経験のない夏である。
この時期ともなれば部活動は大詰め。生徒たちは引退をかけて最後の大会に臨んでいくわけなのだが,今年に関してはコロナの影響でそうはならず。
3月から3ヶ月間,子ども達は全くトレーニングを積むことが出来ず。目標にしていた県大会も中止になってしまった。
三年生は来週行われる市内の代替試合をもって引退することとなった。
それでどうなのかというと,子ども達の方はいたって楽しそうなのである。
市内大会での優勝を目標にし,最後の大会に向けてみんなで練習を頑張っている。
私の方も,これが実は力が抜けて今とても楽しいのである。
これまではどこか「絶対に勝たせないといけない」という思いがあった。自分のプライドにかけて負けられないと思っていた部分もある。
しかし,今度の大会は勝っても負けても終わりだ。
そう考えると子ども達がベストを尽くし,満足してくれればそれでいい。なので今は肩の力が抜けて子ども達と純粋にバレーボールが楽しめている気がするのである。
練習が再開してたった一ヶ月だが,この一ヶ月でも子ども達は成長した。
一年生もようやく入部したが,先輩たちに憧れてめちゃくちゃ練習を頑張っているのである。
コロナで十分な練習時間を確保することも難しいのだが,どんどん成長する子ども達を見ているのが私は本当に楽しい。
この前は最後の練習試合だったのだが,今年は打ち上げも何もできず,親に最後の試合を見せることすらも出来ないので,練習試合終了後に3年生からは3年間の感謝を込めて保護者に手づくりの感謝状が贈られた。
後輩たちからは3年生と私に花束が贈られたのだが,私への花束はルマンドとプロテインが詰められていたのだった。
ツイッター上でこういうことを書くと叩かれそうなこともあって,ちょっとツイッターとは距離を置いているのだが,私は今部活が結構楽しいのである。
部活というシステムには問題があると思う。しかしながら,子ども達がスポーツに熱中し,一生懸命に取り組むこと自体は本当に素晴らしいことではないだろうか。
来週はいよいよ子ども達との最後の大会を迎えることになる。
子ども達には「最高の結果はベストを出して,優勝すること。最悪の結果は負けることじゃなくて大会で感染が広がってしまうこと。だから出来る対策はきっちりやってこよう」と言っている。
子ども達がバレーを楽しみ,無事に終わることを今は心から祈っている。