最近ホリエモン氏から目が離せないのである。
私はこれまで結構彼の本に目を通し,メルマガも購読してきた。今回の都知事選でもその戦略が凄いと思ったので,私なりにその行動を解説してみたい。
なぜあんなにも偉そうなのか?
まず多くの方が「ホリエモンってマジ偉そうだよね」「なんか小池さんのことバカ殿とか言ってるけど,人として最悪だよね」と政策よりもその人柄を批判している。
なぜホリエモンはこんなにも攻撃的なことばかり言うのか。
それは炎上がもっとも集客方法として効率的だからである。
現にホリエモンのメルマガでは多くの方が「もっとフォロワーを集めたい」などという質問をして来ているが,彼は「炎上が一番手っ取り早いですよ」と何度も回答している。それぐらい炎上は効率的なやり方なのだ。
炎上すると「あいつはどんなことを書いてるのか」と効率よくメルマガに来て課金して行ってくれるのだそうである。
よってあえて短い文で切り,人を煽る。
そして炎上したところで足りない部分をYOUTUBEで説明する。そうすることで動画の登録者も増えていく。
メルマガ、オンラインサロン,ロケット産業,飲食店経営…etc
ホリエモン氏が手掛けるものは多岐に渡っているが,アンチが「こいつは最低だ」とののしればののしるほど,それが拡散されてお金になってホリエモン氏に回収されていくわけである。
そういう金の稼ぎ方でいいのかという批判はもちろんあるだろうし,私も完全に賛同は出来ないが,このハートの強さと計算高さはすごいものがあると思う。
さらに今回の都知事選に合わせて本も出版している。
「出馬するかもよ」と言うだけで,アンチが騒ぎ,マスコミが勝手に取り上げ,本も売れるという仕組みを整えているわけである。
いやはやすごいアイディアである。なんというハートの強さだろうかと感心させられてしまう。
都知事選をビジネスに利用。
ちなみに都知事選に出馬するために必要な供託金(一時的に収めるお金)は300万円である。
これは彼からしたらちっぽけな額だろうし,そもそも一定の票数が集まればこれは返って来るお金だ。
その300万円を元手に彼が何を得ているか,その一つが莫大な広告料である。
今回の都知事選で連日トップニュースに彼の顔がのる。メディアが彼の動向を気にして報道し続けるからである。(多分ぎりぎりまで出馬表明はしないでしょう)
普通だったら数千万かけなければできないような広告を彼は「都知事選出るかも」という匂わせ発言だけで実現しているわけである。更に実際に出馬しなければ元手ゼロである。
つまり,もう当選しようが,落選しようが彼のビジネスにとってプラスしか無いのである。これは最初から勝ちが決まった勝負なのだ。普通こんな一手を思いつくだろうか。
私ももちろん,このようなやり方が政治家として正しいとは思わないし,美意識みたいなものが足りないとも思う。選挙という領域までビジネスに結び付けるのには,世の中の多くの人が嫌悪感を示すだろう。
しかしながら,私はその頭の良さに時に強烈に魅力を感じてしまうのである。
都知事選をハック
更にここに来て立花氏が「ホリエモン新党」を設立。
どストレートなネーミングだが,その中にホリエモンがいないという奇妙なスタンスである。(卵サンドに卵が入ってないようなもの)
更に立花氏は「小池百合子」という同姓同名の立候補者を出すことによって,少しでも現職の「小池百合子」への投票を減らそうとしている。
(どちらの小池か不明な票は,得票数の割合に応じて配分される)
多分最後の最後で立花氏は出馬をやめるのだろう。
そうすることで,最大限にホリエモン票を稼ぎつつ,当選の固い小池百合子氏の票を少しでも減らす作戦である。
(ホリエモンが都知事になれば来年の都議選で議席数が獲得できるという狙いも立花氏にはあるのだと思う)
同姓同名の立候補者を出す。これは,立花氏のアイディアだろうが,思いついても普通やるだろうか。(やるんだな,この立花って人は。)
もはやここまでくると,小説とか映画の世界である。もちろん正攻法ではないし,ある意味で問題のあるやり方だとも思う。
しかし,弱者の兵法とはそういうものなのである。私も身長が低いくせにバレーをやっていたので「どうしたらデカいやつらに勝てるのか?」をずっと考えた。
だから,このやり方というのは褒められたものではないのはもちろん理解しているのだが,力で勝てないなら工夫で勝とうという姿勢は嫌いではない。
ホリエモンは都知事に向いているのか?
最後にホリエモンは都知事に向いているのかどうかという点で私見を述べたい。
「大麻解禁」
など,彼の掲げる公約は非常に刺激的で嫌悪感を引き起こすこと必至であるが,実は理に適っている部分もある。
そもそも大麻の毒性はアルコールやたばこと比べても低いのである。(ものにもよるけどね)
更に多くの国で大麻は合法化されており,一大ビジネスにもなっていて,税収や雇用にもつながっている。タバコやアルコールがOKで大麻がダメというのは理屈としてはあまり通らない話なのだ。
(ただ大麻って国がダメってしてるからね。東京都だけ大麻OKってことはありえないでしょう)
なので,一見エキセントリックに見えるその策も実はちゃんと理に適っていたりするわけである。
しかしながら,弱者には手厳しいのは間違いないだろう。
すでに色んなメディアで「学校は要らない」とはっきり明言しているから,ホリエモンが都知事になったら学校は大きく変わるだろう。
完全キャッシュレス化を明言しているが,その流れについていけないタイプの人だっている。
なのでホリエモンが都知事になった場合,一部のエリート層にとってものすごく住みやすい場所になるのと引き換えに,圧倒的な格差社会になると予想している。
だから私が都民だったらやはり「小池百合子」と書いて投票するかもしれない。しかし,その場合はもう一人の「小池百合子」にカウントされてしまう可能性があるわけである。(しかし,よく出来てる笑)
実際のところ私は都民ではないので,結果がどうあれあまり関係はないのだが,残りの日数で何を仕掛けてくるのかには大注目である。
時代を先取りする人は理解されないものである。織田信長も,豊臣秀吉も,優れていたのはそのビジネスセンスである。 だからもしかしたら彼が都知事になったら今までに見たこともないような飛躍を東京が成し遂げるかもしれないとも思う。
今後の注目を見守りたいものである。
ということで,今回はホリエモンについて書いてみた。
皆様の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき,ありがとうございました!