教職者K

30代教員の日々の徒然。

中高一貫に勤めたからこそ分かった普通の市町村立学校の良さ。

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今回は中高一貫校で働いたからこそわかった、普通の中学校で働く良さみたいなものを教員の目線で書いてみたいと思います。これはあくまで教員として働く上で見えた良さになりますが、お付き合い頂ければと思います。

 

まず1つ目なんですが、市町村立の学校の方が保護者との距離が近いです。

 

市町村立の学校っていうのは、市町村の中に学校があるので、保護者との距離感がとても近く、保護者と協力して一緒になって子供たちを育てていくという感覚が強いです。

 

この前も成人式の時に送りに来たお母さんと話をして懐かしい話をして、「あの頃こうだったねー」なんて楽しく振り返る場面がありました。

 

一貫校の保護者は熱心な方がとても多いですが、どうしても物理的な距離が遠くなるため、保護者の姿が教員から見えないところがあります。

 

なので教員と保護者が一体になってみんなで子供たちを育てているっていう意識は市町村立の方がもちやすいと思います。

 

また部活動の練習試合なんかも距離があるからなんでしょうか。そもそもあんまり運動に期待してないんでしょうか。おうちの方も忙しい方が多いので、ほとんど観覧に人が集まらない。そういうのを見てると少し寂しいなと思ったりします。

 

2つ目は地域があるということです。市町村立の学校は地域のコミュニティーとしても非常に大事な場所になっているので、地域の方に愛されていたりする事が多い。

 

そういった部分も一貫校との違いです。一貫校は新しい学校が多いですし、子供たちもいろんなところから通ってきてるので、地域、地元っていう意識を持ちづらいのです。

 

地域のことを子供たちも知らないし、また地域の方々も子供たちのことを知りません。なかなか地元意識みたいなものを子供たちが持てないところもちょっと寂しさが残るなと思います。

 

なので、市町村立の学校はそんな地域に根ざしてるっていう強みを活かしていくべきだと改めて思いました。

 

3つ目が子どもが多様という事です。

 

市町村立の学校は子供たちが多様で、私はそれが面白い点だと思いました。やっぱり市町村立の方がやんちゃな子もいますし、障害のある子もいるし、家庭が経済的に苦しい子もいます。

 

しかし、そういう人たちが一緒にやってくのが本当の多様性なんじゃないかって思うんですよ。

 

中高一貫校に来れるような子達っていうのは家庭環境も恵まれていますし、学力もみんな高いですので、すごく個性的な子が多いですが、ある意味で均一です。

 

だから多様性っていう意味では、市町村立の学校の方が多様だと思っていますし、そういった中でいろんな能力を持った人間が組み合わせる化学反応みたいなものの方が幅があって面白みがあります。

 

実際に成人式の帰り道に教え子達と電車で一緒だったんですけど、学力も職業もバラバラな子達が一緒に二次会に行こうとしていて。「中学の友達とは多分一生の付き合いです」なんて言ってて、こいつら最高だなと思いましたね。

 

実際の社会の中でも色んな人間が繋がりあって一つのものを作り上げる事のほうが多いですから、私はそういう色んな人間で一つのものを作る体験の方が大事なんじゃないかなと思います。

 

最後になるんですが、これほんとに教員の目線でしかないんですけど。

 

中高一貫校の子供たちは教員に依存しません。

 

自分の能力が高いので大体のことでできてしまうわけですね。授業なんて教えてもらえなくても自分たちでやれるわけです。

 

依存しないっていうのはある意味で、教育の目標とするところなんですけど。でもやっぱり市町村立で働いていたときの方が教員として頼りにされるし、生徒たちとの距離感が近いし、教員として働く喜びみたいなものは、そっちの方が大きかったと思います。

 

もちろん今の学校は能力がすごく高い子たちが多いので、他の学校では絶対できないようなこともできますし、海外まで行ったりするなど普通の学校では体験できないような体験ができるので、それは喜びだとは思うんですけど。

 

でも中高一貫校に転勤して改めて市町村立の地域に根ざしてる学校って素晴らしいなって思いましたし、自分の子どもは市町村立の学校で全然良いなって思います。改めてそんな良さを思う今日この頃です。

 

今回の記事が皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。