白眉最良

中学校教員が書くエッセーのようなもの。

生徒の強みに気づいて育てるソリューション・フォーカスト・アプローチについて書いた本を読んだぞっていう話。

最近こちらの本を読みました。

生徒の強みやできることにフォーカスを当てて成長を後押しする「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」について書いた一冊です。

 

ついつい現場で働いていたり子育てしていたりすると子供のできないところに目が行きがちで注意したり、叱ったりしてしまうという人は少なくないでしょう。

 

そんな人にとって気づきのある一冊になっております。では勉強になった部分を引用したいと思います。

 

生徒を理解する際には以下のような「思考のクセ」の影響を受けやすいことを理解する必要がある。

・ポジティブな情報よりもネガティブな情報に影響を受けやすい。

 →悪い印象は良い印象よりも早く形成される。いやな印象は残りやすい。

 

・一度形成された印象が「確証バイアス」によって強まる傾向

 →自分が最初に形成した印象に合致する証拠を集めはじめる。(例:外向的だと印象を決めると外向性につながるような質問を多くしてしまう)

 

・生徒の行動は、その生徒の性格によるものだととらえがちな傾向

 →数学はやらないけど国語はやる生徒は「わがまま」なのではない。知能に偏りがあるのかもしれない。忘れ物が多い子はワーキングメモリが低い傾向にある。安易に行動からその人の性格を推測しない。知能の影響を考慮しなければならない。

 

生徒にはよいところや強みがあるという前提で、それらを積極的に見つけましょう。特に人格的強みは、生徒自身では気づきにくいため、教師や大人が気づき、伝え、育てていきましょう。

 

すべての生徒が良い方向に変化すると信じて関わりましょう。

 

生徒の話を聞く際には、生徒が話しやすいように非言語的行動(うなづき、視線など)を用いて「知らない姿勢」で生徒を理解しようと努めましょう。

 

生徒と接する際には「生徒には必ず強みがある」と考え、強みをみつけるためのイフ・ゼン・プラン(もし(イフ)○○な状況になったらその時は(ゼン)□□しようという計画)を立てておくと良いでしょう。これにより生徒一人一人の強みをより多く発見できる可能性が高まります。

 

生徒が望む未来を実現するために、次の2点を対話で明確にしましょう。

①望む未来の状態

②そこへ向かうために「まず取り組むこと」

 

「望む未来の状態」が具体的に、詳細に描写できるように、そして、次の4つを満たす「まず取り組むこと」を見出すことを心掛けて対話しましょう。

①その生徒にとって重要であること。

②抽象的でなく、具体的な行動として表現される

③問題がないではなく、「する」で表現する

 (例:「問題が起こっても落ち込まない」「人を傷つけない」などの表現や指示は×。ない状態を達成するために何をしたらよいか分からないから明確にならない。問題が起こったら嫌な気持ちを日記に書く、など「する」方向で支援する)

④実現可能性が高く、最初の一歩となるもの

 

「望む未来の状態」が明確になったら、その一部や近い状態がすでに起きていないか「例外」を探しましょう。例外が見つかれば、それがもたらした要因や方法を特定し、再現する方法を提案しましょう。

 

ということでした。

 

人間っていうのは正しく認知するっていうのがすごく難しい生き物だから、まずはそのクセがあることを教師自身が理解しておこうねっていうことでした。確かに良いことより悪いことの方が強烈に印象に残りますもんね。

 

子ども達ってみんないいところを持っているはずなんですが、どうしてもネガティブなところに目が行ってしまう。それはこちら側の認識のゆがみだってことをまず理解せよっていう点は忘れてはいけないなと思いました。

 

またこの時にオープンクエスチョン(はい、か、いいえで答えられないもの)をする人はこうしたバイアスがかかりにくいそうです。日頃の生徒の会話から自分が生徒に自由に話をさせるっていうのが、認知のゆがみを減らすためにも重要かもしれません。

 

またイフゼンプランについてもこのような応用の仕方は勉強になりました。教員や生徒から特定の生徒に対する批判的な反応が出たら「でもあの子って○○な良いところあるよね」と切り返してみようと自分自身は最近心がけています。

 

また実際私が今見ている子はADHDとASDの傾向が強く、自分のことを一方的にしゃべり、授業中も自分の話で割り込んできて話が止まりません。そのことでクラスで孤立しがちです。

 

でもその子は非常に博識であり、また人に認められたいという強烈なエネルギーをもっているとも言えるわけです。

 

またこれまで「自分の話ばかりしない」「人が話してるときは話さない」と「ない」にフォーカスして自分が指導してきたのが間違いだったと感じました。

 

その生徒は今友達が一人もいないということにとても悩んでいます。

 

「友達をつくる」という臨むべき状況を作るためにも「まずは人の話を最後まで聞く」「質問は授業中に1回まで(それ以外の質問は授業外で個別に)」という行動レベルに落として指導する必要があると感じました。

 

また例外という考え方も勉強になりました。

 

しょっちゅう遅刻してくる生徒がいるのですが、たまに遅刻しない時があるのです。もしかしたら注目すべきはこちらだったのかもしれません

 

そういう時に「今日はどうしてうまくいったのかな?」と話をすれば、本人の中でどうしたらうまくいくのか自分で解決策を見つけるきっかけになったのかもしれません。

 

何にせよ大人側がちょっと見方を変えるだけで大人も子供もだいぶ楽になるし、お互いにとってプラスになる考え方だと感じました。

 

今日も生徒がどんな強みをもっているのか、そんな視点を持って仕事できたらと思います。

 

それじゃ、行ってきます。

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