先日こちらの本を読みまして。
アメリカって公教育の民営化が盛んみたいなんですよね。
これって一見すごく良さそうじゃないですか?
というのも私自身社会の授業でも教えてるんですけど,
民営化するとサービスって向上するんですよね,一般的に。
競争相手が出来てお互いに競い合うからです。それによってより良いサービスが生まれると。
なので,アメリカではテストの点数を各校開示して、競争させたり。
生徒達の成績を教師の評価を給与に反映させたり。
さらには優秀な教師の授業をインターネット配信したりと,非常にビジネス的な視点で教育というものを扱おうとしているみたいなんですね。
そして世界的にみてもそういう国というのは増えているみたいなんです。
またホリエモンさんとかも教育について
「子どもにはスマホ渡して放置しておけばいい。公教育はいらない」
と発言したりしているんですが,私は非常にアメリカ的な発想だなと感じているわけです。
しかし,この本の中でその公教育の民営化を進めた結果として様々な問題が起こっていることが書かれています。
筆者は実際に自分のお子さんをアメリカの学校に通わせながらその実態をレポートしており,非常に説得力のある一冊となっております。
この本に書かれていることを参考にしながら私見を書いていきたいと思いますーーーーーーー。
そもそもアメリカでは公教育の民営化が盛んで,企業が学校教育に入ってくることを積極的に認めているみたいなんですね。
(チャータースクール(特別認可の学校)を学校として認めている)
その結果として子供達に提供されるサービスの向上が考えられると。
しかしその反面で企業が関わることによって
・テストに企業の名前が何回も出てきたり。
・学校の壁面が民間広告になっていたり。
・高校名を売りに出す法案が出たり。(日本のドーム球場みたいなものですね)
とかなり企業色が出てきているみたいなんですね。
ここからは私の想像なんですけど,例えば企業色が強く出てきた場合,学校は
「とっても美味しい,ほっぺたが落ちるマクドナルドのハンバーガー350円と,一口飲めば気分爽快コカコーラを120円を注文しました。さらには今ならキャンペーン中でなんとセットで15%オフ。さて合計金額はいくら?」
みたいな問題が極端な話だされるんじゃないかと考えられるわけです。
これは極端な例だとしても,少なからず自社の製品を悪く書くようなことはしないでしょうから,そんな感じのことが考えられるわけなんです。
これものすごく恐ろしいことじゃないかと私は思ったんですね。
というのも、成長期に形成される価値観って一生ものじゃないですか。私たちはもう小さい段階で「ゴミはポイ捨てしちゃいけない」し,「人には優しい言葉をかけなきゃいけない」って知らず知らずのうちに教育されているじゃないですか。
そういう人生を決定づけるような時期の価値観の形成に企業が関わってくるわけですよ。
もしかしたら体に悪いものだったり,本当はよくないものが良いものだって刷り込まれてしまう可能性も十分あるわけじゃないですか。
公平性っていう観点から考えてもどう考えてもちょっと問題あるよなぁと私なんかは思ってしまうわけなんですよね。
(続きます)