教職者K

30代教員の日々の徒然。

学年集会でどう喋るか。

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生徒指導主事なので、全体の前で生徒にとって耳の痛い話をしないといけないんですけど。

 

やっぱりルールだから守れっていうのはなかなか子供達も聞かないんですよね。納得してないというか。

 

特に中学校だと「他のクラスには入ってはいけない」なんてルールもあったりするんですけど、高校の先生からも「なんで中学校ってそんなルールあるんですか?」って言われたりしますからね。

 

なので、そもそもルールの存在意義を教員が説明できるのかがとても大切だと思います。

 

例えば中学でよくあるケースの「お菓子の持ち込み」があったとしたら、皆さんならどう話をするでしょうか。

 

お菓子を食べることは法律違反でもなんでもないですし、誰かの人権を侵害するものでもありません。ましてや高校ではほとんど問題にすらなりません。

 

では、なぜ義務教育の学校ではお菓子がダメなのでしょうか。

 

私はこの件について、

 

軽微な違反はいずれ大きな違反やエラーを招くから

 

と生徒に説明することにしました。

 

それだけではよく分からないので、具体例を出します。

 

今回は最近あった埼玉栄高校の死亡事故を挙げました。

 

高校生が夜間に寮を抜け出して車を校庭で運転していた結果、死亡した事件です。

 

あの事件はそもそも車をキーのついた状態で放置していることに起因しています。

 

運転者は他者が運転できないように車を管理する義務がありますから、キーをつけっぱなしにしてはいけないのです。ここにまず軽微な違反があるわけですね。

 

さらに事件は夜中に起きていますから、生徒は夜間の寮からの抜け出しをしているわけですね。ここにも軽微な違反があります。

 

その軽微な違反の連鎖が結果的に死亡事故という取り返しのつかない事故を引き起こしてしまったわけですね。

 

このように軽微な違反の積み重ねはいずれ重大なエラーを呼ぶわけです。

 

お菓子の持ち込み禁止というルールは本来学習に集中するという目的の達成のためにあります。

 

もしこの簡単なルールさえ守られなかったらどうなっていくか。

 

学習をおろそかにするという態度が学級に広まったら、生徒の希望する進路が実現出来なかったり、ルール違反をする学級の空気が嫌になって不登校が発生したり、お菓子を巡ってトラブルになったりするなど、重大なエラーに繋がっていく可能性があるわけですね。

 

だからこの軽微な違反こそちゃんと指導しないといけないと思って話をしているわけです。

 

そして同時に私はこういう場面で

 

修辞的な質問

 

という質問の仕方を意識して使っています。

 

これは例えば、

 

「この学年から不登校の生徒を出したいですか?」

 

「君たちの将来の夢は叶わなくても良いんでしょうか?」

 

といった聞き手自身が自分で否定したくなるような文章を投げかけるっていうやつですね。

 

聞きながらも主体的になる瞬間を作ることで印象的になることを狙ってます。

 

とりあえず学年集会とか、全体の場で喋る時というのは、総理がスピーチする時くらい大事だと思ってるので、とにかく時間をかけて良いものを作る努力が必要だなと思います。

 

さて、次は冬休み前の集会で何喋るか、考えたいと思います。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。