昔はよくやったけど、今はダメなもの、ダメになりつつあるものに卒業文集のランキングがあるのだと気づいた。
詳しくは書けないが、今まさに卒業文集を作っているのだが、子供達が仕上げてきたものに対して最後の最後でノーが突きつけられた形だ。
私自身も見ていて「これくらい大丈夫だろう」と思って流していたのだが、今の時代はもうそうではないらしい。
例えば定番の「結婚が早そうな人ランキング」に対してもそう。
「ジェンダーに配慮してるのか!」
「性自認が違ったら責任取れるのか?」
とクレームが飛んでくる可能性があるわけである。
学校としてはこういう火種になりそうなものはできるだけ避けたい。そうなるとどこまでならOKなのか。質問の選定がかなり難しいのである。
「アイスの蓋の裏舐めてそうな人」
→貧乏性ってこと?汚らしいってこと?
はい、不適切。
「牛丼屋で特盛頼んでそうな人」
→女子がなったら失礼じゃない?女子は食べちゃいけないの?はい、不適切。
「よくイオン行ってそうな人」
→特定の企業名出していいの?他に行くところないって事?はい、不適切。
「車のシートのビニールずっとつけたまま乗ってそうな人」
→ダサいってこと?古くさいってこと?はい、不適切。
となってまぁどれも苦しいわけである。
結果的にはすごくマイルドな問いしか通らなくなる。
「笑顔が素敵な人」
「良く本を読んでいる人」
「朝早く来て勉強してる人」
とかそういう当たり障りのない、マイナスに捉えようのないものである。
結果的に誰も傷つかないものっていうのはなかなか面白味にも欠けるわけで…。
ようは、
人を序列化するランキングっていう形式が現代社会だと不適切
だと気づいたわけである。
やるとしたら人物名を出さない形。クラスの思い出の場所、思い出の出来事ランキングみたいなものぐらいが適切なのだろう。
子どももすでに書いてきているので、大幅に質問をマイルドにして、更に書いたものに対して最終的に名前を出された子から了承を取ってからしか掲載出来ないと思っている。
今その最終確認でてんやわんやの状態だ。
学校としてはクレーム処理に時間をかけたくないからどうしても無難なものにしか許可が出せなくなる。
あれこれ規制されてテレビがつまらなくなった理由がよくわかった。でも誰も傷つけないためにはそういう配慮が必要なのである。
難しい時代だなと卒業直前になって思っている次第である。
この私の経験を活かし、これから卒業生を出すという人は気をつけてほしい。
そのランキング、不適切かもしれませんよ。