どんな子でも小さい頃というのはキャラクターに熱中するものである。
4歳になるわが娘についていえば,アンパンマン期を超えて,現在ではプリキュア期に突入している。
エンディングテーマの音楽がかかれば踊らずには居られない。
イントロがかかると一緒にハートを作る動作に入り、「さぁ! デリシャスマイル~♪」とソファの上で飛び跳ねてダンススタートである。
もちろん,昨年のクリスマスにはプリキュアのケーキをリクエストしてきた。
ケーキの付属品であるおもちゃのグラス(プラスチック製)にシャンメリーを注ぎ,それを飲みながらケーキをつついて悦に入っていたわけである。
ハマるのはいいのだが,そういう目で見ると世の中のいたるところにプリキュアが居る。
そしてなんでも商品化されている。大人になってからみるキャラクター達は,かわいい顔をした一大産業。もはや資本主義の権化みたいなものなのである。
さらに娘は今バスボム(あの風呂に入れると溶けておもちゃが出てくる)にもハマっており,薬局やスーパーに行くたびに指を指して「あれ頼むわ」みたいな顔をしてくるのである。
これがまぁ一個500円近くもするのである。
彼女も学んだようで私が拒否すると義母にねだる。
ここでも拒否されると声を上げて不機嫌になる。そうなると申し訳ないから私もつい買ってしまう。いったいどれほどのバスボムが文字通り泡とかして来たか…(←うまい!)
プリキュアのバスボムもあるのだが,我が家では主人公である赤・黄色・ピンクみたいなキャラクターを揃え,残すところは青のみに。
その青を狙って私はなけなしの500円を支払ったわけだが,出て来たのはパムパムという雑魚キャラ(しかも既に持ってる)である。
日ごろ自分の昼飯ですらすべて手作りして節約している自分が,しぶしぶ払って出て来たのがパムパムである。水面に浮かび上がって来たパムパム(2体目)を殴りつけてボコボコに改名してやろうかと思った。
ただ娘はやっぱり青いのが欲しいようで。「今度また買ってね!」みたいなことを笑顔で言ってくるのである。
そして,ここに来て私の身に更に恐ろしいことが起こる。
シーズン終了のお知らせ
である。
なんということだろう。
「広がるスカイ、プリキュア」
になるのだという。世の中では常識なのかもしれないが,プリキュアはシーズンごとに変わるということを私は知らなかったのである。何が広がるスカイ,だ。勝手に話を広げないで欲しい。
恐ろしい,あまりにも恐ろしいサイレント資本主義である。
その点アンパンマンは良かった。彼らにモデルチェンジはないからである。娘よ,ずっとアンパンマンでいてくれたら良かったのに…。
どうやらプリキュアは次々にモデルチェンジし,その度にキッズたちの購買意欲を掻き立ててくるという戦略をとっているようである。
今日は何気なく朝からその新シリーズのプリキュアを見ていたのだが,
オープニングのテーマソングに合わせて主人公たちがハマーに乗っているではないか。
俺がバスボムに課金してきた金がハマーになってる……
と私は思わずにいられなかった。
え?
俺が13万キロ近く載ってる車を買い替える金がないのに?
こんな小娘たちはハマーに乗ってる?
俺がバスボム買ってたから??
私は一瞬何か間違いでも見たのかと本気で思ったのである。
しかもそのシーンの歌詞が「未来図は 可能性でいっぱい」である。
うんうん、そりゃそうだよね! ハマーに初心者マークつけて乗れる人生だもの! そりゃ可能性でいっぱいだよ!
ちなみに私が地上波でハマーに乗っていたのですぐに思い出せるのは,プリキュアか闇金ウシジマ君かぐらいのものであり,彼女たちは可愛い顔をした悪党というのが今のところの私の見解である。日本中の子ども達にははやくそんなプリキュアのあざとさに気づいてもらいたいと思っている。
ちなみに今日の昼飯はガストだった。
もちろんタダでもらえるプリキュアのグッズを娘が欲しがったからである。
終わらないプリキュアの沼。娘の成長を心から祈っている。