教職者K

教育について考えるブログ。

公教育は民営化を目指すべきなのか?③

どうも大仏です。

 

大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) on Twitter

 

さて本日もこちらの本を参考にしながら私見を書いてみようと思います。

 

崩壊するアメリカの公教育――日本への警告

崩壊するアメリカの公教育――日本への警告

 

 

こちらの本に紹介されているアメリカの教育の民営化の流れの中に,

 

「教育のオンライン化」

 

があるんですよね。

 

つまり,教員の授業をオンラインで行うチャータースクール(特別認可の学校)が出てきていると。

 

そしてこのようなチャータースクールに人が流れて,その結果どんどん公立校が廃校に追い込まれているみたいなんです。

 

さらにはそのようなチャータースクールの多くが

 

教員免許を持たない人間が教壇に立つことを認めている

 

ようなんですね。

 

つまり教師の非専門家化,非正規労働者化が日本よりもかなり露骨に進んでいるようです。

 

(フィリピンからの教員の輸入みたいなことまで起こっているのだとか)

 

そして,ここで考えなければならないのは,

 

①「教育はオンラインでもいけるのか?」

 

 

②「教師に専門性(プロ)は要らないのか?」

 

という二つの論点なんじゃないかと私は思うんですね。なので民営化が進む上で非常に重要であると考えられるこの二つについて考えてみたいと思います。

 

まず①の「教育はオンラインでもいけるのか?」についてです。

 

私自身教員免許更新講習でオンラインでの授業を受けたのですが,すごく便利なものだなと思いました。

 

何せ全国の教室が一斉につながる。更には一人の講師で数百人を一斉に対象に授業を展開することが出来るわけです。

 

つまり,これが公教育で当たり前になっていけば教師が要らないですから人件費も抑えることが出来るわけなんですね。

 

さらに以前ネットテレビで

 

「教育はオンラインでいいでしょ。その辺の先生のじゃなくて,授業うまい先生の授業が受けたい」

 

と発言されている方を見かけたんですけど。

 

ある意味で正しくて,スキルのある教師の授業を受けることが出来るというメリットもあるわけです。

 

(現行の制度の場合,担当になる先生の授業力が低くても最低でも1年間はその授業を受け続けなければならないですからね)

 

と,このように考えると教育のオンライン化というのは非常に魅力的なのです。

 

しかし,私はここでも教育格差が問題になってくると思うのです。

 

というのも自分で自分の学習を進められる意識の高い層はいいんです。自分で必要な情報をオンライン上で集めて来てどんどん力を伸ばしていくでしょう。

 

問題はそうじゃない層。

 

そもそも学習に後ろ向きである上に学校に行かず,インターネットで授業することになるわけです。

 

やるでしょうか?

 

多分何もしないですよね。そうやって義務教育の9年間すごしたらどうでしょうか。

 

出来ないことにも気付いてもらえないまま適切な支援が受けられない子ども達が日本中にあふれてしまわないでしょうか。

 

これ私自身も教員免許講習を受けてて思ったのですが,オンラインでの授業というのはどうしてもコミュニケーションが一方通行になりがちで,モチベーションが維持しにくいという特徴もあるように思ったんです。

 

授業技術が上手いかどうかより,直接声を掛けられたりアドバイスをもらえることに人はやる気を感じるんじゃないでしょうか。

 

教育による格差拡大を防ぐためにも,オンラインに頼らない今の授業スタイルというのは大事だと思うんですよね。

 

 

さらに②の「教師に専門性(プロ)は要らないのか?」についてなんですけど。

 

これも専門性を求めないことで,より安価で手軽な労働力がたくさん手に入るというメリットがあるわけです。(いかにも現代的)

 

ちなみにホリエモンさんも「保育士の給料が安いのは誰にでも出来る仕事だから」と書いて大炎上していましたね。

 

語弊があるかもしれませんが,義務教育までの段階で教えている内容というのははっきり言って高度なものではありません。世の中にあるごく当たり前の知識なんですね。

 

「じゃあ,専門家は要らないのね?」

 

となると私の考えはやっぱりちょっと違って。

 

先に書いたように専門的な知識を持っているかどうかよりも「やる気にさせてくれる人かどうか」みたいなところもプロとして大事なところなんじゃないかと思うわけなんですね。

 

それに内容が高度でないからといって,それを様々な子ども達が理解できるように教えていくというのはけして簡単なことではないんです。

 

 

そして毎年部活見てて思うんですけど,

 

 

子ども達は指導者以上の実力にはなりません。

 

 

例えばどんなに全国大会で優勝する技能を持って入学してきた子達でも,監督が素人だったら日本一にはなれないんですよね。日本一の子にしようと思ってる指導者からしか日本一の子は出ません。

 

私はやっぱりどういう指導者や教育に出会うかが大事だと思うんですよ。

 

 

 

ただそういうこと言うとですね,

 

 

スティーブ・ジョブズビルゲイツも大学中退してんだろ」

 

「教育受けた以上のもん生み出してんだろ」

 

「教わったこと以上のもん自分で生み出してますが何か?」

 

って人もいると思うんですけど。

 

私は言いたいですよね,

 

ごく一部だろ

 

と。

 

大半の人は教育の中で培った能力を武器にして生きていくんじゃないかなぁと思うわけです。

 

だとしたら出来るだけ力を高めるためにも教師の力量や専門性というのはやはり大事なんじゃないかと私は思うわけです。

 

ということで私の考えを書いてみましたが,みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

あまりにコメント等がないので,一応書いておきますがコメントもお待ちしております。笑

 

本日も読んでくださりありがとうございました!