教職者K

教育について考えるブログ。

みんなのモチベーションを上げて良い学校にしようぜっていう話。

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やたら細かく指示を出してくる上司っていますよね。本人は良かれと思って言ってるんでしょうけど、はっきり言って素直に聞けない人が多いと思います。

 

人間ってやっぱり人から言われて動くってすごくモチベーションが下がるんですよね。自分に決定権がないことが意欲を下げてしまうんですよ。

 

『内発的動機づけ』と『外発的動機づけ』っていう言葉があって。自分から湧き上がってくる内発的動機づけの方がモチベーションを持って仕事や学習に打ち込むことができると言われている訳です。

 

その点で人に何かを言ってやらせるっていう外発的動機づけによる動かし方は、人のモチベーションを下げてしまう可能性があるので、気をつけなければいけないと思います。

 

特に管理職は部下のモチベーションを上げる事も仕事の一つです。部下が成果を上げればそれは上司の成果になるわけですからね。なので、どうやって部下のモチベーションを上げて動いてもらうのかはよく考えなければなりません。

 

その点で私が尊敬しているある校長先生のやり方はものすごくモチベーションを上げる上でも有効だったと思うので、紹介させてもらいます。

 

その校長先生は職員会議で最初にテーマを挙げます。例えば「子供たちの思考力を高めたい」のようなテーマだけを与える。そしてそれぞれの分科会で職員たちに何ができるかを話し合ってもらう訳です。

 

授業づくりではこんなことができるんじゃないか、とか生徒会の活動ではこんなことができるんじゃないかってみんなが話し合います。

 

そうやって、自分たちで考え出したことですから、職員たちは意欲的に自分たちが出し体験に基づいた活動に取り組むことができるわけです。

 

その時の職員たちが一生懸命話す姿がすごく嬉しかったようで、その校長先生は毎回の職員会議の度にケーキを買っていって。みんなに話し合いをしてもらいながら、その様子をニコニコしながら見ていたというのです。

 

自分にとっても非常に楽しい時間だったとおっしゃっていました。職員会議の連絡伝達は出来るだけ別で済ませ、このテーマに基づいた意思決定に時間を使っていたとのことです。

 

私もこのように管理職の層っていうのはビジョンだけ与えて、あとはそのアプローチの仕方っていうのは下に任せてしまう方がモチベーションを高める上で、すごく有益なんじゃないかって思っています。

 

なので、今の自分の勤務校でもそのやり方を自分の見ている子供達に応用しています。

 

私の今いるところは進学校ではあるんですが、制服の着方が乱れていたり、時間にルーズだったりする子も見受けられます。

 

なので、月の初めに「遅刻を減らす」という感じでこちらでテーマを設定して、それに付随して委員会の子たちに何かできるか考えさせたりとか、部活動の部長を集めて何かできないか考えてもらうようにしました。

 

そうやって、自分たちで考えてもらうっていうことが動く上でのすごく大事なモチベーションになるからです。

 

これによって生徒の中からクラスへの声がけが生まれるようになって来ました。担任の先生達からも「私たちが言うと生徒と対立の構図になりがち。でも、これが始まってから生徒の中から声が上がるようになったので、とてもありがたい」という声も聞こえて来ました。

 

生徒がクラスの中で声がけをしたりするなど活動をするには根気と勇気が必要です。だからこそ、「自分が提案した事だからやらなくちゃ」という動機づけが必要なのです。

 

我々は人に教える仕事なのでどうしても効率を優先して教え込んでしまう場合があります。

 

でもできるだけそうしないような方法で、モチベーションを上げて本人の中の動機を引き出すっていうのが全体のパフォーマンスを上げる上ですごく大事なんじゃないかって思うので書いておきます。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただきありがとうございました。