どうも大仏です。
大仏先生@(帰省中) (@sunostrism) on Twitter
さて,今回はこちらの本を読みましたので,概要と私見を書いてみます。
「イモニイ」とは?
東大合格ランキングトップ10常連校である栄光学園の数学教員。
独自のメソッドやアクティブラーニングな授業に20年前から取り組み,全国から見学が殺到している方。
また栄光学園の教員で有りながら児童養護施設での学習支援や海外での教育支援に継続的に関わっているそうな。非常に教育にアツイ先生です。
1月7日放送の「プロフェッショナル」でも取り上げられる予定だそうです。
なぜそんなにも注目されるのか?
本からの印象なのですが,「授業の変態」だと思いました。
最近の先生達というのは私も含め,SNSでの発信や新しいことをいかに教育の世界に取り入れていくか,というところに注目しているのに対して,この先生は徹底的に発問と授業構成という基本中の基本にこだわる。
1つの授業の準備に何時間もかけている変態なわけです。しかも派手な演出でもなく,発問に時間をかけている。
ちなみに宿題は出さないそうですが,「やりたい人がやっていい」というスタンスでプリントがあるそう。
そのプリントがゲームやスマホより面白いから結果的にみんなやってくるそうです。
生徒達の誤答から取り上げて子ども達が熱中するような授業を構成するというのはやってみるとかなり難しいと思います。そこをイモニイは生徒が本気でこだわっているかどうかの一点にこだわって授業をしていると。
「教育界のイチロー」というべきストイックな先生だなと思いました。
本書の特徴
本の特徴として思ったのが,「イモニイ」の教育実践やスキルを教えてくれる本ではないということです。(書いては有りますが量はそれほど…)
というか,そもそもそういうスキルの伝達に意味がないことをこの本は言っているわけです。
むしろ大事にしているのはイモニイの教育観そのもの。
教員として大事なのは「how to(どうやるか)」ではなく「Be(どうあるか)」の方なんじゃないかと思わされました。
以前も書きましたが,これだけ指導案がインターネット上に溢れている時代にあってやっぱりうまくいく先生といかない先生の差っていうのは出てくるんですよね。
それは結局ノウハウじゃなくて「先生がどんな人なのか」が全てであるように思うのです。
「何を教わるかじゃなくて誰に教わるか」
本書でもそう書かれているのですが、そこが大事だという熱量がすごく伝わってくる本でした。
やっぱり何より授業に対する変態的なこだわりが,生徒達の学問に対する熱狂を生んでいるんだと思います。
感想
読んでおいて良かったです。
というのも私も仕事に慣れてきたことからついつい自分の授業へのこだわりが甘くなってきていることを感じる瞬間があるからです。
そんな甘さを指摘してくれる本だったように思います。今年もスタートしましたが,もう一度自分の授業で何が出来るのかを見直してみようと思いました。
また,
「もともと恵まれない教育環境の人のためにも公立学校で色んな人にチャンス与えられる人になりたいと思ってたじゃん俺…」
っていう自分自身の根っこにあるものを思い出させてもらえたように思います。
ということで,自分の甘いところや,忘れていたことを思い出させてくれる本だったように思います。
(ちょっと佐藤学先生の「学びの共同体」の理念に近いところもあるかなぁと。そちらについてはまた今度書きますね)
ということで,そんな教育者としてのモチベーションをもらえる一冊となっております。
興味のある方いましたら是非どうぞ。
本日も読んでくださりありがとうございました!