教職者K

30代教員の日々の徒然。

君死にたもうことなかれ。

祖母の葬儀の時に会った我が弟の話である。

 

私より5歳年下で、民間企業に勤める弟なのだが,

 

彼はいわゆる

 

意識高い系

 

に属するのでは無いかと思うのである。

 

パフォーマンスを高めるために瞑想を日々のルーティンとし、寝る時は耳栓とアイマスクをし、睡眠の質を高めているらしい。

 

時に脳波計まで使って脳の状態をチェックする。

 

自分の能力を高めるためには、細かいチェックを欠かさない。

 

休日は山や川と触れ合い、ストレスを溜めないようにする。

 

食事はもちろん自炊である。自ら出汁を取ることで塩分糖分を管理。もちろんいうまでもないと思うが、酒も飲まない。タバコなんぞ言語道断である。

 

そんな彼の生活を聞いていて、私は思った事がある。

 

これは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モテないだろうな……

 

と。

 

 

いや、我が弟ながら多分仕事はソツなくこなしているのだろう。

 

しかしながらそこに他者が入り込む隙を少しも感じないのである。

 

私は女性と初めての夜を過ごす弟の事を勝手に想像した。(以下全て私の妄想です)

 

弟「そろそろ寝ようか…」

 

女「うん…」

 

弟「(スチャ…頭に脳波計をセット)」

 

女「それ、何?」

 

弟「ああ、これ?脳波計だよ。脳波の状態を見てコンディションチェックしてるんだ」

 

女「あぁ…そうなの…」

 

弟「やっぱり脳が体の機能を司ってる以上、一番気にしないといけないのは脳だと思うんだよね。あ、君もやる?」

 

女「いや、私はいいわ…」

 

男「うわ、もう寝ないと。睡眠時間は8時間は取らないといけないからね。ガサゴソ…(耳栓とアイマスクをセット)じゃあ、おやすみ!」

 

女「……」

 

いかがだろうか。確かにあまりに健康的ではある。

 

しかしながら,いわゆる意識の高さとは自分自信への集中なのだと彼を見ていて思った。ただ家庭を持つとなると、自分にばかり集中もしていられないのもまた事実である。

 

世の中的にはまだまだ夜中まで映画を一緒に観てコーラとかポテチ食べちゃったけど、「まぁこのコーラ0カロリーだから大丈夫っしょ」みたいな男の方がモテるんじゃないかと思ったのである。

 

 

だから私はそんな弟の話を聞いていて、まさに与謝野晶子の気持ち。

 

弟よ、君を泣く状態

 

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になったわけである。

 

しかし,そんな弟だが,通夜の終わった次の日の朝には昨晩の通夜の残り物であった揚げ物(脂質)をおかずにして白飯(糖質)を食べていた。

 

その姿を見て私は

 

揚げ物食ってるー!

 

良かったー!人間らしさ残ってるー!

 

と少しほっとしたのであった。

 

さて次会う時はどうなっているのだろうか。

 

また会う日を楽しみにしている。