教職者K

教育について考えるブログ。

フライドチキンに殴られろ。

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もはやこうなってくると楽しみは飯ぐらいしかないなと思う。

 

自由にものが食べられる時にどれだけ幸せな気持ちになれるものを食べるか。

 

それが緊急時の今、心の平穏を保つためにも重要であると専門家(私)は言う。

 

しかしながら,その飯についても今の状態では「持って帰れるもの」という条件がつくので,非常に難易度が高い。

 

かつ,家族である場合,様々な味覚嗜好をもつ人間の意見をすり合わせた上で「何を食べるか」を決定しなくてはならない。これがなかなかに難しいのだ。

 

ちなみに,うちの奥さんは舌がアメリカ人なのである。

 

寿司,天ぷら,すき焼きあたりが大好物だ。あまり検証したことが無いが,多分「芸者」も好きだと思う。

 

なので,現在のように「持って帰って食べる」ことが重要になる現状では,彼女の選択は

 

ケンタッキーフライドチキン

 

に向かうことになるのである。

 

よって休日のたびに私との間でこんなやりとりが繰り返されている。

 

私「今日昼飯何にする?」

 

妻「じゃあ、ケンタッキーにしちゃおうか」

 

<別の日>

私「今日の夜何食べる?」

 

妻「うーん、せっかくだからケンタッキー買って帰ろう」

 

<また別の日>

私「前もケンタッキーだったしさ…、今日は別の何か食べない?」

 

私「そうだなぁ…うーん…

 

 

じゃあ…

 

 

 

 

ケンタッキーは?」

 

とまぁこんな感じなのである。

 

多分妻は私よりあの白髭の中年を愛しているのだと思う。

 

今はあの白髭が忌々しい。ちゃんと剃り上げて来てお客の前に立って欲しいなと思う。

 

確かにケンタッキーの味は他に無い唯一無二のものだと思う。

 

あの独特のスパイスの風味,みんなでかぶりつくパーティー感,それは否定しない。

 

しかしながら,

 

そんなに美味いか?

 

というのが私の正直なところなのである。

 

いや,先ほども申し上げたように人気なのは分かるのである。しかしながら,例えば

 

油淋鶏

 

だったり。

 

 

いや、もっというなら、

 

 

チキンタルタル南蛮

 

だったり。いや唐揚げでもいい。どちらかというと私はそっちの方が旨いと思うのである。というか揚げ鶏から離れたい。

 

なのでこの妻の「謎のケンタッキー推し」が私には密かな不満のタネだったのである。

 

しかし,最近ふと思ったのだ。

 

 

というのも一応異動の時期なので転勤職員が来たり,入学式があったりするたびに歓迎会が出来ないので最近はちょっといい弁当を職場ではとっていたのである。

 

それこそ寿司屋から2000円ほどする弁当をとってみんなで食べていた時に思ったのだ。

 

「俺がこれ(豪華な昼飯)を食べている今、妻はきっと、家でうどんでも啜っているんだろうな…」

 

と。

 

一日中娘を抱え,更にうどんである。

 

どこにも出かけられず,一日中ウィルスの危険から娘を守り,夜中も娘が起きるたびに起きて授乳して睡眠もままならないのに、うどんである。

 

なんだろう,そう考えたら急に申し訳なくなって来たのである。

 

目の前の弁当を持って帰るべきではないかとすら思った。

 

そこから思いは更に派生した。

 

例えば私はもう今飲みに行きたくて行きたくてたまらない。

 

外でタイ料理なんかを食べながら,ビールをぐびぐびやってワイワイしたいのである。それが叶わないのことがすごくストレスなのだが,

 

妻は子どもが生まれてからというものの,約2年近くそんな禁欲的な生活を続けているわけである。

 

だとしたらケンタッキー如きで不満をもつ私のなんと人間の小さいことか。

 

あのケンタッキーの一番握りやすい形のやつ(ドラム)で自分自身を殴りつけてやりたい衝動に駆られた。

 

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(↑これが一番殴りやすそうだ)

 

もう文句を言う気はない。休日くらいは家族の好きなものを優先する。

 

一家の長として,このストレスがたまる時期もそれぐらいの懐の大きさをもっていたいものである。