
今回は、学校で取り組んだ「朝鑑賞」について紹介します。
朝鑑賞とは?
「朝鑑賞」は、朝の短い時間を活用し、アート作品を鑑賞することで子どもたちの思考力や表現力を育てる取り組みです。
やり方
1. アート作品を提示し、1分間じっくり見る。
2. 発問を行い、子どもたちの意見を引き出す。
• 例:「何が見えますか?」「タイトルをつけるとしたら?」「季節や時間帯はいつ頃?」など
3. 発言を否定せず、深掘りする。
• 「どこからそう思ったの?」「具体的に言うと?」と問いかけながら考えを広げる。
岡本太郎『森の掟』を鑑賞してみた
今回は、岡本太郎の『森の掟』という作品を取り上げました。
子どもたちの反応としては、
• 作品を見せた瞬間、食い入るように鑑賞。
• 次々と手が上がり、活発に意見が飛び交う。
• 「ああ!」「確かに」という共感的な反応も。
作品の中央には、ジッパーのついた大きな生物が描かれています。
• ある子は「これは中に人が入っているように見える」と推測。
• 別の子は「これは凶暴な犬だ」と主張。
どちらの意見にも共感の声が上がっていました。
また、「タイトルをつけるなら?」という発問では、 目の表情や全体の雰囲気から共通点を見つけ出し、「怒り」というタイトルをつける子がいました。いかにも数学が好きな子らしい、因数分解的な発想だなと思いましたね。
とにかく子供達が集中して意見を出すので、10分間という短い時間でしたが、あっという間に過ぎていきました。
朝鑑賞をやってみて感じたこと
① 抽象画は子どもの発言を引き出しやすい
リアルな絵(犬や果物など)よりも、意味が曖昧な抽象画のほうが、子どもたちは自由に発言できると感じました。
② タイトルがわかりやすい作品が良い
例えば、ピカソの『アビニヨンの女たち』のように、タイトルが馴染みのない言葉だと考察が深まりにくいかもしれません。
タイトルにヒントがある作品のほうが、子どもたちの気づきが生まれやすいと感じました。
③ アートは「正解のない学び」
アートの鑑賞には唯一の正解がありません。そのため、誰でも自由に意見を言える場が生まれ、平等に思考を深めることができます。これは、子どもたちにとって大きなメリットだと感じました。
④ 視点を広げる工夫
以前読んだ『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』という本では、視覚障害者の白鳥さんと美術館を訪れ、言葉で作品を説明する面白さが描かれていました。
(この本を取り上げた記事はこちら)
このアイデアを活かし、例えば…
• 半数の子どもに目をつぶらせ、もう半数が言葉だけで作品を説明する。
• その後、実際に作品を見てもらい、想像との違いを話し合う。
こうした取り組みも、面白い学びになるのではないかと感じました。
また発展的な活用方法として、
• 学年、学校全体で共通の作品を鑑賞し、廊下に掲示する。
それによって学年やクラスを超えた生徒の交流が生まれる可能性もあると感じました。また鑑賞を朝の楽しみにすることで、遅刻の減少につながるかもしれません。
まとめ
「朝鑑賞」は、短い時間で子どもたちの思考力を刺激し、自由な表現を促す素晴らしい取り組みでした。私自身も、子どもたちの発想に驚かされる場面が多く、教員として学ぶことが多かったです。
このように教員も平等な立場で正解のない問いに取り組める良い活動なのではないかと感じます。
新年度も続けていきたいと思いますので、ぜひ皆さんの学校でも試してみてください!
読んでいただき、ありがとうございました。
