白眉最良

中学校教員が書くエッセーのようなもの。

初心を思い出すためにも目的の確認と挨拶を大切にしようぜっていう話。

質問に答えられず考えてしまうインタビュー初心者

先日私が勤める中高一貫校で入試がありました。

 

そこに来る小学6年生達の姿がとても立派でした。筆記試験に取り組み、一生懸命に自分の取り組みを面接で話す。合格に向けて必死に準備してきたことが伝わってきました。

 

その姿を見ていたら、今の中学生はたった1年でその初心を忘れてしまっていることを感じました。

 

最初はとても張り切っていた子達ですが、少しずつ授業に集中できない子も出てきている。また校則違反や生徒指導案件も増えてきました。

 

初心をいかに忘れさせないか、というのは安心・安全な学校生活を送っていく上で欠かせないものであるように思うのです。

 

そこで参考になったのが、この劇団四季に所属されていた方が書いた本。

 

スピーチの本ですが、その中の劇団四季の様子が勉強になりました。

 

私は劇団四季時代に人気ミュージカルの『ライオンキング』に出演していました。劇団四季で20年以上も上演を続けているロングヒット作です。なぜロングヒットするのかというと、何千回同じ舞台をやろうが必ず「なぜ話すのか?」に立ち返り「毎日が初日」と思って出演者たちが舞台に臨んでいるからです。

 

例えば『ライオンキング』で先ほどの「あぁ…美味しい」という言葉を観客に届けるとしましょう。連続して舞台に出演を続けている俳優は、セリフを完全に覚えてしまっていて、何も考えなくても言葉が出てくる状態です。もし、このままの意識で幕が上がると、その舞台は学芸会レベルに成り下がり、徐々に観客は劇場から去っていきます。

 

それを防ぐための習慣が、「『なぜその言葉を発するのか?』を台本の余白に書き込んでおいて、上演前に毎回チェックすること」です。

 

「おこづかいを1年間ためて、新幹線に乗って地方から劇場に来ている子どもが客席にいるかもしれない。客席にいる観客の人生には、一人ひとりそういった背景がある。もし出演者が慣れたところでやったら、その子供の努力を裏切ることになる。自分たちは舞台に立つことが日常でも、お客様にとって舞台鑑賞は非日常。だから、出演者は舞台に出ることに絶対に慣れてはいけない。毎日が初日」

 

日常で行う「挨拶」が徹底されていたこと。相手の目を見て、自分の大切な宝物を相手にプレゼントするかのように「おはようございます」と伝えることを、何よりも大切にしていました。毎日、正確に再現することをトレーニングにするほどでした。

劇団四季のような同じ内容を繰り返す劇団にとって慣れは芝居の新鮮さを落とす大敵であるようです。そのことを防ぐためにセリフの目的を確認したり、お客さんの背景を考えたり、挨拶を徹底しているようです。

 

プロジェクトマネジメントでも書きましたが、やはり目的の確認というのはモチベーションの確認の上でも重要なようです。

【プロジェクトマネジメントの話はこちらから↓】

suno200002000.hatenablog.com

私の学校に転用させるなら、「なぜこの学校に来たのか?」を改めていろんな場面で問うことが有効かもしれません。

 

ダレてきた時期に学年集会で話す、また節目にはなぜこの学校に来たのかを書かせるなんて言うのも良いでしょう。入試がない学校でも「その部活を選んだ目的」とか「勉強する目的」というアプローチであればできると思います。

 

また倍率5倍近い本校の入試ではほとんどの生徒が入試で落ちています。小学3年生くらいから塾に通い、必死に努力してきても、受かるのは5人に一人です。

 

今の自分の姿は、落ちた人たちに見られても恥ずかしくないものか。そんなことを生徒には問いたいと思いました。

 

そして最後に挨拶。読んでいてハッとしました。うちの中学生たちも入学してきた最初の方がよほど挨拶が立派でした。

 

初心を忘れて慢心している姿は挨拶に出るのかもしれません。

 

人とのコミュニケーションとして挨拶の重要性が語られることはよくありますが、初心を忘れないためという効果もあるのだと感じました。

 

改めて挨拶から見直し、初心を取り戻すようにこの話と絡めながら生徒に伝えようと思っています。

 

同時に私も初心を忘れていないか。毎回同じ授業で鮮度を失っていないか。

 

挨拶はちゃんとしているのか。

 

自分自身を振り返りながら実践に当たりたいと感じました。

 

【追伸】

実際に学年集会でこの話を生徒にしました。その後担任の先生からも「主任から挨拶の話が合ったけど、改めてちゃんとしよう」という話をしてくれたようです。

 

その時に一番大きい挨拶をしたのはここ最近私が生徒指導上で一番気になっていた生徒だったそうです。私の言葉が少しでも生徒を動かせたのだと思ったら嬉しかったです。

 

必ず伝わると信じて教育活動に当たりたいものだと思いました。

 

皆様の参考になれば幸いです。読んでいただき、ありがとうございました!

 

【行事の前に子供たちに伝えたい話はこちらから↓】

suno200002000.hatenablog.com