教員の働き方改革の一つとして、部活動の地域移行が進んでいまして。
私の見ている部でも外部コーチが入って、休日はその人に練習を任せられるようになりました。
他の市町村の話を聞くと、もはや来年からは新入部員を募集しない方針で廃部にしたり、練習は通年で16時45分までと教員の定時の中におさめていく方針がとられているようです。
学校における部活動というのはもはやどんどん過去のものとなり、教員の手から離れつつあるわけですね。
ただ、こうなってくるとこちら側の負担は少なくなっているのですが、私みたいに部活やりたくて教員という仕事を選んだ人間からすると、
なぜ自分は教員をやっているんだろう?
とも思い始めているわけです。
部活が地域に移行していくことで、誰でも手を挙げれば部活に関われるようになります。だとしたら別の仕事をしながら関わることもできるわけで。
教員みたいに部活がなくても責任が大きい仕事を選んでいるのは現代社会においてはとてもリスキーな気がします。
今医者の世界でも美容整形などのジャンルを希望する人が多くなっているといいます。要は責任が少なく、時間的なゆとりがある仕事が好まれるわけですね。
だから部活の地域移行というのは今まで獲得していた「部活やりたいから、多少大変でも教員になろう」と思って志願していた層を減らしてしまう可能性もあるわけで。果たしてこれが本来の目的である「教員採用試験の倍率の回復」を目指す上で正解なのかどうか、は今の段階では私には判断がつかないところです。
ただ確実に言えるのは、志願者を増やす上で最も有効な方法は「子どもに良い教育を与えること」でしょう。
教育の有効性や自身の成長を子ども自身が学校という場で実感する。そういう子が大人になった時に教員を志望するようになるのだと思います。私自身もそうでしたから。
今後更に部活が学校という場から離れていくことを考えると、もはや授業で子供達が満足するようなものを我々は作っていかないと、更なる志願者の減少を招く可能性があります。
また、部活がなくなった際には我々は授業においてよりプロの力量を求められることになるでしょう。どうやって授業内においてそのプロの力量を発揮し、子供達に充実感を与えていくかが課題でしょうね。
そういう意味で、個人的には今PBLにとても関心があります。
最近こちらの本を読みましたが、PBLの学習では従来の知識を詰め込むことではなく、社会的な課題について探求し、最終的にアートなどの成果物で発表することを子供達に求めます。
その探究の中で生徒には職人(クラフトマン)になることを求めていく。その過程では何度も推敲を繰り返して作り直していきます。
そしてその過程では知識だけでなく様々な技能が必要になりますから、自身の能力を発揮する場が出てくる。
「何もできない子はいないし、また全てのことができる子もいない」
ということを子供は活動を通じて学ぶわけですね。生徒指導上も価値がありますし、多様性への理解が求められる現代社会においてものすごく大事な機会だなと個人的には思うわけです。
また生成AIができていますが、アートなどのジャンルはまだまだイマイチですからね。人間味がまるでないというか。だから最終的に成果物をアートとして表現する活動というのも素晴らしいなと感じました。
だから今年はこれの研究をして、社会科という教科をまるごとPBL化できないかと考えています。
こういう工夫をして授業に熱中する子どもを増やすこと。それこそが今の教員にできることであり、しなければならないことだと感じています。
まぁ大変な仕事ですけど、現状で他にやりたいことがあるわけでもないですからね。今いる場所でとりあえず頑張ろうかなと。
さて、今年も働きますか。
コツコツ勉強していけたらと思います。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。