教職者K

教育について考えるブログ。

世の中はアンパンマンを評価しすぎではないか?

 

最近のうちの娘のマイブームがアンパンマンなのである。

 

これは彼女が生まれて初めてハマったキャラクターと言って良い。

 

まだ言葉はおぼつかないが、少し間が開くと、

 

「アンパン!アンパン!」

 

とテレビの前で大騒ぎして、録画しておいたビデオを再生するようにせがむのである。

 

それはいいのだが、驚くべきはそのはまり方である。1日に同じ回を3回ほど見たりする。

 

それが新しい回が放送される次の週まで繰り返されるわけなので,3回✖️6日で18回は我々親も同じものを見させられることになる。

 

あまりにも見すぎて私がしょうもないことを考え始めたので書いておきたい。

 

私が考えたのは、

 

「教員にはどのキャラクターが一番向いているだろうか?」

 

ということである。

 

みんなアンパンマンを指すだろう。あの正義感はヒーローの象徴といっていい。

 

そして、彼のようなキャラクターを世間の皆様は教員に求めているのかもしれない。

 

しかしながら、私は案外アンパンマンではうまくいかないんじゃないかと思ったのである。

 

というのも、あの物語は

 

①新キャラ登場

バイキンマンがちょっかいを出す

アンパンマンがパンチかキックで倒す

 

というパターンをほぼ毎回繰り返しているだけなのである。

 

私が言いたいのは「パンチで解決するからだめ」などというレベルの話ではなく、アンパンマンのその工夫のなさである。

 

例えばあれだけ悪戯を繰り返すバイキンマンをどうしたら更生させられるのかということは一切考えず、アンパンマンはパンチかキックだけして追い返しているのである。

 

その姿勢は警察のようであり、けして教育者ではないと思うのだ。

 

正直なところ、

 

 

案外中身がないやつなのかもな…

 

と私はちょっと失望さえしたのである。(※注 こしあん粒あんかという意味ではない)

 

そして教員の世界でもわりかしこういう「見た目好青年だけど、案外なんも考えてない」みたいなタイプが評価されてる気がして、かまめしどんみたいな私は腹立たしいのである。

 

もっといったら、バイキンマンの方が私は教員には向いていると思う。

 

見ていて彼の攻め方には毎回工夫があるのである。アンパンマンを小さくしてみたり、変装してみたり。

 

必ず失敗には終わるが、あの物語はそんなバイキンマンのアプローチの多様性によって成り立っていると言っていい。

 

 

しかもわずか30分の間に2回、ひどい時は3回ほどぶっ飛ばされてなお立ち向かうタフネスさだ。ストレスの多い学校現場には彼のような人材こそ必要だろう。

 

しかも大概悪さをする時は登場する新キャラと遊びたくてちょっかいを出していることが多い。コミュニケーションを取りに行く姿勢は評価できるのではないだろうか。

 

 

そして、バイキンマンも良いのだが、中でも最も教員になって欲しい!と思ったのは「シチューおばさん」である。

 

先日の回はこんなストーリーだった。

 

ある日ランプの魔人に三つの願いを叶えてもらえることになったシチューおばさん。

 

一つ目の願いでランプの魔人が寒そうだとマフラーをお願いする。(優しい!)

 

2つ目では巨大な鍋を注文。

 

そして3つ目ではバイキンマンを含めた全てのキャラクターに自分の作ったシチューを振る舞う手伝いをランプの精に頼むのである。

 

この分け隔てなく接する姿勢、見習うべきではないだろうか。

 

私はどちらかというと、「それいけ、シチューおばさん!」にした方が今後子ども達にいい影響を与えるのではないかと考えている。

 

ということで、アンパンマンを見ながらそんなことを考えていた。

 

どうでもいいが、主人公としてのアンパンマンの今後の成長には期待したいものである。