教職者K

教育について考えるブログ。

不登校の子への声のかけ方について。

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学校っていう場は子どもにものを教える場ですからね。

 

「人の気持ちをいかに操るか。」

 

が大事な場だと思うんですね。そう書くと語弊あるかもしれませんけど。

 

でも、いかに子どもたちの気持ちをコントロールして盛り上げたりしてやるか、がとても重要な場所なんですね。

 

そういう意味では、すごく心理学っていう分野と学校の相性は良いと思っています。

 

今年うちの学校には技術の先生がいなくて。

 

そういう場合どうするかというと、誰か他の教員が講習を受けて授業をもたなければならないんです。

 

当然経験が無いことをするわけですから、みんな引き受けたくないわけですね。

 

私にも打診が来ました。

 

「技術やってみない?」

 

と。

 

当然NOです。自信がありません。それに時間は自分の得意なことに出来るだけかけたいじゃないですか。

 

すると次になんと言われたかというと、

 

「じゃあ、英語と技術どっちがいい?」

 

って聞かれたんですね。

 

これ不思議なものでね。そう聞かれると、

 

「え、じゃあ技術かな?」

 

なんてポロっと言ってしまいそうになりましてね。

 

不思議なものです。最初は受けることそのものに抵抗していたのに、2択にされた途端にそのハードルが下がる。やり方がうまいなぁと思いました。

 

これ、

 

「誤前提提示」

 

っていう立派な心理学のテクニックなんですね。

 

ある商品を「買うか買わないか」で迷っている人に、「この商品はここが良くて、こっちの商品はここが良い。どっちがお好みですか?」と商品を提示する。

 

そうやって前提が違うことを提示することによって「買わない」っていう選択肢をうばっているわけです。

 

それで、これは不登校の生徒にも使えると思っていて。

 

学校に行けない子どもを前にして、

 

「いつ学校にくる?」

 

じゃなくて、

 

「別室登校にする?それとも教室は入って一時間で帰る?」

 

と聞く。

 

ようは、最初から「行かない」っていう選択を気付かないうちに奪ってるわけですね。

 

どちらにせよ自分で選ぶことになるわけですから、強制しているわけではありません。

 

まぁはっきりいってこんなことぐらいで解決するくらい不登校の問題って簡単じゃなくて、めちゃくちゃ難しいんですよ。

 

いろんなことで子どもの登校へのエネルギーがなくなっちゃったケースがほとんどだと思います。

 

でも、細かいことかもしれませんが、こういう言葉の選択肢をもっているかどうかというのがいざという時に威力を発揮するんじゃないかと思っています。

 

ご参考までに!