
私は練習試合が終わった後、必ず生徒同士にミーティングを持たせるようにしています。
次の日でも、その日のうちでもいいのですが、とにかく早い段階で話し合うことを重視しています。
その理由がいくつかあるので整理してみたいと思います。
① 限られた時間で練習の質を高める
今の時代、子どもたちは習い事や学業でとても忙しく、全員が毎回の練習に参加できるわけではありません。特にうちのような進学校はみんな外部で何かしらの習い事をしているので人が集まりません。
だからこそ、短い時間で集中して取り組む必要がありますし、自主練に取り組んでもらう必要があるのです。
そのためには「自分の課題を明確にすること」が不可欠です。
練習は、できないことをできるようにするための時間。何が課題か分かっている状態で臨むのと、分からないまま適当にこなすのとでは、上達のスピードが全く違います。
試合後のミーティングは、その課題を整理して、次回の練習を濃くする場として非常に有効なのです。
② 自分たちで課題を見つけると前向きに取り組める
人間は「言われたからやる」よりも「自分で気づいて選んでやる」ほうが意欲的に取り組める生き物です。
私から「ここが課題だよ」「こう直してね」と伝えることもありますが、生徒自身が「ここができていないから直そう」と前向きに言葉にしたとき、取り組み方は格段に変わります。
また、同じ内容でも私が言うより、ちょっと上の先輩から言われる方が心に響くケースも多いです。
同年代に近い言葉や空気感で伝えられるからこそ、理解しやすく納得感があるのだと思います。
こうした「仲間の声」を活かせるのも、ミーティングの大きな価値です。
③ コートの中だからこそ分かることがある
最後に、これがとても大事な点です。
私はバレーボールの経験者としてチームの課題には気づけますが、実際にコートでプレーしている子どもたちだからこそ感じ取れることがあります。
例えば、
・トスの高さが微妙に合わず、打ちにくさを感じていた
・自分の声かけに対して周りの反応が薄く、モチベーションが下がっていた
こうした情報は外から見ているだけでは分かりません。
選手同士で共有されることで、チームの雰囲気や課題解決のスピードが一気に高まります。
④ チームの成長を加速させるために
練習試合を組むのと同時に、試合直後の短時間ミーティングを必ずセットにする。
これを習慣化することで、
・練習の質を高める
・自分たちで考える力を育てる
・コート内のリアルな感覚を共有できる
といった大きな効果が生まれます。
またそのような場で意見を言うことによって、「もっとベンチからも声が欲しい」などの意見が出てくれば、補欠の生徒にも役割がある事がはっきりしてきます。
そうやってチームとしての一体感が生まれてくるわけですね。
おわりに
試合後のミーティングは「強いチームづくりへの近道」だと私は考えています。
ほんの短い時間でも構いません。子どもたちが自分の言葉で振り返り、仲間と意見を交わすこと。
それこそが成長を加速させる原動力になるのです。
今回の記事が、指導に携わる方やチームづくりに悩んでいる方の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。