教職者K

教育について考えるブログ。

卒業と私。

卒業式の後に記念撮影をする教師と教え子

2月になり,もうすぐ卒業式が迫ってきている。

 

学校では,今年も卒業式に向けた準備が始まっている訳である。

 

教員という仕事は,この日のために仕事をしているといっても過言ではないと思う。

 

教え子との最後の別れである非常に重要な日。

 

義務教育を終える最後の日として,私は毎回この日を迎えるたびに「なんだかんだで、いい仕事だな」と思わされてしまう。

 

だからこれから教員になる人には,「しんどいこともあると思うけど,まずは自分で卒業生を出すまで頑張ってみて」と言いたい。

 

この道でこのままやっていくのか,途中で道を変えるのか。それを考えるのはそんなこの仕事の醍醐味を知ってからでも遅くないと思うのだ。

 

そんな大切な卒業式なのだが,今年も私は卒業生を出すことになる。

 

しかし,どうだろう。

 

なんだろう,今年に関しては……

 

 

 

気持ちが今までのように乗らないのが正直なところなのである。

 

理由は明白だ。

 

中高一貫で来年もいるからである。

 

なんならもう3年間子ども達はいるわけで。

 

それゆえにいまいちテンションが上がらないのである。

 

これまでだったら様々な準備をしていく中で,「この子達とはもう一生会えないのかもしれないな」と思うことがあった。子ども達は毎日通った校舎を離れそれぞれの人生を歩んでいく。

 

なんなら卒業式での姿が私にとってその子の最後の姿になることもある。毎日当たり前だった日常がいかに幸せだったか。そのことに気づくのもまた卒業式なのである。

 

しかしどうか。今回は卒業しても上の階にいる。校舎も一緒。うーん,どうなんだ,これ。

 

「もうすぐあの子たちが卒業しちゃうと思うと寂しい…」

 

同僚がそう言いながらセンチメンタルになっている時も,

 

私は神妙な顔でうなづきながら,内心では

 

「(でも上の階に居ますよね……?)」

 

と思ってしまっているやなヤツなのである。

 

更にやっかいなことに私以外は皆勤務歴が長い人ばかりなので,誰もそんなことは思っていないようなのだ。

 

私だけがこの卒業に違和感を感じて居る状態なのである。

 

更に厄介なことに熱量の高い先生が多い分,要求されるものも大きく,先日は男性陣の袴着用をお願いされたので全力で拒否しておいた。

 

私はこれまで3年間もった子たちですら袴を着たことがないのである。

 

大変申し上げにくいのだが,私は教員が袴を着ている姿を見たことで,嬉しいと思った記憶がないのである。(冷めたガキで本当にすいません!)

 

「そういうもんなんだな」

「あぁいうのが着たかったんだな」

 

ぐらいにしか思わなかったのが,クソガキである私なわけで。

 

周りとの熱量の差にどんどん自分てダメな奴なんじゃないかと思い始めているのである。

 

ファーストスラムダンクの赤城のことを小ばかにする嫌な先輩みたいになっているのではないかと自分でも思う。

 

なんだろう,これまでのように純粋に気持ちを高めていけない自分が,今少しだけ辛いのである。

 

もちろんプロなので一切見せないように細心の注意を払っているのだが,どこか冷めている自分がいるのも事実である。

 

そしてどんな言葉を贈るにせよ,映像を作るにせよ,モチベーションこそが作る原動力になるわけだが,今の私の低いギアのままでは,何も伝わらないものになってしまわないかが心配なのである。

 

残りの二か月,自分の心境がどう変わっていくのかにも注目してみたいものである。

 

本日も読んでいただき,ありがとうございました!