教職者K

教育について考えるブログ。

コロナは教育が変わるチャンスかもっていう話。

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さて,私がいるところは来週から分散登校が始まる。

 

ソーシャルディスタンスを確保するためにも,机を体育館に設置して,1メートル以上離したり,給食の手順を確認するなど対応に追われているわけである。

 

我々教員は活動や対面での会話が出来ないなど,様々な場面で気を張ることになる。

 

しかしながら,マイナスのことを考えても仕方がない。むしろコロナで教育にはどんなプラスがあるのかを今回は考えてみたい。

教育の可能性は広がっている。

まず,案外教育の可能性がコロナで広がったのではないかと思うところがあるのである。

 

というのもこの休校中に,いろいろな学校のHPを訪問したのだが,HPがリニューアルされたところが多い。学校からの情報伝達のために,HPが今まで以上に役割が大きくなったからである。

 

これまで学校というところはそういう広報活動みたいなところがすごく弱かったわけである。学校が保護者や外部に向けての発信に力を注ぐようになったのは一つの変化だと思う。

 

ちなみに私は冬を超えてヘドロまみれになったプールを掃除しながら,「これカメラ回したら面白いな」と思ってスマホのタイムラプスで動画を撮影し,学校のHPに掲載した。

 

(テーマは「プールの水全部抜いてみた」である)

 

水を大分抜いたあたりで思いついたので中途半端な出来になってしまったが,最初から回していたらもっと面白い画になっていただろう。

 

他にも職員に演技してもらい,「新しい生活様式」にのっとった学校生活を動画で撮影し,編集している。

 

生徒が登校したらまず見てもらうのだが,この編集作業が結構面白いのである。他の場面でも使えるかもしれない。

 

学校は動画配信などについてはこれまでプライバシーや,平等性の確保などがうるさく,やりたいと思っても出来ないことが多かった。

 

しかしながらコロナの混乱はそういう煩わしさを超えて,この状況でも何かしなければならないという状況を生み出している。

 

こういった今まで無かったアップローチが出来るようになっているのはとても面白いことじゃないかと思うのだ。

衛生意識の向上

コロナによって子ども達はかなりウィルスを恐れている。家庭訪問で回ったが,ほとんどの子が真面目に家での自習時間を過ごしていたことが分かった。

 

新しい生活様式ではこれまで以上に人との接触を避け,手洗いなどの徹底が求められる。

 

私の学校では給食時もこれまでのような自由さはなく,黙って食べる。煩わしさはあるかもしれないが,今までよりもはるかに衛生環境はいいはずである。

 

今年の冬あたりはインフルエンザや風邪による欠席者は減るんじゃないかと思う。

優先順位がつく。

学校は忙しすぎる。それは子ども達にとってはどれも大事でなかなか行事にしても捨てることが出来ないからである。

 

しかし,今回の休校では中止にせざるを得ないものが出てくるだろう。

 

極論だが,それで子ども達に影響が出ないなら,「その行事はいらなかった」という証明になるわけである。

 

いつもは行事を縮小するにも生徒や保護者,そして教員自身の希望もあってなかなか削減は難しかったわけである。それを今年は思い切った取り組みが出来る。

 

本当に学校に何が必要なのかを考え,問題になっている学校の働き方改革を進めるいい機会である。

この状況が心地よい子がいるはず。

そして最後なのだが,この状況が心地よいという子は絶対にいるはずだと思う。

 

学校は子ども達同士の関りを求める。しかし,そのことがある意味ではいじめや,仲間意識による問題も生み出しているわけである。

 

今回のお互いに距離をとる生活ではそのような軋轢は生まれないだろう。

 

(現に自粛に入ってから日本の自殺率はかなり下がっているらしい)

 

それに,感染症が怖い生徒は出停の扱いで休むことが出来る。

 

つまり,これまで学校の問題点と言われていた「みんな仲良くしなさい」という同調圧力だったり「学校は行かなければ行けないところ」という縛りが辛かった子は,後ろめたい思いをすることなく学校生活を過ごすことが出来るわけである。

 

またオンラインの授業などでは「生徒の発言力の強さ」みたいなものも教室内ほど出ないだろう。むしろ声の小さい子ほどこういう状況の方が嬉しいと思っているかもしれない。

 

あくまで予想だが,今の人と距離を取った生活のままの方がいいという生徒と,前の学校生活に戻ってほしいという生徒では,実はそれほど変わらないんじゃないかとも思うのである。

 

それぞれが自分のスタンスを取りやすい今の状況というのはけしてマイナスだけではないだろう。

 

ということで,今回はコロナが教育に及ぼす良い影響について考えてみた。

 

書いてきて思うのだが,コロナ前の教育が本当に良かったのか?と思うのである。

 

一つ一つのことを見直し,本当に必要なものを残す機会にしたいものである。

 

本日も読んでいただき,ありがとうございました!