若槻千夏氏が炎上している。
(詳細はこちらから)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190722-07220234-nksports-ent
というのもテレビ番組において学校が働き方改革として,『18時以降は電話に出ないなどの対応策を講じている』と教師が発言したのに対し、
「何かあったらどうするんですか? もし子どもが帰ってくるのが遅くなって心配になって、見つからない時に学校に電話をするのが親だと思う。それも対応してくれないってことですか」
「えー、寂しい」
「金八先生とか見てないんですか?」
と嘆いたのである。
これに対してSNS上では
「若槻千夏はモンぺ(モンスターペアレント)確定」
「そういう保護者がいるから先生たちが多忙化している。忙しくて病気になった人もいるのに。発言が軽率」
などと総攻撃。
結果的に若槻千夏氏は謝罪するにまでいたっているわけである。
今回は教員の端くれとしてこの案件について私も意見を述べたいのである。
まず私としては、素直な意見だし、別に謝らなくてもいいのではないかと思ったのである。
時間外に対応してくれる先生が保護者や生徒にとってありがたい存在なのは間違い無いと思う。
以前私はこんなツイートをしたことがある。
部活が辛い時に内緒で夕飯に連れて行ってくれた先生。
— 大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) 2019年6月10日
お泊まり保育が嫌で泣いていた時にドライブして眠るまでつきあってくれた先生。
私がこれまでの人生で感謝している先生はみんな時間外に私のために動いてくれた人たちだったんだな,と今はそんなことを思う。
そうなのである。時間外に,授業とは離れた場面で優しくされた経験の方が自分自身を振り返ってみても強く記憶に強く残っているのである。
だから私も自分が教師になる時はそういう風に子どもたちのために全て尽くせる人になりたいと思っていたし,それこそが教師になる醍醐味だとすら思っていた。
しかし,この時同時に私はこんなツイートもしたのである。
本当にありがたいし,そういう人間味のある先生でいたいと今も思う。
— 大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) 2019年6月10日
ただ、それを当たり前のように求められると,ちょっと辛いものがあるのも事実。
身の振り方に迷いがある今日この頃。
まさに今の私はこんな感じなのである。
子どもは自然な生き物なので、どうしたって教育の営みは時間内に収まるものではない。
だから時間外に対応する必要がある時ももちろんあるのである。
ただ,その教師が思いやりでやって来た部分を当たり前のサービスとして求められると苦しいのも事実なのである。
例えるなら「ごはん大盛り無料」をやってきた店が時代の変化とともにそれが苦しくなって来ていて,「大盛り無料はもうやめる」と言っているのに対して若槻氏は「寂しくないですか?」「なんで続けてくれないんですか?」と言ったような感じだと思うのである。そこで採算が取れなくなったら店が潰れてしまうことだってあるのである。ただ逆に言えばこれまでのサービスに大きな期待と満足をしていた証拠であるとも言えるだろう。
ちょっと話はそれるかもしれないが,以前私は「仕事上どうしても時間がとれない」という要望があり,教育相談をいくつかの家庭で時間外に受け付けたことがあったのである。
しかし,このことについて同じ学年の先生から大変なお叱りを受けたのだ。
「あなたがそういうこと勝手にやると、私たちまでそれを要求される」
「勝手にそんなことしないで」
「私たちが冷たい教師だと思われる」
当時の私は「それぐらいいいじゃん」「冷たい先生だな」「少しくらい時間外でもいいのでは?」と思ったものだが,今は考え方は変わった。
それぞれに抱えている事情があるのである。
その先生は両親の介護を抱えており,どうしても早く帰らなければならない事情があったのだ。
家庭で両親の世話をすることで手一杯でもうそれ以上の負担がつらくてたまらなかったのだろう。
先生と言えども人間だし,いろんな状況の先生たちがいる。
また特別な事情がなくてもそれぞれのプライベートを優先する権利が当然教員にもあっていい。
今回の件でそのあたりの認識が世間に少しでも広まればいいなぁと思う。
追伸
昔は「生徒のために尽くす熱血教師」がいい先生でしたけど,今はその像が変わって来てるんだなって今回の件で思いましたね。いや正確にいうと教師たちがその像を変えることを強く望んでいるというか。
令和の「いい先生」ってどんな先生なんだろうと考えるここ最近です。
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