今回はこちらの本をご紹介したいと思います。
国語の大家である齋藤先生の本ですね。さすが国語の先生だけあってものすごく読みやすい言葉選びになっていて、すらすら頭に入ってきます。
内容と私が考えたことをまとめていきます。
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まねしろ。
本の内容を至極簡単にまとめるならこの一言に尽きます。
「まねをしろ」。
とにかく模倣こそが大事であり,まずは徹底的に対象をまねるつもりで取り組むことが大事だと書いてあります。
齋藤先生は生きる上ではこの「まねる力」こそが最も大事だと言っているわけですね。
この本ではそんな「まねること」がいかに大切かが色んな角度から書かれているわけです。
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みんな模倣から始まっている。
なぜそんなにも模倣が大事か。それは世の中のほとんどの成功者が真似から始まっているからです。
例えばモーツァルト,作曲家として有名なモーツァルトですが,もともとは「天才コピー少年」だったそうなんです。彼はどんな難しい曲も簡単にコピーしてしまう。そしてついには目隠ししてまでピアノを弾けるようになった彼は、色んなところから呼ばれて目隠し演奏を披露するようになっていきます。(つまり,超トレース人間だったわけですね。)
そうやって指で覚えていった作曲家達の特徴を組み合わせていった結果として,超有名作曲家モーツアルトが誕生したそうなのです。つまり,スタートは模倣です。
また画家として有名なピカソもそうで、ピカソはじーっと作品を見つめると,その作品の一番良いところをすぐ自分の作品に取り込んだそうです。
そうやって続けていった結果,晩年でキュビズムという唯一無二の彼のジャンルが生まれた。
もともとはモーツァルトもピカソも真似から始まっている。このことからも真似することがいかに大切かが分かりますね。
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アイディアとは既存の新しい組み合わせ。
そして、本の中では、「コピーしているだけでは贋作でしかない。そこから自分の中にあるものと組み合わせてオリジナルを作ることが大事」としてあります。
対象を見つける→ 練習して真似をする → 自分の得意なものor別のものと組み合わせる。
これによって自分のオリジナルのものが出来るわけです。
すでにどのジャンルでもアイディアは飽和している状態でしょうから,いかに色んなものを組み合わせられるかっていうのが大事なんでしょうね。
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まねする視点を与える。
そしてこれは私自身が思っていることなんですが,教育するうえでは子ども達のこの「まねする力」を育てることが大事だと思うんです。
それに教わって培う力よりも,子供たちが自分たちで真似している時が一番上達が早い。
なので,大会とかで空き時間がある時は、
「今日の大会中にいいと思う選手を見つけておいてね。終わってから聞くから」
と言っておく。
そうすることで、ただ時間を過ごすのではなく,よく対象を見るようになる。
「あの選手をマネしたい!」と思った子っていうのはやっぱり上達が早いんですよね。
さらに,教育実習生への指導として「一度授業をやって見せて、全く同じように違うクラスでまず実習生にやってもらう」という指導をしている先生もいました。
これなるほどなぁと思いました。実習生はそもそも授業の「型」が分からないですから,まずその型を理解してもらう。それからでもいくらでも本人の個性というのは出てくるものだと思うんですよね。
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まとめ
ということで,本について紹介してきました。
まねってどこかネガティブなイメージがありますが,まねすることを非常に肯定的に捉えられる一冊になっています。
中高生だけでなく、これから何かを始めたいなっていう人にもおすすめの一冊になっております。
気になる方いましたら是非どうぞ。
本日も読んでいただき,ありがとうございました!