白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

バレー界の藤浪

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バカリズム主演のイップスというドラマがやっている訳なのだが、私も今まさにイップス気味なので書いておきたい。

 

ドラマでは小説家が小説を書けない状態がイップスとして描かれているわけなのだが、私の場合はバレーボールのボールが出せないでいる。

 

きっかけは高校生の練習をつけ始めた事にある。

 

中学と高校ではボールの大きさが変わるので対象者によってボールをその都度変えて練習するのだが、高校生のボールを使って練習した後に、中学生にボールを出そうと思ったら、急に手にボールが当たらなくなってしまった。

 

大きいボールから小さいボールに変わった時にどうボールに手を当てていいのか迷い、腕の振り方が急に分からなくなってしまったのである。

 

打てども打てども、狙っているところにボールが行かない。

 

もちろん技能的には中学の頃から繰り返してきている動作なので当たり前に出来ていたことだ。

 

それがいきなり腕が振れなくなってしまったのである。

 

「あれ?どう打ってたっけ?」という感覚。自分の腕が妙に強張ってくる。

 

初心者の場合はフォームを固めるためにも指導者の出すボールの正確性が重要なのだが、ちゃんと出さなくちゃと思うほどにボールが変な方へ行く。

 

競技は20年以上やっているが、素人みたいな球筋になってしまう。子ども達も「全然取れないんですけど」みたいな顔するので余計に焦る。考え始めるともうまるでダメ。

 

少し打ち始めて「おっ今日は打てるかもな」とか考え始めたらダメになり始める予兆だ。少しずつ手が強張ってきて思うように動かなくなっていく。

 

不思議なもので正確に出そうと思わなければ打てるのである。だから最近はワンタッチボール出す技術として左手を噛ませて挟み込むように打つやり方があるのだが、ひたすらそれで誤魔化しながらボールを出している。

 

多分みんな「なんでこいつワンチばっか出すんだ」と思ってると思う。ごめんよ、打てないんだわ。いやマジで、ふざけてないから。

 

もしくは困ったらもうボールを投げてしまってなんとかしている。そのうち投げることも難しくなるのかもしれないと思ってハラハラしているところである。

 

ちょっと調べたところによると、これは脳の誤作動なのだという。

 

練習が度を越すと、脳から体への伝達がうまくいかなくなり、意図通りの動きができなくなるらしい。

 

私は以前ダーツにハマっていた時期があるのだが、やたら練習していたところ、あの時も最終的に的にすら当たらなくなり、それ以降触らなくなってしまった。

 

多分何かとのめり込みやすい私の性格はイップスを引き起こしやすいのだと思う。

 

そういうこともあってか、私はニュースで報道される藤浪晋太郎の成績が妙に気になるのである。

 

2メートル近い長身。中学で140キロをマークする圧倒的な強肩。

 

にも関わらず制球に苦しみ続けている彼を見ると、ずっとイップス気味なのではないかと私は勝手に思っているのである。(違ったらごめん)

 

私がやるスポーツは趣味程度のものだが、そこに生活が掛かっていると思うと、彼が抱えているプレッシャーは相当なものだと思う。

 

負傷者リストにも入り現役引退も囁かれている彼だが、どんな風に乗り越えようとしているのだろうか。

 

私は自分自身を重ねて藤浪を見ているのである。