では前回の続きを書いてみようと思う。
(先にこちらをご覧ください)
今のところ私は教師という仕事についていろいろと思うところはあるが,
現状では
転職市場を常に見ながらも教師という続けるのがベスト
という結論に至っている。
その根拠の一つについて今回は論じてみたい。
職業を考える上で今後大事な視点。それが,
その仕事はAIに取られるのか
だと思う
技術の発展で職業というのはなくなるのである。
昔いた電話交換手という職業は今はもういないだろう。
目覚まし時計が開発されるまでは「人を起こす」という職業があったようだが,それも技術の発展とともになくなったわけである。
現在5Gの到来が目前まで迫ってきているわけである。
2時間の映画を3秒でダウンロードできる時代がもうそこまできているのだ。
この技術を使えば道路状況なんかはすぐに自動車に伝えられるだろうから,自動運転は間違いなく広がっていく。
教え子の中にも「将来はトラックの運転手になりたい」ということをいう子もいて,否定はしないのだが,
私は内心で「(君たちが大人になる頃には無くなっているかもしれない…)」と思っているのである。
コンビニのレジや,スーパーのレジなんかもなくなるだろう。
すでにユニクロのレジなんかはカゴを置けばすぐ料金が表示される。客が分からない時に対応するスタッフが1人張り付いているだけである。
つまり,これからの時代、
単純労働はまず間違いなく、無くなる
という予測が立つわけである。
その上で我々は,
じゃあ教師はAIにとって変わられるのか?
ということを考えないといけないのである。
【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち
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先日こちらの本を読んだ。
私はAIは進化を続け、いつかは
人間みたいに自分で考えるようになる日が来る
と思っていたのだが,この本でははっきりと,
そんな日は来ない
と言っているわけである。
そういう人間の知能を超えるポイントを「シンギュラリティ(技術的特異点)」というようだが,
シンギュラリティは来ない
と断言していた。
(ちなみに作者は「東ロボくん」というロボットで東大に入れるかを実験している方である。)
なぜシンギュラリティが来ないと言い切れるのかといえば,AIとはただの計算機だからである。
つまり、突き詰めても計算しか出来ないのであり,数値化できないものは出来ないのである。
「いやチェスとか将棋で人間超えてんじゃん」
という人もいるだろうが、あれは限られた盤面の中で確率の計算をしているだけなのである。
実際には冷蔵庫からジュースを取り出すのにも人間は,
程よい力で冷蔵庫を開け,
冷えているかどうかを確かめ、
ドレッシングとかアルコールとかある中でジュースを選別し、
適切な量を飲む
ということをやっているわけだが,こんな簡単なこともAIにとっては難しいようである。1990年代までは猫か犬か見分けるという人間からしたら至極簡単なことさえ,AIには出来なかったのだという。(だって計算できないから)
また計算しか出来ないから、読み取りが出来ない。
美術作品を見て
「作者が何を考えていたのかを考える」
「作品の背景を考える」
なんてのは絶対無理な話なわけで。
翻訳にしても
「私は山口と広島に行った」
という文があったとしたら人間は、
山口が友人なのか地名なのかを文脈から判断できるわけなのだが,
このことは数値化できないのでAIは読み取ることが出来ないのである。
つまり、結論なのだが、
AIに教師ができるか
という点については,
絶対無理
だと私は思っている。
我々は子供達の顔色見て適切な声をかけたり、
反応見ながら発問を変えたり
モチベーションを上げるような励ましをしたりしているわけである。これは読み取りの連続だ。
子ども達のノートを読み取ってどの子に発言させれば議論が深まるか考えて指名し,授業をつなぐ。
そういった過程ははっきり言って数値化できるものではないので、
AIには間違いなく無理
だと私は思うのである。
(ちなみに文章問題の答え合わせも現状で難しいものがあるそうだ。)
ということで私は今後AIが様々な仕事を奪っていく中で、
教師みたいなAIが代替えできない仕事はむしろ価値を高めていく
のではないかと考えており,それが私が教師を続ける一つの理由である。
皆様の選択のご一助になれば幸いです。
追伸
ついでに思ったんですが,よく評価をワークだしたかどうか(数値)とかでつけることあると思うんですけど,ああいうのはどんどんAIにとられていってしまう仕事なのでわざわざ教師としてやる価値がないんじゃないかと思うわけですね。やめても良いかなと。
「感覚で成績つける」っていうのが実は一番人間にしかできないことだと思う最近ですね。
本日も読んでくださりありがとうございました!