白眉最良

中学校教員が書くエッセーのようなもの。

【読書記録】成瀬は都を駆け抜ける。

さて最近読んだこちらの本の紹介です。

大人気の成瀬シリーズの第3弾。本作はこれまでの作品の完結編になっております。

 

京大に合格し、大学生になった主人公の成瀬あかりは、これまでと変わらぬスタンスで興味のあるものにすべて手を出します。

 

鍋サークルの誘いに乗ってみたり、YOUTUBEに出演したり、琵琶湖観光大使としての仕事を全うしたり。

 

そのすべてにおいて成瀬は本作でも圧倒的な存在感を放っています。凛としていてかっこいい。言いたいことをストレートに表現するその姿は小説なのに憧れすら感じました。

 

本作で物語は完結となり、この成瀬がもう見られないのはちょっと寂しい気がしました。彼女がどんな大人になっていくのかを見てみたかった気がします。

 

誰かの下で働くのは似合わないでしょうから、きっと社長か、もしくは政治家あたりでしょうか。公的な貢献意識の強い彼女はきっと行政の方に進んでいくんじゃないかと勝手に予想しました。彼女が総理になったらきっと人気が出ることでしょう。

 

そこから思ったのは、今の人たちが求めているのが「自由」だということ。

 

この成瀬というキャラクターがここまで魅力的なのは言いたいことをいう自由なキャラクターだから。そしてそういうリーダー像を今の人たちは日本に求めているんじゃないかと思ったのです。

 

今の首相の人気もきっとそんな忖度せずに発言する気質によるところが大きいでしょう。みんな気を使って言いたいことが言えない、だからこそそこを踏み込む人に人気が出る時代なのだと思います。

 

だから読んでいて自分自身は言いたいことが言えているだろうか、周りに気を使いすぎてしまっていてかえって自分の魅力を損なってしまっていないかということを考えさせられました。

 

なんにせよ成瀬が多くの人に愛されて、作中でも最後にはこれまでのメンバーが大集結する姿は不覚にもウルッと来てしまいました。お金のある人生よりも、周りに人がいる人生こそが幸せなのだということを示してくれる作品だったと思います。

 

そしてその裏側には、“自由に生きる覚悟”があるんだろうなと思いました。成瀬の今後が見られないのは本当に惜しいですが、物語としてはここで終わるのが最も美しいのではないかとも思いました。

 

成瀬のように、まっすぐに、自由に。

 

そんな大人でありたいと思わせてくれる一冊でした。

 

それじゃ、行ってきます。

 

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