借りたんですけど。

勿論子どもにもオススメですし、大人もいろいろと考えさせられる一冊です。

 

内容としてはモグラの子がある日傷ついた一匹の小鳥を保護します。

 

モグラの子は小鳥が傷つかないように、「愛しているから」小さなゲージの中に入れて出られないようにします。

 

その様子を周りの大人達は「可哀想だからやめな」と言いますが、本人は聞く耳をもちません。

 

その姿を見たモグラのおじいちゃんはある日その子モグラを自然豊かな丘に連れて行き、自由に遊ばせます。

 

そして、モグラの子自身が自由に遊び、自然の中で飛び回る鳥達を見て、モグラの子は「愛しているから」小鳥を放してあげようと決意する。

 

小鳥はゲージから外に出され、空に羽ばたいていくという話です。

 

私は読んでいて、現実でもこういう事はあると思ったんですね。

 

教員でも子ども達をゲージに囲うようなタイプの人っているんです。

 

例えば今はコロナがあるので、常に学校は危険と隣り合わせの状態です。

 

だから、事あるごとに制限をかけて「感染リスクがあるから出来るだけ子ども達は活動はさせないでおこう」という意見が出てくる訳です。

 

これは私はまさに小鳥をゲージに囲うような愛し方だと思うんですね。

 

しかし、実際には子どもの感染リスクは大人よりもはるかに低いですし、国内では死亡例も出ていません。

 

なので、「十分に注意しつつも、出来るだけ活動させる」という方が子ども達はその力を伸ばすはずです。

 

また、このような話はコロナだけにとどまりません。

 

私はどんな子でも積極的に前に出してみるべきだし、うまくいかなかったとしてもそれが経験になると思っています。

 

だからどんどんトライさせて失敗させればいいと思っているのですが、中には子どもに失敗させる事がとんでもなく悪い事だと思っている人もいて、子どもの成長する機会を奪ってしまっているケースがあります。

 

 

「あの子を今前に立たせたら、うまく行かなかった時に心にダメージを負うかもしれないからやめよう」

 

「これはあの子には出来ないからやらせないでおこう」

 

「教育は成功体験を与えるべき」

 

大人は見通しが立ちますから、「愛しているから」こそ制限をかけたりする訳ですが、私はそれはちょっと違うんじゃないかと思うのです。

 

勿論、大きなケガや事故に直結するようなものは絶対に避けなければなりません。

 

しかし、それ以外のかすり傷程度のものならどんどんやらせてみた方がいい。

 

言うなればまず先に走らせて転んでみた方がいいと思うのです。

 

痛い思いはするかもしれませんが、受け身の取り方を覚えたり、痛みを覚える事で次に走る時に警戒することにも繋がりますから。

 

そうやって自分で動いて獲得したものこそが、ゲージの中で与えられるものよりも遥かに価値があるはずです。

 

同時にこれは指導者側としても

 

どこまで子ども達の失敗を許容できるかがそのまま指導者としての実力である

 

とも言えます。

 

自分の教育観が子ども達をゲージに入れてしまっていないかは、常に振り返りたいものですね。

 

皆様の参考になれば幸いです。

 

本日も読んでいただき、ありがとうございました!