最近読んだのがこちら。
私が好きな山口周さんによる新刊です。
これ面白いです。これまで企業に用いられてきた経営戦略を人の人生に当てはめた時にどんなことをしていくべきなのか教えてくれる一冊です。
では私が勉強になったところを簡単に要約していきましょう。
アリストテレス的人生を送れ
まず本書の中では人の人生が二極化してきていると述べられています。
『残酷な社会ゲームを生き残り、経済的・社会的成功を手に入れろ(マキャベリ的人生)』
『経済的・社会的成功の虚像に囚われず、自分らしく生きて本当の豊かさを手に入れろ(ルソー的人生論)』
この二つです。しかし、経済的な成功が幸福につながるとは言えず、かといって経済的な背景無くして送る本当の豊かさというのもまた虚像だと言えます。
なので
自分らしく生きることと経済的・社会的に成功することの両立を目指す(アリストテレス的人生)
をここを目標にすべきだとしているわけですね。
そしてこの実現を目指す上で経営戦略を用いていこうというのが本書の主張になります。
ライフサイクルカーブ
経営の世界には導入期・成長期・成熟期・衰退期というものがあるそうです。
いうなれば「タピオカが認知され始める→至る所にタピオカ店ができる→もの珍しさがなくなって飲まれなくなる→店が閉まっていく」みたいな流れでしょうか。
山口さんはこのサイクルを人生の場合は「春夏秋冬」に当てはめて考えているわけです。
導入期→人生の春。〜20代 とにかく試す自分の得意不得意を知る。
成長期→人生の夏。30代〜40代。ここと決めたところに自分の時間や労力を集中させ、知識やスキルといった人的資本と、信用・評判といった社会信用を築く。
成熟期→人生の秋。50代〜60代。人生の夏において築いた人的資本と社会的資本を足がかりにして本業以外の領域に仕事のポートフォリオを広げる。
衰退期→人生の冬。70代。これまでのアドバイスをもとに後進にアドバイスを与えていく。
これらの時期に応じた合理的な振る舞いが必要であるとしています。しかし、これらについてはあくまで目安であり、長寿化が進む現代ではこれに限った話ではないとも。
まぁ確実に言えるのはいつまでも自分の得意不得意を試す人生ではだめだし、ずっと与える側もまた違うかなと。その時にすべき行動を取れるのかっていうのは結構大事なことかもしれないと思いました。
どの仕事を選ぶべきか
さて、人生を経営戦略を考えた時に、どんな仕事や企業を選ぶべきでしょうか。
本書の中で企業の価値は
◯競合との競争
◯新規参入の驚異
◯代替品の脅威
◯顧客の交渉力
◯売り手の交渉力
によって決まるとしています。そして昔はテレビ業界がこれら全てにおいて優位に立っていたので非常に給料が良かった。しかしながらインターネットが登場し、みんなが様々な媒体から情報を取れるようになったことでこの構図が壊れたわけです。
このように仕事というのは『しかるべき時にしかるべきところにいること』が重要だと。また人材の価値は「需要と供給」で決まるので、供給の少ない業界で勝負することが大事なんですね。
例えばプログラミングの人材が給料高いのは世界の需要に対してできる人が少ないから。かといって今からプログラミングを目指してももう大分増えてきているでしょうから、苦しいんでしょうね。
だから自分のいる場所が競合他社が少ない場所なのか、また今後多くなりそうな時は、10年単位で移ることも必要だとしています。
頑張るは楽しむには勝てない
さて本書ではパフォーマンスを上げる上では「楽しむ」ことが重要であるとしています。
確かに私の教え子たちを見ていても、抜群にできる子たちはもう数学が好きで好きでたまらないんですね。気づいたら数学の参考書を手に取ってるぐらい。
一方で苦手な子は何時間も頑張るんですが、やはり成績はなかなか上がってこないし、苦しい時間だけが続きます。だからこそ「楽しめているか」は重要ですし、本書ではその見つけ方として「長く続けられるか」を挙げています。
確かにどこかで断絶してしまうことでパフォーマンスが上がらなくなるんですよね。なので自分は何を続けてきたのか? を見返すことは非常に大事だと思います。
バーベル戦略
バーベル戦略っていうのは「安定的だけど大化けするリスクのない仕事」と「不安定だけど大化けするリスクのある仕事」を組み合わせること。
アインシュタインもこの考えを大切にしていたそうな。
例えば教員だったら普通の学校の生活は安定してますから、もう一つリスクのあるものを掛け合わせることが大切ってことでしょうね。
私もずっとブログを書いてきましたけど、方向的には間違ってないんだなって思いました。
打率よりも打数
またその際にはとにかく数打つことが大切だと。エジソンも1000以上の特許を取得したにもかかわらず、ビジネスに繋がったのは20〜30と言われているそうです。
単純に打数が増えるとその中の「特に優れている」とされるものの数が増えるということ。
だからとにかくガラクタを生み出す覚悟をもってバンバン打席に立つってのが人生の上では大切なんですな。
ベンチマーク
ベンチマークとは「他社の模倣」のこと。やはりうまくいっている人の模倣をするのは企業にとっても大事なことだそうで。
とにかく素直に他人の良いところを真似できるか、その素直さがあるかどうかが成功するかどうかの分かれ目とのことです。
絶対優位の法則
本書の中で面白かったのがアメリカチャンピオン艇の話。
レースで圧倒的な強さを誇っていたアメリカの船は2位にオーストラリアの船につかれている状況で最終日を迎えます。
迎えた最終日、予報の風を見ながら、オーストラリアの船は一発逆転をかけて推奨されるものとは違う別の進路を取ることを決めます。
この時アメリカの船は
①現時点で最適とされるコースをそのまま進む
②オーストラリアと同じ方に舵を切る
のどちらかを選ばないといけなくなりました。皆さんはどちらを選びますか?
①の進路をとった結果、風向きが代わり、オーストラリアの船に逆転を許してしまったのです。
しかしこの時②を選択していたらどうだったでしょうか。②なら進む速度は同じになりますから、リードがある分アメリカが優位になります。
つまり、②を選んでいれば絶対に勝てたのです。
こんな風にどちらを選んでも勝てる方を選ぶこと。それを考え抜くだけの頭脳があること。それが重要みたいですね。
まとめ
とにかく面白いのでおすすめです。
個人的には「これから自分の人生をどう経営していくか?」ということを考えたくてこの本を読みましたが、「教員という仕事を続けつつ、ベンチマークを意識しながら文章を書く時間と回数を増やしていく」といった自分なりの答えを見つけることができました。
きっと他の人にとっても自分の人生の指針が見つかる一冊なのではないかと思います。
誰かの参考になれば幸いです。読んでいただき、ありがとうございました!
