白眉最良

教員が書く日々のあれこれ。

子どもがリストカットしたときに、大人としてどう対応すべきか。

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今回は少し重たいテーマですが、とても大事なことについて書いてみたいと思います。

 

 

それは 子どもがリストカットをしたときに、大人としてどう対応すべきか ということです。

 


学校で生活していると、子どもたちの心が不安定になる場面に出会うことは少なくありません。

 

家庭の事情や自己肯定感の低さなどから、自分を傷つける行動に走ってしまう子もいます。そんなとき、大人としてどう接するのが正しいのか、迷うことは多いと思います。

 

 

「不謹慎な行動」に隠された意味

子どもたちの行動の中には、大人から見ると「不謹慎」に見えるものが存在します。

 


例えば、東日本大震災のあと、被災した子どもたちが「津波ごっこ」をしていたという記録があります。

 

当時の子供達は避難所で津波の真似をして遊んでいたのです。

 

大人の目には不謹慎に映るかもしれませんが、実はそれは自分がコントロールできるものとして体験をやり直し、心を回復させようとする行為 だったのです。

 


同じように、性的被害を受けた子が、自分から性行為を繰り返すことがあります。

 

それもまた「自分が主体的にコントロールできるものだ」と心を落ち着けるための行動です。

 


つまり、一見理解できない行動にも、子どもが自分を治癒しようとする意味 が隠れているのです。

 

 

リストカットの背景

リストカットも同じです。最初は強い痛みを伴いますが、繰り返すうちに脳内で快感をもたらす物質が分泌され、一時的に気持ちが晴れる感覚が得られるといわれています。

 

だからこそ、単純に「やめなさい」と禁止しても解決にはつながりません。

 

むしろ拒絶された印象を与えてしまい、逆効果になることもあります。

 

大人にできる対応

 

では、リストカットをする子に対して、大人はどう関わるべきでしょうか。

 


①無理に止めない
強く否定せず、まずは受けとめることが大切です。


②安心して話せる環境をつくる
「心配だから、また何かあったら教えてね」と声をかけ、本人が話せる場を繰り返し持つことが重要です。


③受容の経験が癒しにつながる
大人に受け入れられ、安心できた経験が、少しずつリストカットから抜け出すきっかけになります。

 

まとめ

精神的に不安定な子どもは確実に増えてきている印象があります。

 

そんな中で、大人が子どもの変化に気づき、適切に寄り添うことがとても大切です。

 


もしかしたら、あなたが気づくことがその子にとっての「最初の救い」になるかもしれません。

 


今回の記事が、子どもに関わる大人の皆さんの参考になれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。