白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

最近読んだ本を紹介します。

そういえば最近読んだ本について書いていなかったのでまとめて書いておきたいと思います。

 

みなさんの読書の参考になれば。

 

それでは行ってみましょう!

まずはこちらの奈良少年刑務所で書かれた詩集。

 

言葉っていうのはその人の思考を表します。ここに出てくる詩の一つ一つのなんと悲しいことか。

 

少年少女達のあまりに複雑な家庭環境が詩を通して伝わってきます。

 

少年法に対して「厳罰を与えるべき」という論調もあります。しかし、私は反対です。

 

その子が悪いとは思えないんですよ。この詩集を読んで改めてそう思いました。

 

世の中にはいろんな環境の子がいます。

 

そのことを知るためにもいろんな方に読んでほしい一冊です。

 

ありか

ありか

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次にこちらの瀬尾まいこさんの「ありか」。

 

母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。

 

子を持つ母の気持ちがよく伝わる一冊。


主人公の母親がかなり強烈。子育て中の家に夜中に押しかけて自分の愚痴をぶちまけていくような毒親でした。

 

いろんな家族の形がある中で、子を想う母親をもつことはそれだけで幸せなんだよなと考えさせられる一冊。

 

ちなみに「ありか」っていう言葉が作中に一度も出てこないので、このタイトルの意味を考えたんですけど。

 

やっぱり「自分(親)の存在意義は子ども達の中にある」ってことなのかなと思いました。

 

そして次はこちら。

 

高校球児をおったストーリーはたくさんありますが、その親達を追ったストーリーというのはなかなか見たことがありません。

 

この小説はそんな強豪校の高校球児を子供にもつ母親を描いた作品。

 

強豪校の保護者会ってめちゃくちゃな世界なんですよ。

 

それこそ親にも他校の保護者との会話禁止したり、学年が上の親に席譲ったり。

 

それでも子供達のために親も必死に耐える。その辺りが読んでいてとても苦しい。

 

しかしながら最後にはどこか報われてしまう。あまりにも不条理な世界なのに、そんな世界を美しいとも思ってしまう自分がいました。

 

全国で高校野球の予選が行われていることかと思いますが、その裏では必死に支えてくれる母達の存在がある。そんなことに気づかせてくれる素敵な作品でした。

 

次はこちら。一応教員なんでね。

 

印象的だったのは教員不足は日本に限らないということ。世界各地で教員の不足は起こっていて、優秀な教員の国をまたいだ移動が起こっています。教員不足は日本に限った話ではないわけです。

 

こう考えると「多忙化が一概に教員の倍率の低下を招いている」とも言えないんじゃないかと思ったわけです。(忙しくない国もあるはずだから)

 

確実に言えるのは資本主義のような金銭でフィードバックされるシステムにおいてはこの教育という世界はとてもコスパが悪いということ。

 

優秀な人間はもっと良い暮らしを望みますからね。抜本的な待遇の見直しが急務だと思います。

 

次はこちら。

 

生成系AIがあまりに台頭している時代にどう書いたら良いのか考えたくて読みました。

 

作者は朝日新聞の元記者。

 

短く切ったり、いろんな取り方ができないように校正したりと、とにかく文章の校正にこだわって伝わる文章を心がけている人。

 

そのこだわる姿勢にプロ意識を感じましたね。

 

ポイントとしては5W1Hを意識すること。

 

そして「文は短く」、「不要なものは徹底的に削ぎ落とす」こと。

 

単純に文章術として参考になりました。

 

 

つぎにこちら。

 

時間は金よりも大切だから、徹底して金よりも時間を優先せよという本です。

 

時間=命ですから、本来金より時間の方が大切なのは間違いないはずです。でもそこをなんとなくケチっちゃったり、判断をミスったりしてしまうのが人間なんですよね。

 

本の中で勉強になってのは時間をプレゼントするという考え方もあるということ。

 

「今日はもう帰って大丈夫だよ」

 

と後輩に声をかける時に、それは時間をプレゼントしているとも言えるわけで。プレゼントってのは物だけじゃないんだなと思いました。

 

また「仕事外で安易に連絡してはいけない(=時間を奪うことになるから)」ってのも激しく同意しましたね。

 

次にこちら。

 

エチオピアには酒を主食とする民族がいる」。そんな嘘みたいな話を日本人が追いかけて行くストーリー。

 

ネタバレになってしまいますが、アフリカには酒を主食とする民族が実在します。

 

デラシャという村にはソルガムという穀物を原料としたパルショータというアルコールを主食とする民族がいるのです。

 

これを子供も妊婦も飲む。それでいて健康状態には問題ないというのがなんとも興味深い話。

 

アルコールといってもドロドロとした飲み物であることが写真からも伝わってきます。

 

これはあくまで個人的な考えですが、アルコールそのものよりも西欧的な高脂質な食事だったり、精製された食品のほうがよほど体に悪いっていうことなんじゃないかなと。

 

いろんな意味で興味深い一冊でした。テレビの裏側なんかも見えて面白いです!おすすめ!

 

つぎにこちら。

 

今の一流の人はストイックでありつつも、新しいものをうけいれたり、人に押し付けたりしないゆるさがあると。

 

そんなゆるストイックな人になるためには何をすべきなのかを書いた一冊。

 

本の中ではまずこれまでの常識が古くなっていることを理解すべきと書いてありました。

 

古くなった昔の常識6つ

 

1 公正世界仮説

  努力は報われる→必ずしもそうではない

 

2 被害者意識

 周りのせいにする→自分にできることを考える

 

3 自己責任論

  すべて自分の責任→必ずしもそうとはいえない。自分や環境の影響を考える必要がある。

 

4      ゼロリスク思考

 リスクをゼロにして安泰に。→リスクが前提である。リスクがなければリターンもない。

 

5 ゼロ失敗思考

 失敗を避ける→失敗のプロになる

 

6 ロジカルシンキング思考

 合理的に考える→合理性にも限界はある。

 

20代からビジネスパーソンとしてどう生きていくかが分かりやすかったです。

 

ちなみに本によると18歳が身体の完成で、28歳が精神の完成(前頭葉の発達の終了)、そして38歳が生命的な寿命だそうな。

 

俺、死んでんじゃん。って思いましたね。若者は何者かになりたかったら焦れってことでしょう。

 

 

そしてラストはこちら。

 

タイトルからてっきりアンチエイジングに対するアンチテーゼを期待していました。

 

しかし、中身のほとんどが下ネタでびっくり。

 

みうらじゅん氏は1958年生まれ。もう70近いジジイです。にも関わらずエロに対する純粋な探究心が半端じゃない。

 

なんだこのジジイは。まさしくアウト老。

 

ゆるキャラ、老いるショック、老けづくりと独特のワードも魅力的。

 

人生を遊び続けるお手本的ジジイ。私もこんな亀仙人みたいな人になりたいなと心から思いました。

 

ということで最近読んだ本を一気に紹介しました!

 

皆様の読書の一助になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました!