教職者K

教育について考えるブログ。

子ども達の前で話す時に踏むべき6つのステップ。

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教員て常に人前で何か話すわけですね。

 

そして学級とか学年集会の場面における教員の話の上手い下手は確実に存在します。

 

子ども達の心を掴むには「そこでどういう話をするのか」が大事ですし、そこでの話が他の担任の先生との差になっていくわけです。

 

ただ、こういった話の仕方については研修がある訳でもないですし、結局「その人のセンス」に任せられている部分が大きいのかなと。

 

なのでこれまでの経験から私が大事だと思っている6つのステップを書いてみようと思います。

 

① ターゲットを想定する

まずこれです。ターゲットの想定。

 

「教室にいる30人の子の中でも、特にどんな子達に向けたメッセージなのか」

 

をはっきりさせます。

 

これが無いとどうしてもぼんやりした会話になってしまう訳で。最終的に誰にも刺さらないメッセージになってしまう可能性もあります。

 

なので、意外とここでそのターゲットがはっきりしているかどうかが後々の大きな差になっているんじゃないかと思います。

 

例えばそれは,

 

「勉強を頑張ろうとしている子達」だったり,「悪いことをしてしまったけど黙ったままやり過ごそうとしている子」だったり。パターンによって様々です。

 

ここでは例として、

 

合唱コンクールで賞が取れなくて落ち込んでいる子達」

 

をターゲットにするとしましょう。

②目的の決定

ターゲットを決めたら,次に話をする目的を決定します。

 

何を伝えたいのか、時間を取って話をする目的はなんなのか。これが無いとまたしてもぼんやりしてしまうのです。

 

ここでは先ほどに続いて例として、

 

合唱コンクールで賞が取れなくて落ち込んでいる子供達を励ます」

 

と目的を設定して話を進めることにします。

③目的を達成するためのキーセンテンスを作る。

 ここが一番大切だと思うのですが、目的を達成するためのキーセンテンスを考えます。

 

これはラップで言うところの「パンチライン」といったところでしょうか。(印象的なフレーズ、言い回しのこと)

 

目的を達成するために最も相応しく、子ども達の記憶に残ると思う言葉を選びます。

 

今回の例だったら、

 

「賞は取れなかったけど、君たちの合唱は最高だった」

 

「私の中での最優秀賞は君たち」

 

とかが上がるかもしれません知れません。分かりやすく,かつ目的から反れていないことが大事なので,ここは慎重に考えます。

④③を補助するような具体例を出す

そして、そのキーセンテンスを補うような具体例を出していきます。

 

人間は具体例を出されると右脳と左脳が刺激されて理解しやすくなるんですね。

 

例えば上の例なら、

 

「曲が終わった時に、一年生の客席から『鳥肌が立った』『先輩達すごい』って声が聞こえて来たよ」

 

「君たちの合唱の時、客席を見たら保護者の人が泣いてるのが見えたんだ」

 

「ずっと練習から聞いて来たけど、間違いなく今日が一番良い出来だったよ」

 

そうやって具体例を出すことで、上のがキーセンテンスである「君たちは最高だった」を理解しやすく落とし込んでいきます。

⑤話の中で子ども達にも質問を振る。問いかける。

そして、人が理解する時というのは、「自分が主体的になる時」ですから,一方的に話すのではなく、時折会話を振ってみるのも効果的でしょう。

 

上の場面なら、

 

「賞は取れなかったけど、これまで練習して来たのって本当になんの意味もなかったのかな?」

 

「これまでの中で友達のいい姿を見つけたりしなかった?」

 

そうやって問いかけられると人間はどうしても考えてしまうので,主体的になってきます。(場合によっては近くの人と時間をとって話をさせることもあります。)

 

そこでどういう答えを子ども達が出すかよりも、主体的に話に参加させることが目的です。

 

子ども達に答えさせたりしながら一方的にならないようにします。

⑥もう一度キーセンテンスを伝えて締める

 そして最後にもう一度,キーセンテンスを伝えて,締める。

 

「今伝えてきたように,君たちの合唱は本当に素晴らしかったし,最高だったよ。クラスにとって素晴らしい思い出が出来たから,この思い出を大切にしていこうね。」

 

などといって終わり。

 

もうメインになることは伝えてあるので,ここは流れがおかしくなければ良いのではないかと思います。

終わりに

いろんな場面があると思いますが,これをある程度なぞることで,「この先生は何を言ってるんだ?」「何言ってるのか分からない」という状況は回避できるのではないかと思います。

 

また笑いを混ぜたり,少し感情的(怒る・泣くなど)になったりするとより効果的に子ども達に伝わることがあると感じています。

 

更に子ども達に何を伝えたいのかという意味では,日頃から情報収集して有意義な情報を集めておくことも非常に重要だと思います。(勉強してない人は教える資格がないんですよね。)

 

ということで,私なりに子ども達の前で話す時の6つのステップについて書いてみました。

 

今回の記事が、皆様の参考になれば幸いです。

 

本日も読んでいただき,ありがとうございました!