教職者K

教育について考えるブログ。

ここが凄いようちのボス。

 

f:id:suno200002000:20220326201944p:plain


最近このブログを読んでいるというピタさんという方からメールもらいましてね。

 

前に書いた学活のデータくださいっていう内容だったんですわ。

 

suno200002000.hatenablog.com

 

全く知らない私みたいなもんにメールいきなり送るピタさんの行動力凄いなと思ったんですけどね。

 

さらにピタさんから

 

「やり手の校長先生についてもっと教えて欲しい」

 

っていうリクエストまでいただきましてね。(欲しがりますね~!)

 

確かに今のボスは私が過去出会った校長の中でも断トツで出来る人なんですよ。

 

今の学校でボスから学んだことはとても多いので,私の備忘録としても書いておきたいと思います。

 

題して,「ここが凄いようちのボス」です。どうぞお付き合いください。

 

成功率を上げる

まず成果をあげるためにやってることなんですけど,色んな取り組みの中で分かりやすいのはダンスかなと。

全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール

これ文科省主催でかなり大きい大会なんですね。しかも勝ち進むと芸能人なんかにも会えるので,子ども達は相当喜びますし,自信をつけます。

 

取り組み始めてからわずか2年ですが,すでに全国大会まで出場させているので,これはもう間違いなく成果と言えますね。

 

またそういった成果をメディアを通して発信することにも余念がありません。

 

こういったプラスを作る取り組みをまずしていますね。

失敗率を下げる

そしてプラスを作る作業以上に凄いと思うのが,マイナスを作らないこと。

 

学校では報道にもあるようにいじめの問題だったり,自殺だったり,教員の不祥事だったり色んな問題が起こります。

 

そういったことが起こると,他にどんなに良いことやっていても一気に信用を失ってしまうんですよね。

 

いわば不祥事はマイナスの掛け算なわけです。

 

なのでうちのボスはそうならないためにも徹底したリスク管理をしています。

 

例えば生徒指導案件だったり,不登校生徒への支援で甘いところがあれば,会議の段階で徹底的に詰めまくります。

 

「ここどうなってんの?」

 

「なんでそうしたの?」

 

「こういう可能性は考えられないの?」

 

「ここの聴き取りどうなってんの?甘くない?」

 

そうやって一つの案件に対して細かく質問していって,担当者が答えられないと「はい,もう一度最初からやり直してきて」となります。

 

ここはもう本当に厳しい。我々が気づかないような穴でも見つけますからね。

 

もしいじめ問題が発覚した際には学校がどういう対応をしていてのかが問われますから,その対応が学校として誠意を尽くしたものになるまで徹底して審議を行います。

 

他にもニュースから学校での事故や失敗例を引用したり,他の学校で不祥事が起きた際には新聞記事をコピーして全職員に配布したり。

 

あらゆる手段を使ってマイナスを減らす努力をしていますね。

 

まぁそこまでやっても起こるのが不祥事であり,事故なんでしょうけど。

 

ただそこまでに責任を果たしていたのかっていうのが管理職としての責任が問われるところなんでしょう。この辺の細やかなリスク管理は本当に勉強になります。

教員へのスキャフォールディング

スキャフォールディングというのは教育界で使われる言葉なんですけど。「足場掛け」みたいな意味でしてね。教師などの支援者が一時的に支援することで、学習者に問題解決の力をつけてもらうことを指します。

 

ボスはこれを教員に対してやるわけですね。

 

例えば先に書いたようなダンスの場合,ボスがやりたいと思ったとしても,ほとんどの教員はダンスなんて出来ません。

 

それなら先進的な学校に行って練習を見学できるように手配したり。

 

新しい学習指導要領に基づく評価ができるように講師を呼んだり。

 

研究に関する資料を集めて来てくれたり。そういう足場掛けを提示してくれるわけですね。

 

そしてそういった足場を作ってもらえれば教員は出来るわけです。

 

教員の能力が上がれば最終的にはそれは子ども達に還元されますから。そういった教員への支援も欠かしません。

常に最新を学ぶ 

あと他校を常に見て参考にしてますね。

 

先進的な学校の取り組みを常に見て,購入物やら時程やらも常に良いものを探っています。

 

学会にも入っていたり,ひっきりなしに誰かに電話しているので,常に最新の教育の動向が手に入るのでしょう。

 

そのおかげで前まであった校則が,ボスが来てからほぼ無くなりました。

 

いっそ髪染めてもなんでもいいでしょっていうぐらいまで行ったんですけど。

 

そこについては「流石にそれはやめときましょう」って生徒側から心配する声が上がったっていう。そういうレベルなんですよ。

 

学校の古い慣習を無くすためにも,常に新しいものをみる,こういう姿勢は大事やなと思います。

教育委員会との交渉

学校って教育委員会の管理下にありましてね。

 

なんか力関係的には「教育委員会>学校」みたいに思われてるところがあるんですけど。

 

うちのボスは全くそんなこと思ってなくて。

 

教育委員会と学校は対等」

 

もっというなら,

 

教育委員会は現場のために死ぬほど働け」

 

っていう考えの持ち主なんですね。

 

だからひたすら委員会に電話かけては要求しまくって色んな案件を通すんですよ。

 

それこそお金がかかることだったり,町全ての学校で統一しているために変えづらいものもあるわけなんですけど。

 

その辺も交渉して,学校発信で教育委員会の考えを変えさせてしまうわけですね。

 

もう私が見てる分には「学校(ボス)>教育委員会」というか。それぐらい,委員会より勉強してるっていう自信があるんでしょうね。

 

ちなみにボスの要求によって町全体が3期制から2期制に変わったので,これにより我々は成績処理の手間が一回分省けたわけです。働き方改革ですね。

働き方改革

上にもありますが,働き方改革にも熱心です。

 

一番すごいと思うのが,自分が毎日定時退勤するところ。

 

上司が残業してたりするのは,部下のモチベーションを下げるっていう研究があるみたいなんですけど。(昇進してもあぁなのか…という意味でね)

 

その点ボスはキチッと定時でスパッと帰りますからね。

 

(その代わり緊急時には何時であろうと駆けつけます。酒も飲まないプロ意識)

 

テストとかも減らしたり,業者に任せたり。

 

職員会議の資料も全部ネット上にして印刷する手間省いたり。

 

そんな働き方改革にも力を入れているわけです。

コミュニケーションを取りまくる

あとは職員室にドカッと座ってひたすらだれか捕まえて談笑してますね。

 

部屋によんで個別に話をしたり。そういう1on1のコミュニケーションの回数がこれまでの管理職よりもはるかに多い。

 

休み時間は校長室を開放して、生徒入れて談笑してます。

 

そしてそういうことしてるから細かい変化に気づくんですよね。

 

職員室や生徒の微妙な変化を見逃さない。そしてそれが危険につながりそうな時には,徹底して詰める。

 

それがリスク管理につながっているんでしょうね。

最後に

とりあえず思いついたことつらつら書いてきたんですけど。

 

こう書いてるとさぞかし,素晴らしい管理職に見えると思うんですよ。実際私は本当にすごい人だと思ってるんですけど。

 

ただ実はですね、

 

過去一番教員内の反発があったのも事実

 

なんですよね。めっちゃ反発もあったんですよ。

 

要はいきなり新しい仕事が増えたわけです。ダンスにせよ,メディア対応にせよ。

 

更に校則にしてもこれまでの規則で押さえ込むことに慣れ親しんだ層からしたら違和感があるわけで。「こんな髪型で本当にいいの?」「ルールを守る事を覚えさせる事も大事なんじゃないの?」という人もいるわけですよ。

 

なので特にこれまでの学校運営になれた年齢の高い層からは相当な反発があったんですよね。

 

型に当てはめて運営するタイプですから,自分のやり方にこだわりがある層からすると受け入れがたいわけです。

 

私なんかはもう会議における,そのやり取り見てブルっちゃってたんですけど。

 

当のボス本人はというとですね,

 

 

全く気にしてない

 

んですよね。

 

批判されるなんて少しも気にしてない。何言われてもケロッとしてます。

 

なんというか

 

メンタルが鬼

 

なんですよね。

 

なんというか,そこが一番見習いたいところかもしれません。

 

とりあえず思いついたところをつらつらと書いてみました。

 

また思いついたら書き足しますね。

 

読んでいただき,ありがとうございました!