年末ということもあり、色々と美味しいものを頂くことが多いのだが、中でも感動したのが義父が用意してくれた蟹である。
普通の蟹なのだが、それでも普段は蟹なんぞ手が出ない。
さらに我が家は妻が甲殻類アレルギーであり、食卓に蟹を並べるということは、妻への殺意の表れ、離婚への意思表示だとも取れてしまう。
また幼い子もいる前で食べるのに手間のかかる蟹はチョイスできない。よって蟹はそもそも食事の選択肢に上がらないのである。
だから年末のこの時期に義父と蟹をホジホジしながら、日本酒をちびっと飲む時間は、日常との飛躍が非常に大きく、贅沢な時間に感じられたのである。(酒も普段は飲めない)
だからこそKは、「蟹を食べると無口になるよね」という日本全体にはびこる蟹に対する評価が気になったのである。
むしろ、蟹を食べている時の自分は物凄く饒舌だったと思う。
「美味いっすね」
「蟹味噌最高っすね」
「日本酒とめっちゃあいますね」
やたら蟹を褒め称えた。いや、自然と言葉が出てきた。だから蟹を食べると無口になるというのは正しくないと思うのである。
実際のところ、食べると無口になるのは、ラーメンとか牛丼なのではないだろうか。
これらの料理はそもそも1人でも店に入りやすいイメージがある。
多分ラーメンが食べると無口になる選手権の優勝だ。話してるうちに伸びるし、ましてや黙って食うことを推奨してる店すらある。
蟹料理屋とラーメン屋の会話の総量を専門機関にはぜひ調べてみてほしい。あくまで予想だが、蟹料理屋の方が会話が多いのではないかと想像しているわけである。
そして同時に、最も会話が弾む料理とは何なのかというしょうもないことも考えたのである。
焼肉や鍋料理、食べるまでの過程でみんなの共同作業が生まれるものがその有力候補だろう。
ただ2023年を振り返ってみた時に、我が家で最も会話が弾んだものといえば、「いくら」が挙げられるだろう。
家族で回転寿司に向かった際に娘(5歳)は人生で初めていくらに挑戦。
食べた瞬間唇が盛大に腫れ上がり始めた。
「あれ?なんかおかしくない?」
「晴れてない唇…?」
「大丈夫?もしかして気持ち悪い?」
交わされる夫婦の会話の量と反比例するように元気がなくなっていく娘。そして目の下に現れる湿疹。
妻「これまずい、アレルギーだ。魚卵だめか」
K「病院いく?どうしよう?」
妻「この時間やってないよ」
K「急患?」
妻「電話して!いいから急いで!とりあえず店でる。もう食べること諦めて!」
結局引き上げてすぐ娘は車の座席に向かって全てを嘔吐。吐き出してスッキリしたのか湿疹はみるみるうちにひいたわけである。
この時のやりとりはもう強烈で、会話が弾むというよりも叫びに近いものがあったと思う。会話炸裂。
まぁ今となってはそれも含めていい思い出である。
年末年始で普段食べないものを食べるご家庭も多いだろう。
このエントリーはそんな皆様への注意喚起なのである。
皆様アレルギー食品には気をつけて。それでは、良いお年を。