白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

一般人感覚をどう育てるか。

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うちの学校って他の学校で当たり前にある職業体験がないんです。

 

これについて私は

 

「やっぱり勉強の学校だからかなぁ?」

 

「他にもやらないといけないことが多くて時間の確保が苦しいのかなぁ?」

 

と思っていました。

 

でも先日、うちの学校にも以前は職場体験があったことが分かったんですね。

 

では、なぜ無くなったのか。

 

それは、うちの生徒の態度が良くないから。

 

職場体験はいろんな業種に子供達を派遣して清掃業務だったり、品出しをしたりするのが一般的です。

 

それが、うちの生徒は一生懸命やらないと。

 

なぜなら、こんな仕事に自分がつくわけがないと思っているからです。

 

ここに時間をかけるくらいならもっと別のものに時間をかけるべきだと思っている子が多かったようです。そして保護者の中にもそのように考える人もいて、不要論が高まったそうです。

 

お店からのNGも多くなり、協力先を考えるのが困難になりました。その結果最終絵的に無くなってしまったと。

 

これは、大きな問題だと思いました。

 

すでに中学生の段階から変なエリート意識が芽生えていること。そして、職業差別意識があるのがこのことからも分かります。

 

同時にこういう子達が大人になった時に本当にリーダーになれるのか、が私には大きな疑問なのです。

 

たまに政治家が一般人感覚を無視したトンチンカンなことを言って叩かれていますが、あれは本当に分からないのだと思います。だって経験がないから。

 

なので彼らのこの世間ズレした感覚をいかに修正するかというのは今後の彼らのためにもすごく必要な事なんじゃないかと思います。

 

保護者の方と話をしていても「他の学校でレベルの低いやり取りをさせたくないからここに入れた」という方もいます。

 

我が子にもっと力を伸ばしてほしいという気持ちはわかります。

 

ただ、本当に世の中で活躍できる人というのは、そういった普通の生活を経験してきた人も巻き込める人なのではないでしょうか。

 

 

このまま限定された層とだけ付き合って世の中に出ていくという教育がかえって子ども達の可能性を限定してしまわないか私は危惧しています。

 

子ども達が学校という場を通して学ぶのは学問だけでなく、そのような同じ空間にいる多様な家庭環境の子達から学ぶこともあると思うのです。

 

少なからず私は「あの子と付き合うのはやめなさい」とかそういう事は言わない親でいたい。

 

そんなことを思う今日この頃なのです。