最近この本を読んだので、レビュー書いてみます。
私の好きな重松清の作品ですね。そういえば読んだこと無かったので読んでみました。
あらすじと感想を書いてみます。
あらすじ
主人公は30台後半のサラリーマン。
妻に浮気された挙句に離婚を突きつけられ、
息子は受験に失敗して引きこもりに。
更には自分自身もリストラにあう。
「もう死んじゃってもいいかな…」
そう思いながら過ごす主人公の前に現れたのは事故で死んだはずの親子。
その親子の運転するワゴンに乗って、主人公は過去へと戻っていく。
あの日に戻れたとして、人生はやり直せるのだろうか…
そんな時代を遡って人生を見つめる不思議なストーリー。
感想
私はこれを読んで凄くリアルだなって思ったんですよ。
設定はもう明らかにフィクションですよね。過去に戻るのも死んだ親子の運転するワゴンも現実にはありえない。でも所々に凄くリアリティーを感じてしまったんですね。
例えば過去に戻った主人公は奥さんがテレクラにハマっていて、日中別の見知らぬ男と肌を合わせていたことを知ってしまいます。
その奥さんが家に帰ってきた時に、主人公は奥さんのことを問い詰めてやろう、絶対許さない、言ってやるぞと思いながらもそれが出来ない。
むしろ主人公は全てを知りながらそんな奥さんを抱いてしまうんですね。
これって逆に凄くリアルなんじゃ無いかなって思ったんですよ。言ったら関係が壊れてしまう、でも自分の所有であることを確認したい男の意地みたいなの表れてるなって。
時折そういう理屈じゃない行動取るのが人間じゃないですか。
こういう場面が随所にあって。明らかにフィクションなのに、物語の端々にリアリティーを感じてしまいましたね。
そして何と言っても重松清の筆力です。
「良い映画は一言で表せる」
っていう言葉がハリウッドにはあるそうなんですけど。
この物語の核は重松清もあとがきで書いてますけど、
「父親と同世代だったとして、友達になれるのか?」
っていうところなんですね。それぐらい、主人公と父親との確執が一つのテーマになっているというか。
確かにそういう問いは思いつきそうですけど、その一つの問いからここまで物語を完成させてしまうあたり凄すぎますね。
ということで、今回は流星ワゴンについて書いてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき、ありがとうございました!