教職者K

教育について考えるブログ。

部活動改造計画

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さて、部活の話である。

 

以前から部活動というものは教員にとって大きな負担になっており,改善を望む声が多い。

 

「地域クラブに移行すべき」などの声が多いが,そのような動きがなかなか出てこないので,私なりにこうしたらいいのではないかという提案を書いてみたい。

 

多分全く需要は無いだろうが,私の考える部活動改造計画である。

 部活は残す

まず第一に私がめちゃくちゃ偉い大臣とかだったら,部活は残す。

 

そもそも部活動を学校生活の居場所としていて,拠り所にしている子は多い。また運動が脳の発達に関係しているのも事実である。

 

心身の健全な発達という意味で部活が有意義なのは間違いない。

 

更に授業が終わってからすぐに体育館を利用できるという意味でも時間と公共資源の有効活用が出来ているわけである。

 

また部活動は全ての子に習い事やスポーツの機会を保障している場でもある。金銭的にクラブや習い事に通えない子が部活を通してそのような機会を得ることが出来る。

 

部活は格差を生まないためにも重要な機能を果たしていると言えるのである。

 

問題はそれが教員の加重労働によって支えられている点だ。

夏休み廃止

そこで,まずは練習を定時内におさめたい。そのためにも,まず夏休みを無くす。

 

今回のコロナでエアコンの設置がほぼ完了したことだろう。

 

夏休みが無くなることで授業数が大幅に確保出来るので,毎日の授業時間を5時間とかにして6時間目に部活を入れる。定時内に終われるだけでもずっと楽になるはずである。

全国大会廃止

現場で見ていて思うのが,全国大会など上位大会の存在が部活を過激にしている。

 

「絶対に負けられない戦い」の存在が巻き込む人間全てを過熱させ,その結果体罰や長時間の練習に繋がっているように思うのである。

 

だとしたら,大会は市町村レベルまでで良いのではないだろうか。少なくとも義務教育までは。子ども達はそれでも十分に自己有用感を感じることが出来るはずである。

 

全国大会はクラブチームでも用意されているから,本気でやりたい子はそちらで目指したらいいのではないかと思う。

二重登録禁止

また全ての競技で二重登録(クラブと部活の両方に選手登録して試合に出ること)を禁止する。

 

そうすれば「超練習して全国に行きたいガチ勢」と「学校の練習の範囲内でスポーツを楽しみたい人たち」で住みわけが出来るはずだ。

 

中学校では競技経験が無い顧問が競技を見ることが多い。そして見ていてトラブルが多いのは,「ガチ勢を素人の先生が見ている時」である。

 

どちらが悪いというわけではなく,これはシステムそのものが悪いのではないだろうか。

 

全ての人がスポーツを楽しむためにもこの形を取るべきではないかと思う。

全員入部制の違法化

そして全員入部というシステムを違法にする。

 

そもそも放課後の時間は自由なはずなのに,子ども達の時間を部活で拘束するというのは今の時代には問題があるのではないだろうか。

 

部活は教員の定時外で行われる無料サービスなので,いわば「大盛り無料」みたいなものなのである。それを子ども達に押し付けるのは「大盛りをむりやり食わせる」みたいな話で,はっきりいって余計なお世話である。

 

「部活が無いと子どもが荒れる」という意見も昔からあるわけだが,今回の休校で私は時代が変わったのを感じた。

 

休校中に全国で非行の話が聞こえただろうか?

 

インターネットの普及は子ども達の暇な時間を奪った。子ども達はみんなスマホに夢中である。だからこれからの世代は部活が無くても荒れないと思うのである。

部活数削減

二重登録と全員入部制の違法化が進めばチームとして成り立たないところが出てくるだろう。

 

そこで部活数の削減である。今現在は一人顧問のところも,これによって2人3人で一つの部活動を見られるようになる。

 

そうなれば教員の業務も大幅に楽になるはずである。

無料版と有料版

私のイメージとしては部活をみんなが楽しめる無料版,そこから先の地域クラブを本気でやりたい有料版みたいな扱いにしたらどうかということなのである。

 

全ての子に運動の機会を保障しつつ,教員の負担を減らし,現代に合った形にするにはこのような運営の仕方にすべきではないだろうか。

まとめ

私なりに改善策を考えてみたのだが,いかがだろうか。

 

今の部活動の在り方が問題なのは間違いない。

 

そしてこれからの世代はそれを少しでもアップデートして次の世代につなぐ必要があると感じている。

 

今回の文章が偉い人たちに届くことを祈るばかりである。

 

本日も読んでくださり,ありがとうございました!