教職者K

教育について考えるブログ。

最近の子達から考えた昔の話。

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春休み中はたまに巡回を行っている。

 

ゲームセンターや商業施設など,休校を利用して生徒達が非行に走っていないかを確認するためである。

 

いろんな子達がいるのだろうが,私のいる地域の子達が出歩いている姿はほとんど見ない。みんな不要不急の外出は避けているのだろう。立派なものである。

 

そしてそんな姿を見ると,私は思う事がある。

 

それは,

 

「自分の出身中学校は今思うと荒れていたのではないか?」

 

ということである。今回はそのことについて書いてみたいーーーーーーーーーーー。

 

思い返すと,私が中学生の頃は派手な髪の色をした先輩方が校門の前に座り,いつも先生と何かやりとりをしていた。窓ガラスが割られて警察が来るなんてこともしょっちゅうあった。

 

そんな当時のヤンキー達には服装によるヒエラルキーがあった。

 

やんちゃな先輩達は「フブ」や「カールカナイ」のセットアップを着る。

 

分からない人は是非検索していただきたい。なぜか分からないがみんなあれを着ており,私みたいな優良児でさえも妙な憧れを抱いたものだ。

 

これを着ているともうほぼ確実にヤンキーから絡まれる。それはもう「自分は悪いやつですよ」という証だったのである。

 

更に「ガルフィー」という犬の絵が背中に描いてあるブランドもあったのだが,そこに手を出すやつはもう極悪と見なされていた。犬なのに不思議な話である。

 

そしてセットアップまでいかないものの,一般の生徒の中でもBボーイファッションが憧れの対象になっていた。

 

PNB」やら「トリプルファイブソウル」やら「ジョニーブレイズ」などなど。(懐かしい!)

 

そんなアメリカ発祥の Bボーイブランドが大人気で,これを着ている事が当時のステータスだった。我々にとって「ソウル」と言えば、B'zの「ウルトラソウル」か、「トリプルファイブソウル」だったわけである。

 

私の地元では「エフェクト」という店でこれらのブランドを取り扱いしていたのである。

 

当然客層も悪いのだが,私はここに行ってみたくてたまらなかった。

 

どうしても行ってみたくなった生粋の Bボーイ(びびりボーイ)である私は人気がない時間を狙って店内に入り、30秒程で怖くなって出てきた記憶がある。(多分,水中に顔をつけてるより短かったと思う。)

 

そんな私にもブランド品を手に入れるチャンスが訪れた。

 

「エコー」というサイのマークが書かれたブランドのデニムを買わないか?と友人が持ちかけてきたのである。

 

当時は太いジーパンがやたら流行っており、自力で買いに行く度胸がない私は,これに大いに喜んだ。

 

私はデニムの購入をMという男から5000円で持ちかけられ,なけなしのお年玉を使ってデニムを手に入れたのである。

 

デニムをいざ履いてみると,いつ絡まられるかもしれないという恐怖で怖くて怖くてたまらなかった。それでもそんなジーパンを履ける事が嬉しかったのである。

 

しかし数日後,Mが「返せ」と言ってきたのだ。

 

理由を聞くと,なんでもMもSという男からそのジーパンを5000円で買ったらしい。

 

Sは怖い先輩からそれを貰い、Mに5000円で売ったというのだ。

 

そしてMはそれを私に5000円で売りつけていた。元手ゼロから5000円を生み出すという恐ろしい錬金術である。

 

しかし,Sが急遽その先輩にジーパン返せと言われたらしい。

 

私はMに「5000円返せよ」と言ったが,Mは『Sに言え』と言ってくる。

 

更にSにも言ってみたが,Sからは「俺は別にお前に売ってない」と言われてしまったわけである。

 

結局こうなると一番気の弱いヤツ(私)がババを引くことになる。

 

私は親にも相談できず,悩んだ。この一件が悔しすぎて,消えた5000円を誰が負担すべきなのか「バラエティー生活笑百科」に持ちかけたいぐらいだった。

 

教員になって数年が経つが,あの頃に比べるとそういう話は聞かなくなったなぁと思う。

 

子ども達は牧歌的であり、非行は目に見えづらくなった。

 

それが良いのか良くないのかは分からないが、

 

見た目には平和な毎日である。