どうも大仏です。
大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) on Twitter
さて、皆さんお待ちかね週末の教育ニュースピニオン。(←やったことないだろ)
私が今週気になった教育ニュースを独断と偏見でランキング付け。
さらには一教諭の立場から私見を偉そうに述べる,というどこに需要がわからない記事になっております。
まぁお付き合いくださいーーーーーーーーー。
第6位 学校PC1人一台へ
https://www.google.com/amp/s/www.sankei.com/economy/amp/191205/ecn1912050040-a.html
政府は2023年までに義務教育におけるタブレットやpcの設置について1人一台を目指すと発表。予算は54億円もかかるんだとか。
ちなみに私が居る学校は全校で六台のタブレットである。つまり,50人に一台。しかもかなり遅くて使いにくい。正直多くの学校でそんな実態であると思う。
なので,これが実現したらかなり出来ることは増えるはずである。
例えば「キュビナ」というシステムを使えば,AIが子ども達が何が出来ていないか判断して,即座に苦手を補う問題を提示してくれる。
夢中で取り組む子ども達の中には一年の内容を数ヶ月でクリアしてしまう子もいるという。人間の手では出来ないことまでカバーできるので学力向上が期待できるのだ。
またタブレットに教科書が入れば,もう重たい荷物もいらない。最近では教科書が重たすぎて整骨院に通う小学生までいるようだから,そういう意味でも有効だろう。
ただ一方で学習意欲の高くない子達にタブレットを持たせることが果たして本当に有効なのだろうか…。授業中ずっとタブレットいじって終わりなんてことも十分に考えられる。
さらに有効な活用をしていくためには教員側の力量も必要だろう。
54億分の効果があるのかは疑問である。
(まぁ使う人によるかな)
第5位 名古屋でいじめ。同級生から20万円。
https://www.google.com/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/507037
名古屋の小学5年生が同級生がお金を請求され,総額20万円ほどを渡していたとのこと。渡したお金はゲームセンターなどで使われていたらしい。
こういうケースだと世の中の皆さんがイメージするような,「気弱な弱者と悪い強者」という構図ではなく,ほとんど渡していた子も楽しんでいるというか,仲が良さそうに見えるから判断が難しい。
(このケースの子達がどういう子かはわからないけど。私の経験上そんな感じが多い)
学校はその実態を見抜けなかったことを謝罪しているが,担任が見抜くのはほぼ不可能だと思う。みんなちゃんとそういうことは教師の見ていないところでやるのである。多分金銭の受け渡しは校外の話だろう。なぜ学校が第一に謝罪しているのかがよくわからない。
一番責められるべきは,とっていた子であり、さらにはその親ではないのだろうか。
買っていないはずのものが家にあったり,時間の使い方におかしなところはないか,子どもの動向をちゃんと把握していたのだろうか。
なぜ校外のことまで学校が第一に責められているのかいまいちわからない話である。
第4位 教員いじめ ボーナス増額見送りへ
https://www.google.com/amp/s/www.excite.co.jp/news/article-amp/Mainichi_20191204k0000m040161000c/
教員によるいじめのあった東須磨小学校で神戸市の校長ら320人分のボーナス増額が見送りへ。その額は総額で1000万以上にものぼるとか。
まぁそこまでやるのかという印象。多分関係ない人間がほとんどだと思うので,とばっちりも良いところだろう。
ただ,教育界にパワハラがあるのは事実だと思う。管理職の皆様には是非そうならないようにするためにも,今回の件を肝に銘じてちゃんと今後に生かして頂きたいものである。
(ちなみに私は東須磨の一連の報道を見て「管理職なんてなるもんじゃない」と心から思った次第である。)
第3位 大学入試国・数記述式延期へ
https://www.google.com/amp/s/www.sankei.com/life/amp/191206/lif1912060034-a.html
大学入試の国と数の記述式の延期が決定とのこと。
そもそもなぜ記述式になってきているのかという話なのだが,もう調べればなんでもわかる時代に,知識を問う問題が無意味だからである。
私の感覚だと今求められている力というのは,「アート」のそれに近い。アートでは,これまでの文脈を読み取って新しいものを生み出す力が必要とされる。
ピカソもこれまでの芸術界の文脈を読み取って,さらに全くこれまでになかった表現を発表して評価されたわけである。ビジネスや,化学など様々な分野でこういったアート的な力が求められている時代なのである。
つまり,そんなアート的な力をテストでもみよう,というのがこの記述式の狙いではないだろうか。記述式とはまさに与えられた情報から新しいものを生み出せるかどうかを見るテストだからである。
しかし,いかんせんアートであるが故に採点が難しい。採点者によってはゴッホを見逃して
ラッセンばかり評価する可能性もあるわけである。
その難しさや手間を考えると,センター試験というのはベストではないがベターだったのではないかと今更思ったりする。
第2位 PISA 日本の読解力 15位へ転落
https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/life/amp/191203/lif1912030033-a.html
PISA調査の結果日本の学生の読解力が15位へと急落したとのこと。原因にはスマホなどで短い文章や動画に親しんでいることから,読み取る機会そのものが減ってしまっていることが挙げられる。
これ相当問題ではないだろうか。
というのも,以前も書いたが,AIが最も苦手とするのが,この読解だからである。
読解力こそAIが色んな仕事を人間から奪っていった後も残る可能性がある分野なのだ。
(詳しくはこちらお読みください↓)
その読解力が低いというのは,今後の子ども達の将来を考える上では大きな問題であると感じた。
ちなみにこの調査の結果,日本は「経済水準による格差が最小」という結果も出ている。
学校の教員が1人何役もこなして,生徒達に機会を与えている成果であると思う。今の労働環境を肯定するわけではないが,格差の小ささは日本の教育の誇れる点ではあるように思う。
第1位 変形時間労働制 改正法成立
https://www.google.com/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3Fk%3D2019120400131%26g%3Dpol
そしてラストはこちら。変形時間労働制についての改正法案が参議院でも可決。
これによって教員は夏休み中の休みのまとめどりが可能になり,その分,学期中の定時が遅くなる。
これ,そもそもなんでこんな話をしているのか,私には全く理解出来ないのである。というのも,休日のまとめどりをしたかったら,年休を使えば良いだけの話である。
しかし,それすら取れずに年休が余っている状態にあるのは,実際には夏休み中も業務があるからだ。
つまり,これが通ってしまったということは,
「君夏休み中どこで休みのまとめどりする?」
と管理職から聞かれることになる。
でも部活の大会とかがあるため,休めないからボランティアで学校に来るみたいな人が増えるだろう。
さらに,これまで定時に帰れるようにやりくりしてきた人も定時が19時とかになってしまったら,もうお手上げである。
ということで,こんな法案が通ってしまったことに対して私は違和感しかない。今の教員の過重な労働環境を合法化したいとしか思えないのである。
導入するかどうかは自治体の判断とのことだが,一体自治体はどういう選択をするのだろうか。
私はこの結果は来年の教員採用試験の倍率の更なる低下を招いてしまうような気がしてならないのである。
ということで,今回初めてやってみましたが,いかがでしたでしょうか。
皆様の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき、ありがとうございました!