今回はこちらの本を読みましたのでレビューを書いてみたいと思います。
教育にも関心が高く、かつ前回の「まねる力」にも近いものがあるのではないかと感じ、読んでみた次第です。
では概要と感想を書いてみます。
概要
タイトル通り,主張を一言で言うなら,
「個性なんていらない。まずは型にハマれ」
ということです。
漫画を描く際にもつまらない個性や経験よりも、まず型通りに作品を仕上げることが大事だとはっきり書いていました。
例えば漫画だと「チーム内の対立」→「葛藤」→「和解(勝利)」がテンプレートで,みんなこれを期待していると。
だからまずはそれに従って作品は書くべきだし,そこに個性は要らないとまで言っているわけですね。
スポーツの世界でも例えばサッカーのジーコジャパンの失敗は「型にはめなかったこと」だとしています。
中田英寿やら当時のスーパースター達を擁しながらもワールドカップで勝てなかったのは、その能力の高さを生かすためにジーコが規律を重んじず、選手の自主性に任せたからではないかと指摘しているわけです。
反対にブラジルは個性に任せても勝てそうなぐらいのメンバーにも関わらず,きっちりとウォーミングアップから規律を求め,同じメニューをこなしていた。
その型こそが強みだったのではないかとしているわけです。
そして三田先生は、
「個性を尊重するあまり、学校からタテ社会の要素が消えている」
とまで言い切っているわけです。
そんな「型にハマることの大切さ」を書いた一冊になっております。
感想
感想なんですが、まず
「型にはめることが日本人の良くないところ」
という風潮が今の日本にあると思います。
学校だとまず校則ですね。ブラック校則なんて言われて無意味じゃないかとも言われている。
これも「型にはめる典型」だと思っているんですけど。
確かに人権侵害になるような校則っていうのはすぐにでも無くなるべきだと私も思うんですけど、でも実際に校則が無くてどんどん自由になったら荒れる学校ってあると思うんですよ。
ハスリンボーイの作者である草下シンヤ先生は学生時代に生徒会長としてどんどん無駄だと思う校則を無くしていったら、みるみる学校が荒れていくっていう経験をしたとインタビューに書いていました。
(後輩たちがバイクで走りながら「先輩たちのおかげでいい学校になりましたー!」と言われたそうな)
だから私も今の「型にハメるのが悪」みたいな考え方っていうのはちょっと極端じゃないかなって思うんですよね。(逆に型にハメればいいという考えもまた極端)
スポーツもそうで、日本人てみんな同じフォームだったりする。野球を見ていても外国人はすごくそれぞれが個性的な打ち方したりしてますよね。
でも、実はそれが日本人の強みで、それがなかったら体格に劣る日本人はスポーツの世界でももっと勝てないのかもしれません。
だから、まずは型が出来るようにする、そこから先に型破りがある。
この形が日本人に合っているのかもしれません。
しかしながら、今の時代は人権が重んじられるので「型にハメる」ことがそのまま「個性の否定」と取られかねないところがあります。
「どこまで型にハメるのか」「どこからを個性と認めるのか」
その辺については指導者側のバランス感覚みたいなものが求められるんじゃないかなと思いました。
ということで、今回は「個性を捨てろ!型にはまれ!」のレビューを書いてみました。
皆様の読書の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき、ありがとうございました!