教職者K

教育について考えるブログ。

【レビュー】発達障害と間違われる子どもたち

 

 

さてこちらの本の紹介である。

 

こちらの本は「高学歴親という病」を書かれた成田奈緒子先生の新刊。

 

教育現場に働いていて、明らかに発達障害を疑われる子が増えているのを感じていたので読んでみた訳である。

 

結論から言うと、成田先生曰く増えているのは発達障害ではなく、「発達障害もどき」である。

 

本来発達障害ではないが、睡眠不足などを理由に脳が十分に発達せず、それ故に忘れ物やミスをする子が多いとのことだった。

 

そして、簡単に言うとよく寝れば発達障害に見られるような大概の問題は解決するという一冊だった。

 

睡眠不足で本来育つべき体の脳(食べる、寝る、感情を動かす)が小さい頃に十分に育っていない子は偏食などの傾向が見られるという。

 

Kの勤務先(進学校)の子は偏食が非常に多い。

 

親も高学歴で、仕事が遅かったり夜中まで勉強させるなど、認知優位の子育てをしてきたのだろう。きっとあの子達も十分に体の脳を育っていないのだろうと本を読んで妙に納得した。(遅刻やたら多いし)

 

何よりKが反省したのは自分の家の事だ。

 

これまで家事や育児をしていて子どもを寝かしつけるのが夜11時近くなってしまう事もあった。

 

最近では子どもが寝てから家事をするようになったが、それも本来これから仕事をしなくてはならないという親の緊張感や体の強張りが子どもの寝つきを悪くするのだという。(本の中では家事は朝やることを推奨)

 

また本の中では子どもを朝早く起こす事(7時前)を推奨していた。早く眠りさえすれば早く寝るからである。

 

しかしながら我が家においても、夜遅くまで家事をしている妻はできるだけ朝は寝ていたいし、私も朝トレーニングしたいがために子どもを起こさないなど大人の都合が子ども達の睡眠ルーティンを阻害している所があると大いに反省した。

 

昔からよくいう「早寝早起き」は実に理にかなっていて、何よりも大切なことなのだ。しかしながら多忙な現代社会の中ではついついおざなりになりがちな部分でもある。

 

生徒指導の場面で「早寝早起きをしましょう」とこれまでなんとなく言ってきたが、今後は自信をもってその大切さを子ども達に伝えることができる気がしている。

 

非常に読みやすく、また勉強になる事も多い一冊である。

 

教育関係者だけでなく、子育て世帯にもおすすめである。